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90話 4章 ~エピローグ~

 ジンくんの処刑は何の他の人達と違い、処刑名が付いていなかった。

 それはきっと根津くんと同じで、脱落という扱いからの処刑だったからだろう。あれも名前は付いていなかった。

 もし名称があったら「季節外れの毛刈り」とでも付きそうなものだった。


 部屋が明るくなり、クウギョが室内に声を響かせる。


「今回は犯人投票と神の指名投票が混ざった特殊な状況でしたので何ともお伝えしづらい状況ではありますが、結果を報告いたします。

 これにて羊谷ジン様は脱落となります。

 そして皆様、おめでとうございます。

 犯人は羊谷ジン様でした。

 神の指名投票不一致により脱落となっておりますので変わりませんが、羊谷ジン様の神に成権利は消滅いたします」


 もはや疑いの余地はなかったが、ジンくんがナギサくんを殺害した犯人だった。

 ただ、ジンくんを処刑に選択したのは僕達だ。

 それは間違いない。


 何とも言えない雰囲気が場を支配し、誰もが口を開くのを躊躇う状況だった。

 そんな中、クウギョが定型文を告げる。


「えーでは、これにて今回の円卓会議を終了いたします。皆様、引き続きお過ごしくだ――」



「ちょっと待って」



 クウギョの言葉を遮るように声を上げたのは、ユウリくんだった。


「何かありましたでしょうか、猪瀬ユウリ様」


「ユウリが待ってといったのはみんなに対してだよ。コータ、チハヤ、マシロ」


「どうしたの?」


 僕が問いかけると、ユウリくんは真っ直ぐ前を向いたまま手を上げる。



「これから、円(・)卓(・)会(・)議(・)を(・)行(・)う(・)よ(・)」



「え?」


 円卓会議を行う?

 一体何を言い出したのだ。


 どうやら困惑はクウギョも同じようで、困ったような声音でユウリくんの前に降りてくる。


「猪瀬ユウリ様。円卓会議を行う、と言われましても先程の円卓会議は既に終了しておりまして・・・・・・」


「違うよ。さっきのはさっき。今のは今」


 ユウリくんは首を横に振る。


「これから行うのは――『黒(・)幕(・)』に(・)つ(・)い(・)て(・)の(・)円(・)卓(・)会(・)議(・)だよ」


「『黒幕』についての・・・・・・」


「円卓会議!?」


 チハヤくんとマシロくんが驚きの声を上げる。

 2人のように反応は出来なかったけど、僕も同じ気持ちだ。


「そうだよ。これから『黒幕』が誰かについて話し合おう。――クウギョ、いいよね?」


「はあ、いいと言われましても・・・・・・誰も被害者がいらっしゃらないので正式な『円卓会議』の開催ではありませんとしか言いようがなく・・・・・・」


「『黒幕』の被害者は『黒幕』以外のみんなだよー」


「まあ、それはそうとも言えますが・・・・・・とりあえず、部屋を使うこと自体は別に制限を掛けておりませんし、ご自由にお使いください」


 クウギョは困惑したまま、フヨフヨとどこかに行ってしまった。


「さて、と」


 ユウリくんはいつものような笑顔を見せずに、真剣な表情で開始を告げる。



「さあ――『最後の円卓会議』を始めようか」

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