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そっくりな顔の『私』と『わたし』  作者: 狼二世
■□ひとつ前 かもしれないし ひとつ後 かもしれない お話
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01.◇◇◇今は近くの光◆◆◆

 南からの明るい日差しが入る事務所の応接室。

 磨き抜かれた机を挟んで、にこやかに笑う記者さん。飛んでくるのは何度目かの質問。


 ――あなたが一番素敵だと思うアイドルはどんな人ですか?


 投げかけられた質問に、どう返事をするか迷ってしまう。

 答えはとっくに決まっているのに、どう答えていいかが難しい。

 隣に座る『あの子』をちらりと見ると、困ったように眉をよせていた。そうだよね、答え辛いよね。


 しょうがない。まずはこっちから始めよう。


「その人は――」


 答えは決まっているのだから、心にスタートサインを出したのなら、言葉はすぐに紡いでいける。


「その人はですね、世界で一番弱くて強い女の子なんです。とっても大きな壁……あきらめてしまいそうなくらい高い壁にぶつかったときに、どうしても立ち向かうことを怖がってしまう……だけど、絶対に向き合うことを止めない女の子なんです」


 ――なるほど。なんだか具体的ですね。もしかして、実際に知っている方ですか?


「ええ、もちろん」


 ――できれば、その人の名前を教えてもらえませんか?


「あ、それはちょっと難しいです」


 それを語るには、ちょっと複雑で面倒で秘密な問題があるのだから。

 うん、何があったかは絶対に忘れない。


 きっかけは、きっとあの日の――

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