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翔君の戯れ言
「国府」
翔が話しかけてきたのは昼休み。弁当をつつきながらのことだった。
「どうしたの?」
「いやさ、たまーに思うんだけどさ」
「うん」
「『どうも』だけで会話って成立しないのかな」
「突然どうしたの」
そんなことを言いながら唐揚げを頬張る。二度揚げは正義だ。大声でジャスティスと叫ぶ芸人の気持ちがほんの少しだけ分かった気がした。
「どこかで読んだんだよ。外国人が覚える言葉で一番汎用性があるのは『どうも』だって」
「どこで読んだのさ」
「覚えてない。教科書かもしれない」
「そうですか」
適当に話題を切り上げようとする。なんかめんどくさくなってきたのでご飯を口に入れた。
そんなときだった。
「どうも」
翔が唐揚げを取っていった。
そこから先はよく覚えていない。ただ、気がついたときにはコンビニの唐揚げ二つで手を打つと言って土下座している翔がいた。
「それはどうも」
適当に返しておいた。
たしかに『どうも』って汎用性ありますよねって話




