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俺と近衛

「学校いけるか?」




「……そう見えるなら、

お前今日眼科に行け」


「お前があの晩、素直に抱かれていたら

もう少し加減してやったのに、自業自得だ」


その勝手な言い分に、はぁ??と睨むと、

いつもの如くニヤリと奴は笑う。


「お前だって凄かったぜ?

特に二回目意識飛ばした後に

起きてからのお前の方が余程……」


「待て、俺二回目以降覚えてないぞ?」


「……じゃ……無意識で

やってたのか、アレ。


へぇ……それは凄いな」


この表情は本気で驚いている顔だ。


何を感心してる?

どんな俺を見たっていうのか。

俺をしげしげと見てる目つきが

ヤバイんだけど。


にしても、凄かったよな……とか

呟き、何か思い出したみたいに

途中でいきなり話を切りやがった。


「オイ……俺が意識無い間、

一体何やってたんだ?」


「口で言えとか、

お前案外好きものだな」


と、再び意味深な笑い顔。


「今度はちゃんと意識下で愉しもうぜ」


途端、ゾクゾクと得体の知れない

寒気がした。



マ・ジ・で・な・に・や・っ・て・た?



「そんなに気になるなら、

帰ったらその部分は動画で見せてやる」



多分だけど、今空耳が聞こえた。



“動画”……?


しかもその部分、だと?


耳を疑うような事を言ってる近衛に

恐怖すら感じる。



「お前の発言、ちょいちょい犯罪の

匂いがするのは俺の気のせいか?」


オイ、笑って誤魔化すな!


……昨日、お前がわざわざ自分の

部屋に俺を移動させた理由はその為か。

用意周到過ぎて行動の先を読めた試しが

無い。

俺はいつもそれに翻弄されるだけ……


じぁと、さっさと制服に着替えて部屋を

出ていこうとしてるヤツ服の裾を掴む。


「ちょっと待て、この薄情者。

せめて俺の部屋に運べ……

お前の部屋で母さんに発見された俺に

成程、と思わせるような起死回生的ネタを

提供してくれんなら別だけどな」



自室に戻してくれたのは助かったけど

なんかやっぱ、理不尽極まりない。


「ていうか、こんなになるまで

フツーするか?俺初めてだったのに。

メチャクチャやりやがって。

何が気持ち良くだよ」



「途中から、あんあん言って

俺の身体離さなかったぜ、お前。

あの時まで意識なかったとは

言わせないからな」


「嘘言うな!」


「嘘ねぇ。

結構声デカかったから、そのうち

親が上がって来るかと思った位だけど?」


「……え?

な、何で止めなかったんだよ!?」


そんな俺に近衛は意外そうな顔して

サラリととんでもない事いう。


「何で?お前気持ち良さげだったのにか?

別にバレでも構わなかったし。

むしろ、ハナっからそのつもりで

コッチはやってたから」


「…………冗談だ、ろ?近衛君?」



コイツ怖い!もう

いろんな意味で君、怖いよ!!



「まぁ、もう時間の問題だろうけどな」


だから、わ……笑うなって。



本当に本気に聞こえるじゃないか……










結局、そんな理由で学校休むのも

情けない気がして、昼から授業に

出ることにした。


部活は流石に出来そうになくて

岩倉さんに体調が悪いという事にして

見学をさせて貰おうと部室に入る。


その日の部室は全校集会後だった

事もあり、皆が一斉に

集まってしまって混雑気味だった。


暫くして一人が大声を出した事が

発端となり、今や

近衛の周りで人だかりが出来ていた。



「うわっ!なんだそれ??」


「すげー!!」



気になりつつも

俺達は部では今まで通りのスタンスを

取っていて、不用意に

近づかないようにしている。


近衛は面倒臭いとかいうが、

もし他人に勘ぐられたり、

バレたりする方が余程面倒だ。


着替えも同様なるべく近衛が視界に

入らない場所でしていたから

何の騒ぎかとは思ったが、

念の為にと傍観を決め込んでいた。


「ユズ、ユズっ!」


中村が何時もより

1オクターブ高い声で、


「俺、初めて見た!!本物!

ユズも見せてもらってきなって!」


「何はしゃいでるんだ、中村。

耳がキンキンするからやめろ」


近衛がどうしたってんだ、ったく。

何気に振り向いて身体が硬直する。


「!!!!」


近衛の背中にくっきり爪痕。


同期や先輩が好奇心一杯で群がった中、

日野先輩が呆れた声で、


「お前どんなS嬢と付き合ってんだ?

この間はビンタで、今度は爪痕か。

とんだM男だな」


俺はへばりついた視線を剥がし、

背を向けながら、わたわたと着替える。



……日野先輩、


“相手はS嬢”ではございません。

加えて言うならビンタは

俺じゃありませんが、‘ソレ‘は俺です。


そして最大の誤解は、

その男は完全なるドSですよ。



などと絶対に言えない俺を尻目に

近衛は俺にワザと聞こえるよう、


「ああ、なんか良すぎたみたいで、

“イイッ!”ってスゲーしがみついてきて

本当大変だったんッス」



(うーそーだ!!!)



岩倉さんからマスク借りて

暴言吐きまくりたい!


しかもお前、言いながら一瞬、

こっちチラ見しただろう?

心臓が凍るわッ!


(このドS、ド変態野郎め!!)


近衛の周囲ではヤツの放った言葉が

思春期のいたいけな男共の妄想力を

これでもかと掻き立たせ、

もうどよめきとも溜息ともつかない

変な感嘆符が皆の口々から漏れ出る。


「ほう?詳しく聞かせろ」


なに食いついてるんですか!?

日野先輩!


俺は既に持て余し気味の愛しい暴君に

これからずっと振り回されていくのだと

思うと、深い溜息を付かずには

いられなかった。




―――神様、


果たして俺って幸福なんでしょうか?



最後まで読んで頂き有難うございます。

感想とかポイントとか恐縮です(汗)



↓これから先は裏話です。

お暇な方だけどうぞ。


元設定。

【マンガ】天才プレイヤー(受)が

GK(攻)の所に入学してくる。

ギャグ要素一切無し。


4P位で小説なら終わりそうなネタ。

でも、5P以上のノルマが課せられている為

少し別テイストを加えたり。

……ギャグ色が強くなったのは

ひとえに中村の所為。


元々、救いのない話が書く方としては

好きなのですが、某雑誌の編集の方から

「後味悪すぎ」と。

まぁ、そこが好きなんだけどと思いながら

読み手は違うか、成程。とかとか。


この小説のコンセプトは“だらだら”

&“ぐるぐる”でどうでも良いことで

「え?またそこに戻るの?」的な(苦笑)

読み手に一番イラッとさせる設定w


途中、とある箇所で自ら地雷を踏み、

修復不可でした。

近衛、腹黒さをもっとやりたかった。


おもいつくままに書き、読み直しをしない

極悪な性質なので、今回ざっと読みかえし

あまりの書き方の雑さに笑いが

出てしましました。


いつか書き直しが出来ればやりたいですね。

所々、改稿してるのは他サイトにも

出してる時に誤字脱字を見つけた時に

直してる程度です。

本格的に書き直したら全部書き直さないと

いけなくなります^^;


最後に、自サイトで暫くしたら

おまけのSSを開始します。

それの宣伝はリンク宣伝サイトでは

出来ないようなので、ここでチラッと

宣伝しておきますね。


原稿イラストも同時に公開できれば

いいなぁとか言っていましたので

もしかしたらそっちも出るかもです。


ではでは、ここまで読んで頂き有難う

ございました^-^ノ

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