最強中学生、霧雨明日羅(きりさめあすら)
ヒューン!
サッ!
俺は親父から投げられたナイフをかわした。
「まだまだだな!今度は5本いくぞ!」
ヒューンヒューンヒューンヒューンヒューン!
サッ!
「やるな!明日羅!」
全て完璧にナイフをかわした俺を親父は褒めた。
俺の名は霧雨明日羅。きりさめあすらと読む。中学2年だ。
今は山にこもって親父から修行をさせられている。
親父は霧雨剛拳、きりさめごうけん。元フランス傭兵部隊隊長。
最強の傭兵と恐れられたが、敵の最強暗殺者のボウガンの矢が膝に刺さって引退してからは、地元の工場で働いている。
親父の趣味は俺を鍛えることだ。
「よし!明日羅!この崖を三十分で登れ!」
「またかよーまあ楽勝だから良いけど」
ガッ!ガッ!ガガッ!
俺は特製のナイフを崖に突き刺して、簡単に高さ百メートルの崖を登っていった。
そして、ハンググライダーで親父が待っている崖の下まで下りていく。
「二十三分か!いいタイムだな!いつものラーメン食べて帰るか!」
やっと親父は満足したみたいで、山から帰ることになった。
帰りの車の中で親父は運転しながら
「お前はもう最強の中学生だ!でもその力は誰かを助ける為に使うんだぞ!」
「わかってるよ。俺は中学生にしては強すぎる」
「がはは!それでこそ最強の俺の息子だ!」
こうやって俺の土日は親父に鍛えられて過ぎていく。
次の日……
俺は中学では目立たないようにしている。強すぎるので目立つと大変だからだ。
部活もやらずに度の入ってない眼鏡をかけて過ごしている。
「おい陰キャ!パン買って来い!」
「あははは!ひどすぎー」
俺の実力からすればいつでも倒せる馬鹿な不良たちの悪口を、サッとかわして俺が図書館に行こうとしていた時だった。
「飛び降りはやめなさい!」
校庭から先生達の声が聞こえる。
シュバッ!ダダダダッ!
異常を感じた俺は本気で校庭へと走った。
俺が校庭に出た時には、3階建ての校舎屋上から女子が飛び降りたところだった。
間に合うか?いや!俺なら間に合う!
シュバババ!ダダダダッ!
親父に教えられた忍者の最強加速を使って俺は屋上から校庭に落ちてきた女子を完璧に受け止めた。
はずだった。
受け止めた細い女子の身体の重さで、俺の身体の骨が
キンキンキンッ!
まるで何かの楽器のような綺麗な音を立てて折れていくのが、スローモーションで聞こえてきた。
俺は意識を失った。




