サーカスのような渋谷での死闘②
山田浅右衛門VSジョン・ゲイシーに動きあり!!
サーカスのような渋谷ではどのような指導が見られるか!!楽しんで読んでいただけると嬉しいです。
黒い液体となり浅右衛門を包み込んだ。その液体はドロドロとしており、正直にいって吐き気を起こすような色と匂いがしそうである。液体が晴れるとそこにあったのは白い布と死装束を身につけた山田浅右衛門であった。
介錯無道 首切りの灯火
先ほどの黒い液体とは違い、とても綺麗で清潔な白い死装束を着ている。その白は死神の骨のような恐怖が感じれた。
「・・・なんだよ。服の色が変化しただけじゃないか。ならまで自分の方が有利・・・」
山田は刀を前にだして、ゆっくりと上げた。それは徐々に上段の構えと変化していった。空気が震えるどころではない。震えすぎて尖った形で固まった。痛いとかそんなのは関係ない。逃げないと死ぬ。逃走しないとこの世から去る。ラン・ウェイしないとダイする。そんなことが頭の中で繰り返されるほどの恐怖である。それは観客席にも飛び火してしまった。
「母さん・・・」
「あぁ、我が愛しの・・・」
愛するものを思い出す者。
「銃・・・・いや、違う。対戦車砲があっても安心ができん。」
「どう、彼を説得する。金か?名誉か?しかしそれではだめだ。車を用意すればいいのか?」
なんとかして生き残ろうとして必死に自身の知識や情報を探し出そうとしている者。
「なんでこんなことを思い出してんだ。俺・・・嬉しいけどよ、アイスのあたり棒・・・」
「うァァァァァァアァ、何が堕天使の生まれ変わりだ。俺はなんでことを考えて・・・」
生きていた時の平穏でくだらない日常を思い出していた者。そんな必死に生きようとしている者たちを観て、ウェウェコヨトルは笑った。
「何が、首切りの灯火だ。観客席まで真っ赤に染め上げるほどの大火じゃないか。君が選んだ彼・・舌を引っこ抜くことをおすすめするよ。」
「舌を引っこ抜いたところで彼奴は止まらんないぞ。舌が何枚もあるようなものじゃ。」
「ほぉん。」
こっちは渋谷の殺気ほどではないが神、二柱が舌戦をしていた。
ジョン・ゲイシーは火中にいた。別に熱いわけではない。恐いのである、今までトラウマは一つぐらいしかなかった。しかしここで父を大きく超える出来事が起こるとは予想外を超えて驚愕である。しかもその元凶が目の前にいる。
「あぁ、クソタレ。走馬灯かよ。それはもう捨てたはずなのになんで思い出している。」
「遺言はそれでいいか。」
布で見えないはずの浅右衛門の眼が鋭く光っていた。そのままゆっくりと空気が尖りながら刀に纏う。そのまま刀が振られた。
「はぁ?ーーーーー!ーーーーーーー」スバァ
空気の塊がゲイシーの首に一線入った。
首切り一式 尖斬
気づけばゲイシーの首は地面に落ちるはずだった。
「休憩!!。」
聞こえるはずのないゲイシーの声が聞こえたのだ。そして落ちた首の口の中から巨大な手が現れて、胴体を回収して口の中に入れた。そのままその巨躯が飛び出してきた。竹馬に乗っており正確な身体の大きさがわからないしかしそれは街灯ほどの大きさであった。
怒涛の第二幕
「でメェェ、クズ野郎がァァァァァァアァ。よくも切ってくれたな!!間抜け!!間抜け!!間抜け!!間抜け!!間抜け!!間抜け!!間抜け!!」
怒り狂っている、声も全然違う別人になっており。その姿は先ほどの軽快ではなくまさに怒涛だった。
『ここで流れ変わった!!ジョン・ゲイシーが姿を変えた!!怒ったピエロのようですね。しかし彼は首を切られても死亡しない・・不死身なのでしょうか?』
『ミミーさん。彼ジョン・ゲイシーがどうして殺人鬼を代表するような殺人鬼になったか、わかりますか?』
『えっ、う〜〜ん。ピエロというインパクトですかぁ?』
『まぁ、それもありますけど、要はイメージしやすい恐怖が原因です。それが原因で彼にはさまざまな噂が付いた。そして彼を不死身のようにしたのは某ホラー映画が原因でしょうね。』
『なるほど、キラーズの身体は大衆のイメージが入ってますもんね。そんなに多いのですかジョン・ケイシーの噂は。』
『ありますよ。有名なのはやっぱりジョン・ゲイシーが死体愛好家だったというやつですね。あれはマスコミが作った話という説が強いですよ。』
『なるほど。しかしなんで彼は怒り狂ったピエロになったのでしょうか。』
『思い出したのでは、さっきの攻撃で彼の幼き時の思い出を・・・』
「ゴミがァァァァァァアァ!!消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ!!!」
怒号の竹馬
豪雨の如く竹馬が突き刺すように降ってきた。地面に大きくひびを入れていた。その槍雨のような攻撃を浅右衛門は全てスレスレで避けていた。ドロっとした黒い物が上から落ちてくる。一つ一つは避けやすい単純な攻撃だが、この鉄球の上で避けるのは厳しなっていた。
「“濁世墨眼”の処理が少し遅くなっている。ここまでドロドロしているのは始めた見たな。これがキラーズか。いいね。」
布越しなのに生き生きとしているのがギラギラと伝わる。
「生き生きとしてんじゃねぇよ!!」
竹馬の速度がもう一段階上がる。その速度は滝のように速くなっており、ただ避けるだけじゃ避けることが不可能になっていた。刀が回避のために酷使されている。
「くっ・・・きついな。この勝負受け流したり、避けたりするのが難しくなってきた。」
「そろそろ、大玉乗りをするサムライには会場から出ていってもらわないとなぁ!!」
すると竹馬が鉄球にドスッと突き刺さった。それは達人か出すどんな槍よりも鋭く、最新鋭の銃火器よりも速く、森羅万象八百万の雷よりも轟音を響かした。ベキベキと突かれた部分からひびが広がっていった。そして今の突きは新たな展開を呼ぶ、突きであった。
「隙あり。」
パッン
「おォ?オットトトト。」
「すまない。竹を切ることは私にとっては首を斬ることよりもよくやっていたことだからな。不便になるだろうが耐えてくれ。」
片方の竹馬を切られて、片足立ちをする羽目になったゲイシーは大きく踊り出した。それはピエロがコサックダンスを踊っているようであった。
「おい!!ゴラァ!!待てぇ!!どぉこに行く!!」
浅右衛門は踊っている隙をついて、広い場所に脱兎の如く逃走した。すぐにゲイシーは追おうとしたが、竹馬が切られてバランスが不安定だったのと、脱兎の如く逃げた浅右衛門が追いかけることができないと判断したのか、バランスを戻すことに必死になっていた。しかしますますとコサックダンスが酷くなってきた。
「なんだよ。あいつ怒り狂ってる割にはすげぇ滑稽だなwwwww」
「そうだな。滑稽なピエロだ。」
「見ろよ。あの醜い面。」
観客の侮辱的な声援が降り注いだ。怒りと雪辱が降り注いだ声援を糧に芽を出してしまった。
「ガァァォォァァァァァァァア!!」
竹馬が彼の手によって、真ん中から砕けて割れた。口の中から何かを取り出した。
「オェェェエェェ。取れた。」
激情の皿回し
「なんだ、また芸のない攻撃か。」
「くだらねぇ。」
「結局、何もできないよな。」
観客席ではまだ侮辱的で雪辱的な歓声が聞こえる。それをゆっくりと酒を嗜むように冷静にゲイシーは受け止めた。
「父さん。見ていてください。あなたの息子は今ここで、非常な少年趣味の殺人鬼をやっております。」
怒りの仮面が一瞬快楽の顔になった。
次回、ゲイシーがどのような攻勢に出るのか、観客たちの反応は・・・
ブックマークと感想などを書いていただけると嬉しいです。次回も投稿は未定ですが楽しみにしていてください。