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死神だった俺、暗黒魔法の転生者として平和な時代で再び戦いに巻き込まれる  作者: バッチョ
魔導大会五日目

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魔導大会、閉幕

 一対一決勝戦から二時間が経過し、現在時刻は15時を過ぎる。

 魔導大会に出場した134人の選手はフィールド内に集められた。


「これより表彰式を行います」


『名前を呼ばれた選手は登壇してください』


 大会連盟会長から式の挨拶がなされ、表彰の授与が始まる。


『まず個人総合ポイントの上位者を発表します。

 第一位ベルモンド学園四年生ベレス=ダーヴィネータ選手、125ポイント


 第二位エンドリアス学園一年生アルム=ライタード選手、124ポイント 


 第三位グレニア学園二年生タリオナ=クルバルト選手、100ポイント

 同率三位エンドリアス学園一年生セロブロ=ジクセス選手、100ポイント


 第五位エンドリアス学園五年生ライザ=バルトール選手、90ポイント


 第六位ロードスト学園四年生トールズ=フィルフィート選手、72ポイント


 第七位エンドリアス学園二年生マリア=レイスグレイ選手、69ポイント


 第八位エンドリアス学園五年生スベン=ディルタイア選手、66ポイント

 同率八位エンドリアス学園一年生ラビス=ベルティーネ選手、66ポイント


 第十位エンドリアス学園四年生テイバン=ビルフォート選手、60ポイント

 同率十位グレニア学園二年生ライオス=シュレイン選手、60ポイント


 呼名された11名の選手は登壇してください』


「もう終わりか……」「どうやって歩くんだっけ?」「僕が……八位」


 ベレスは宿敵との出会いや自身を成長させた大会を惜しみ、ラビスは緊張のあまり歩き方を忘れ、スベンは意識がどこか遠くを見ているような表情を浮かべる。


 他にもタリオナやテイバンなどの表彰経験のある選手は落ち着いて、逆に初出場のマリアやラビスは覚束ない足取りで壇上へ向かって行った。

 

(チッ、家族の前でダサいところは見せられねェ……!)


 アルムも普段通りの足取りではないが、緊張というよりも両腕を動かせない要素が大半を占める。


「すげェ、上位勢の半分以上がエンドリアス学園とかヤバ過ぎんだろ!」

「しかも獲得ポイントの最大値も平均値も歴代最高スコアだってよ……!」

「噂だと試合賭博の掛け金も去年の数十倍だったらしいぜ!」


 百キロ走では竜種襲来(イレギュラー)による順位マイナスポイントの帳消し。

 魔撃墜では初の二人チーム優勝によってポイントの大幅アップ。

 一対一ではアルムvsベレスの試合の期待が高すぎるが故に各地で賭け試合が勃発。


 過去でも類を見ない怒涛の波乱続き、そして見る者を熱狂させる大会だった。


「おめでとう、素晴らしい戦いだった」


 壇上に並び立った選手一人ひとりに会長は労いの言葉を投げ、透き通った水晶と貴金属が調和した記念品を胸元に括り付けた。


「皆さんっ! 日々の過酷な練習を乗り越えた候補生、強大な相手を渡り合い奮闘した選手、そしてこれからの時代を担う魔法師たちに盛大の拍手を!」


 会長は観客に向けて拍手を促すと会場全体が称賛の音で満たされる。


 歓喜する者、悔やむ者、嘆く者と反応は様々だ。


 しかしそれらの感情は魔導大会という舞台で発生したものに過ぎない。


 時が経てば今日を笑えなかった記憶も形を変え大切な思い出として刻まれていく。


 そんな日が訪れるのは明日か、一週間後か、一か月後か、一年後か――――。


「くそ……」


 言葉にできない想いがテイバンの顔に静かな陰りを落とす。


 その日が訪れるのは本人にしか分からないものだ。


 ***


 表彰式終了し現在時刻は18時頃、レイゼンは焦りを含ませながらリベルの帰り支度が済むのを待っていた。


「すみません、すぐに終わりますから」


 他者の反応に敏感な彼は適切な言葉を投げかける。


「いや気にする事はない、予定を早めたのは私の都合なのだから」


 選手や教員として宿舎に寝泊まる四人と違い、彼はロードスト学園の一般生徒。

 そのため個人で宿を手配し、魔導大会が開催される五日間を過ごしていた。


「今更ですけど僕の力が必要なときに転移させれば、こんな無駄な時間を取らせずに済んだのですが……」


「確かに金も時間も掛からない良い手だ。しかしライオスやタリオナと会える数少ない機会を失うのは惜しいと思ったんだが、余計なお世話だったかな?」


「そ、そんな事ありません……! とても楽しかったです」


「そう思ってくれたなら何よりだ」


 観光、催し、そして友人たちの雄姿、裏社会と死神教の調査で殺伐とした日々を送ってきた彼にとってこの五日間は記憶に残る思い出となった。


(私にとっても悪くない大会だった、だが……これだけは確かめなくてはならない)


「準備できました……」


 10分の時間を要し、リベルは背負いバックの中に宿泊の荷物をまとめる。


「ではキミの部屋に行くとしよう、【空間転移(テレポーテーション)】」


 リベルの肩に触れた彼は魔法を発動。

 空間の膜がめくれたように歪み、彼らは100キロ以上も離れたロードスト王国の中に転移を果たす。 


「ありがとうございます」


 幾度となくレイゼンの転移を経験した彼は感謝を告げると椅子を持ってくる。


「何か飲み物は……」「いや結構だ、それより訊きたい事がある」


 レイゼンは椅子に腰かけ、早速話を切り出した。


「アルム=ライタード、彼に対して『得体の知れない』という感想を懐いた理由を聞かせてくれ」


「……! 分かりました……」


 明るい雰囲気から一転、レイゼンとリベルは神妙な面持ちで話を始めた。 

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