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4-7 アンジェの仕事

 「こんにちは。赤髪亭のアンジェといいます。お昼にサンタシさんに念話で連絡した通り、今日も来たんですけど中に入っていいですか?」


 都市中央区の中でも東よりに位置する都市中央買取広場。

午後2時を回ってそろそろ指輪リング持ちの狩人たちが獲物を持ち帰り始め、一日の中で最も激しい喧騒が始まる直前くらいだ。


 今年卒業することになるので午後のカリキュラムも軽いものとなっている4年生の少女は帰宅前に赤い髪をポニーテイルで揺らしながら中央買取課の広い窓口の横にある大きな通路へ向かう。

 彼女の格好は今日も白いシャツに赤いスカート。白いシャツはカイルに買ってもらったものではない。白いシャツは厨房でもここでの作業でも汚れると目立つのが自分の力の誇りからこの色に決めている。赤は加熱能力、白は冷却能力だ。


 買取窓口を見ると応対窓口の多さから建物が横に広いことは見て取れるが実は奥行きの方がはるかに広い。全体ではないが建物の奥は2階建てになっている。奥へ進む廊下の入り口には特に門番が配置されているわけでない。しかし買い取った物品を一時置いているため、盗難を防止するために通常出入りしている民間業者以外が入ると職員から誰何される。中央買取課での仕事の初日だった昨日はサンタシと窓口で合流したあと紹介してもらったので怪訝な顔を向けられることはなかった。

 昨日案内された学校の教室の半分くらいの大きさの部屋に入る。立ち入り禁止と書かれているが中央買取課職員以外に向けてのもので職員なら誰でも入ってくるそうだ。部屋の中には男が二人、そして可塑性を持つ素材で作られたいくつかの四角い物体が並べて立てかけられている。


「こんにちは、アンジェさん。昨日の件はカイルさんに話して頂けましたか?」


「はい。特に問題はないって言ってました。新しい地区に移って昨日はミーティングだけの予定だったけど結局、大森林そとに出てたそうであたしに付き合って氷の提供に顔を出さなかったのはすまなかったって言ってました。」


 中央買取課の窓口職員のサンタシはアンジェの都市買取課への氷の提供と各地区へ流通が始まるに当たって大問屋から要望を聞いていた。

その件について了解を得る為にアンジェに尋ねたのだがカイルに聞いてからにして欲しいと言われて保留のままだ。

 中央買取課への氷の提供に関する契約はアンジェ個人ではなく赤髪亭と結んでいる。赤髪亭に下宿している店子でしかないカイルは厳密に言うと関係者ではないのだが異法の冷却能力の発見者であり、アンジェの婚約者でもあり、その上、氷の値段や付随する交渉については赤髪亭の主のマリアからカイルに一任するとのことだった。

昨日の初回の氷の提供の後に生じた問題点を当日のうちにカイルと相談したかったのだが夕方まで大森林に道を作っていたためにいつもの狩りよりも都市に帰って来るのが遅く、サンタシ自身も夕方は狩人への対応が忙しいので同居してるアンジェに連絡を頼んでいたのだ。


「カイルは今日もまだ帰ってきてないんですか?」


「いえ、先ほど指輪リングでこちらに戻ってきてましたよ。ただ合同パーティーでの狩りなので成果をどうするのかとかを相談してるんじゃないですかね?」


「?」


 その後もサンタシはあのままじゃ量れなくて解体してから……などとブツブツ言っていた。合同なら普通に全員で等分すればいいのになんで揉めるのかと思ったが狩人について知らない自分が口出しすることじゃないと彼の独り言を遮って自分の作業に入ろうとする。


「じゃ、そのうちカイルがこっちに来るまでは昨日みたいに先に氷箱を作りながら準備をしておいたほうがいいんですか?」


「あ、カイルさんに確認したいのは氷の作成作業についての要望じゃないんで昨日と同じでどんどん進めてもらっていいですよ? じゃオゥ、カイルさんが来るまでは私も買取受付に回るからお願いするね。」


 そういわれたもう1人の男は大きな水瓶がいくつか並んでいる。この部屋に上水道からの供給口はないので水の異法士である彼が施設内の上水道からこちらに誘導してきたものだ。


「甕に水を貯める前に昨日使った枠は洗浄しておいた。すぐに使えるよ。」


 サンタシからオゥと呼ばれた彼は頭に頭巾を被りながら言って立てかけられた枠を並べる。その数は4つ。可塑性を持つ素材できたそれは日本の一般的な蛍光灯カバーを下に置いたような物だ。 他にも同じ大きさで底が縦横に仕切られて格子状になった巨大な製氷皿がある。


「ありがとうございます。それにしてもやっぱり水とか土の異法って便利ですねぇ。物を洗うのも水の浄化もあっという間だし。学校で火の異法がバカにされてるのもちょっと分かります。」


 火の異法が土や水の異法に比べて役に立たないと散々言われてきてその都度反論してきたアンジェだったがやっぱり生活に密着している上に労働力を減らす異法は便利だ。


「なに、今は君にしか出来ない異法に価値があるさ。まだまだ氷は広く知られてないし君の時間も限られているから各地区に卸す量も少ないけれどその気になればもっと作れるんだろう? まずは狩人目当ての酒場だけだろうけどその値段も知られたらもっと君は必要とされる。扱う僕らとしちゃ需要が増したら高くしたいところだけどね。」


「儲かるなら私もそうしたいけどいずれ製法が分かったら反感を買うだろうからカイルがやめとけっていうし。私も後になってぼったくられてるのが分かったら腹が立つのは分かるから仕方ないですね。」


「じゃさっさと始めるか。なんせ作ってしまったら時間が勝負だし。」


 当然だが氷は放っておけば解ける。

カイルは赤髪亭と同じでグラスに入る氷を作って販売することを提案し、そのために一度に大量に作れるように巨大な製氷皿を道具屋マヤに作ってもらった。巨大な製氷皿を捻って氷を割るのはいささか手間だがそれは3番を除く11地区の外門付属の買取課への運搬担当の人がついでにやってくれるのでアンジェやオゥに手間はかからない。


 氷の供給はまずは外門詰所近くにある狩人目当ての酒場だけにしており、量り売りで上限を決めて例え少量でもなるべく希望する多くの店に渡るように配慮した。そのために狩人相手の酒場の近くに位置する詰所の窓口で提供することにているわけだ。

いずれは酒場への供給や一般家庭の希望者、街中の飲食店にも提供することになるだろうがそれは民間問屋が担当する流通となる。

アンジェの氷の供給に独占権が認められている間は問屋が自前で氷を作ることはできないし、アンジェも都市全体の氷の需要を一人で満たすことも出来ない。より広く氷が行き渡るにはアンジェの独占権が消失して氷を作れる異法士が育ってきてからになるだろう。


 アンジェは学校を卒業するまでの今年一杯までの3ヶ月は今の状態を続けて来年の卒業後に時間が取れるようになってからは独占権が認められてる間はなるべくここに詰めて供給に務めるつもりだ。


「じゃ、また先に箱を作ってからだね。先に人を呼んでおこう。」


「お願いします。さすがに私達だけじゃ時間が掛かるんで。」


 オゥの念話で11人もの人数が入ってくる。


 歪門により各地区への移動は時間がかからず、そして念話が使えることで氷の到着は事前に知らされ、解ける前に売られていくが少しでも解ける部分を減らしたいと考えたカイルは売り物の氷を氷で作った箱に入れて運ぶことにした。

 それを作るための枠がオゥが並べていたもので水平にして水の異法で甕から水を移す。あとはアンジェが触れたと思ったら瞬時に凍り、5モイト程度の厚さの氷の板が出来あがる。それを組み合わせ、接着面に水を流してまた凍らせることで出来上がるのが三辺一メイト足らずの蓋がない氷の箱だ。

あとは巨大製氷皿にオゥが水を入れてアンジェが凍らせ、ひたすら箱に詰めていく。

売り物の小さな氷は氷で出来た箱に入れるせいですぐには解けない。少なくとも昨日は歪門を通って運ばれる間は問題なかった。

11人それぞれが台車に乗せて去っていき、残り一つの箱はこの中央の氷販売を担当してるのはオゥが持って行く。


「しかし君のおかげで折角部屋の中が一気に涼しくなったのに時間が勝負のこの忙しさのせいでそれを楽しむ暇がないな。では私は酒場の連中に入荷を知らせに行くよ。」


 中央では狩人目当て以外の酒場も多いのでこれほどの氷があっても量り売りで上限まで買われると希望者全員に行き渡ることは不可能だ。なので昨日のうちに希望者にくじを引いてもらって今日売る相手を決めているそうだ。

氷の供給はまだ試験段階で昨日から始まったとはいえ、すでにそんなことまでしているのはサンタシの指示だ。

予約にするといつも同じ店に買われてしまう恐れがあるので扱えない店からは不満が出てしまう。なので前日にくじ引きをすることにしたそうだ。どうせどの店も上限量まで買うのはわかってるので一日に売れる店の数も分かる。


「お、未来の旦那さんがきてるぜ?」


 冷やかしながら出て行ったオゥと入れ替わりでサンタシと一緒にカイルが入ってきた。


「や、アンジェ。頑張ってる?」


カイルはまだ装具を預けに行っていないようで艶消しの黒い装具を身に付けたままだ。今日の成果の代金をチャージしてそのままこっちに来たようだ。


「もう終わったわよ。まぁここにカイルがいてもやってもらうことは氷を入れるくらいだけど。それよりサンタシさんから聞いた?」


「ああ。研修っていうか見学の件だろ?」


 カイルは背中の背負子を下ろして自分の装具を外して括り付けながら返す。


 中央に店を出している大問屋からサンタシに上がってきた要望はアンジェの独占権が切れてからすぐに氷を供給するために自前で氷が作れる異法士が欲しい。そのために実地で氷の作成過程を見せて欲しい、できれば教授してもらいたいという内容だった。

アンジェはどうやって教えていいか自身がないので辞退したいのだが、少なくとも異法で作ってるところは見せて欲しいと強く言われてカイルに相談していた。


 さっきまでカイルはサンタシと話を詰めていたのだが見せることについては問題はないだろうと返答した。それよりも氷の需要が増えることは予想できるので作れる異法士がいた方がいいので各問屋が養成することに異論はない。

そして氷に関する異法の使用法を教える代わりに自分たちの地区への氷の運搬をしてもらうことになった。カイルやアンジェにとってはそれは何の得にもならないのだが自分の部下の負担を減らすためにサンタシが誘導したわけだ。大問屋は地区を兼ねているところがあるので中央からも運搬の人員を出さないといけないが彼らがいる分は買取課から出すのは少なくて済む。

ただでさえ氷に需要があるのは買取課こっちも忙しい時間帯なのだから運搬とはいえ人を割きたくないのだ。


「アンジェさん。彼らが次から見学のついでに手伝ってくれますので。」


 そう言ってサンタシが問屋からの見学者としてアンジェに紹介したのは若い女性がほとんどだった。当然火の異法士だ。

これはアンジェが女性であるため男性を学びに行かせることは婚約者であるカイルが不満に思うかもしれないということと、4人も娶ることになったカイルのことなので接点があれば5人目として目に留まれば自分たちへ引き込めるかもという狙いもあった。


「「「「「「よろしくお願いします。」」」」」


 そう言った彼女たちの視線は強くアンジェに向けられる。

今は独占権があるがいずれは自分たちで稼げるようになるのだから学ぼうとする意欲も高い。それに異法士ではあるが何かと低く見られがちの火の異法の可能性を広げてくれる人物なので年下とはいえアンジェを見る目には敬意が見える。


 次にカイルにも視線を向けてくる。おそらく上司か氷についての会議に出ていた問屋の長から聞いているのだろう。彼らが口を開く前にアンジェの声が部屋に響く。


「あ、そっちには寄らないでね? 火の異法で冷却を教えてもらおうとしたらとんでもないセクハラを受けるかもしれないから。」


「なっ!!」


 カイルは驚いた後にアンジェに念話を飛ばす。


『いきなり何言ってんだよ? 俺は女にイタズラしたことないぞ!!』


 するといきなりアンジェがこっちを睨んきた。


『あんたね、あたしに冷却を実感させるために何やったか忘れたの?』


『何かしたか?』


 念話での会話だったので周りには突然アンジェがツカツカと近づいてカイルに腹パンを食らわせたように見えた。


『あたしの身体の隅々を舐めるように源力を這わせたでしょうが!』


 アンジェは全身に寒さを感じたのでカイルの源力が全身の肌を包んだと思ってるが術士でなく、異法士のアンジェにはカイルの源力の動きが知覚出来ていたわけではない。

 火の異法士のアンジェは料理で異法を使うなら鍋で調理する場合に加温するなら全体でなく食材が当たる部分をより強く作用させる。当然ながら異法を流した物体の全体が知覚出来ないと特定の部分だけに強弱をつけて作用させられない。 なのでカイルに寒さを実感させられた時に「全身くまなく」彼の源力に撫でられた、と思っている。


『それは「寒さ」を分からせるためで、』


 念話が終わる前に2発目の腹パンが決まった。

今日の狩りで消費したカロリーを補う前のカイルは地に伏した。


「じゃ、次は明後日になるけどここでやることの説明をしておきますね。」


 目を丸くした異法士たちに笑顔を向ける。

先ほどまでやっていた作業を実際に繰り返しながら説明しようとしたが水の異法士がいないのでオゥがやってくるまでは甕の水を凍らせて氷の実物を見せることにした。


そんな中、サンタシはカイルに肩を貸して自分の応接室へ向かって行った。



-*-



「なんというか意外ですね。」


 応接室の対面に座って氷が入った果汁水とサンドイッチを食べているカイルに声を掛ける。

サンドイッチは逃げないのに彼はかなり急いで咀嚼している。よほど狩りで消耗していたのだろうか?バターをやたらに多く付けているがあれではとても旨そうに見えない。


「『遠慮』のみなさんはカイルさんに従って行動してるように見えましたけどカイルさんってメンバーで一番年下ですよね? かと思ったら年下のアンジェさんにあんな感じとは。」


 果汁水を飲みきってから彼から返答が返ってくる。


「アンジェが元からあんな感じですけどね。とはいっても肩や背中を叩くくらいでしたがさっきみたいに照れ隠しで腹にパンチは止めて欲しいもんです。

 それが可愛いといえるほどの度量があればいいんでしょうけど狩りのあとで疲れてるのに2発ですからね。

婚約者の中で一番背が低いけど一番手が早いかもしれない。

そういや学校でも火の異法をバカにされたときにいざこざを起こしたこともあるって言ってたっけ。」


「色んなタイプの婚約者にいて大変ですね。」


「それでも学校じゃ一番人気だそうで。 婚約が決まった時に思いを寄せてた学校の野郎どもからやっかみを受けましたよ。」


「それよりいくつかお聞きしたいのですが?」


「どうぞ。」


「彼女の力で鍋板の逆の作用をする道具が作れるとお聞きしたのですが どうしてそれを作ってから氷を売らないんです?」


「単純にまだ試作なんですよ。氷が解けない程度の冷却能力を付与させた場合どれくらい持続するのかとかね。」


「それまではあの氷の箱で?」


「宣伝も兼ねてね。氷を運ぶ時は氷の箱にいれて運べば目も引くし、各地区の詰所窓口に置いておけば目にした狩人の口から広がっていくと思いまして。」


「でも年輪都市の気温じゃすぐに解けるんじゃ?」


「いや少なくとも1時間は解けないと思います。」


「どうしてです?」


「あの氷の箱はアンジェに冷え続けるように異法を留まらせて継続で作用させるように言ってます。

 砕いて口に入れてしまうかもしれませんから一時間だけだけですがね。氷の買い手は今のところ決まった相手(飲食店)だし量からしても売り切れるまで一時間も必要なかったと思いますけれど。」


「そうでしたか! 土の異法で硬化を持続させるようにあの氷の箱は冷え続けているわけですね? 

 ん? だったら別に氷で箱を作るような手間をかけなくてもバケツなりの既存の容器をアンジェさんが冷やして使えばいいのでは?」


「そう、でもその後も人の目に留まれば氷の宣伝になるでしょう?」


「そこまでお考えとは参りましたよ。でも冷却能力はかなり源力を使うとのことでしたがそれを11個も維持できるもんなんですか?」


「全部の氷箱に冷却作用維持の異法をかけ終える途中で源力枯渇を起したらそこで終了ですけどまず大丈夫、アンジェならね。」


 空間異法士が一度繋げた空間を繋げっぱなしにしておくのに源力を消費し続けているようにアンジェの冷却能力もの箱に掛け続けていると源力を消費している。

 もちろんカイルが渡した指輪から源力の補充はできるがまだ源力総量が伸びているためアンジェには源力枯渇を起してから補充するように言ってある。


「で?本題は別にあるんじゃあ?」


「分かります?」


「そりゃアンジェから聞いた話はさっきで終わってるし、いつぞやもそんな目してたよ。」


「2番地区の草原、どうです?」


「実際に狩りをしたのは今日が初めてですけどあれなら楽そうですね。草原まで数ミイト歩くことになるけど起伏は少ないし。

獲物は大きさの割にちょっと買取りが低い気もしますがさすがに2級は大きいから単価は安くなっても重さで稼げそうかな。」


「カイルさんの目から見て売れそうな素材はありましたか? 0番地区の原石のような。」


 カイルさんは先月一杯まで0番地区で活動して数カ月の間に相当量の原石を回収したようだが少しずつでだが毎日買取りに出しているからいずれは尽きる。

カイルさんの情報の秘匿期間が終われば他の狩人も原石を探しに出るだろうがカイルさんほどうまく探し出してくる保証もなければ『遠慮』が活動していた範囲よりも外に出る狩人がどれくらい出てくるかもわからない。

一時在庫の量が少なれば、それを広めることで買取り額が更に上がるかもしれないので一概に悪いとも言えないが。

 折角道を作ってくれたことだし出来れば2番地区でも交易に使えるような素材を見つけてくれればありがたい。


「ん~~、あるような、ないような。 聞きたいんだけど見えない巨竜って知ってます?」


「見えない?」


 しばし黙考する。

視認できないってことはそれほど動きの速い巨獣ってことだろうか? だがいくら動きが早くても距離をおけば視認できるものだしとサンタシは覚えている巨獣の中でも素早い特徴を持つ種類を思い浮かべる。しかし巨獣がいくら素早いものでのその名前の通りの巨体なのだ。視認できないほど早く動くようなものなどありえない。

 そういえば以前にわけがわからないまま全滅しかけたって報告があったな。ずいぶん前で……そういえば私が2番地区詰所で窓口にいた時か。

彼らの生き残りは今『偏食』に居ましたかね。


「見えない巨竜については知りません。姿が見えないまま襲われたという報告はありましたがそれらしい巨竜が捕獲されておらず、仮に存在しているとすれば新種なのだろうと思われます。」


「じゃ巨竜に限らず巨獣で保護色や擬態の形状を持つものは?」


「巨蟲ならそういったものはいるでしょうが巨竜や巨獣は精々住む環境の色に似せた体毛や体色をしてる程度でしょうかね。」


「最後にだけど飛び道具を持ってる巨獣ってご存知ですか?」


 毒液の射出を行う巨竜はいるが道具を扱うようなものは聞いたことがない。

他都市では猿とかいう人に似た獣が道具を使うことがあるそうだが大森林では猿という獣は発見されていない。


「巨竜や巨獣の中には毒を噴き出すものはいますが道具となると聞き覚えがありませんね。」


「やっぱり新種ですかね。今の活動地区は『偏食』との共同活動中なんで勝手に動けないけど合同狩猟が終わったら何かないか探してみます。『偏食』のテリトリー内は好き勝手に出来ないけどね。」


「お願いします。」


 彼の様子からすると何か思い当たるものがありそうだ。期待できるかもしれませんね。


オゥ 中央買取課所属の水の異法士 神戸市中央区をもじって


ミイト=1km

メイト=1m

モイト=1cm




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