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ぽん太くんは、がんばっています  作者: 秋田コウ
第二章 夏休み

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第15話 ぽん太くんのお手伝い

夏休みは、遊ぶことだけでなく、おうちのお手伝いをするよい機会でもあります。

今回は、ぽん太くんが家族のお手伝いに挑戦するお話です。

いつもの「なんとなく」が、思いがけない形でみんなの役に立つことになります。

ぽん太くんは、どんなお手伝いをするのでしょうか。

 今日は土曜日。

 夏の青空が広がり、庭ではトイプードルのソラが元気よく走り回っていた。


「ソラ〜っ!」

 ぽん太が追いかけた。

 ソラは嬉しそうにしっぽを振って走った。

 その様子を見て、千春が笑った。

「朝から元気ね」

「うん!」


 その時、祐子が庭へ出てきた。

「今日はみんなで、おうちのことを片づけましょう」

 みんなが集まった。

「お父さんは庭の草取り」

「分かった」

 惣太郎がうなずいた。

「千春は洗濯物をお願いね」

「はーい」

「リョウ子さんは昼ごはんの準備をお願いします」

「お任せください」

「ハル子さんは家の点検をお願いします」

「承知しました」


 ぽん太はみんなを見回した。

「ぼくも、お手伝いする!」

 祐子が優しく笑った。

「じゃあ、千春のお手伝いをお願いできる?」

「うん!」

 ぽん太は元気よく返事をした。


 洗濯かごには、洗濯物がたくさん入っていた。

「タオルをお願い」

「はーい!」

 ぽん太は一枚ずつ洗濯ばさみではさんでいった。

 その時、ソラが風の匂いをかぐように鼻を上げた。

「……こっちかな」

 ぽん太はタオルを隣の物干しざおへ移し始めた。

「どうしたの?」

 千春が聞いた。

「風がこっちから来る気がする」

 千春は空を見上げた。

「今は反対から吹いてるよ?」

「うん」

「でも、なんとなく」

 ソラも鼻をひくひくさせていた。

「ソラもそう思う?」

 ソラは「ワン!」と一度だけ鳴いた。

 二人と一匹は最後まで洗濯物を干し終えた。

「終わったー!」

 ぽん太が大きく伸びをした。


 昼になると、リョウ子が声をかけた。

「昼食の準備ができました」

「やったー!」

 今日のお昼は冷たいそうめんだった。

「いただきます!」

 家族みんなで食卓を囲んだ。

 午後になると、庭の木々が大きく揺れ始めた。

「あっ!」

 千春が窓の外を見た。

「風向きが変わった」

 風は、ぽん太が言った方向から吹いてきた。

 洗濯物は気持ちよさそうに風を受けて揺れていた。


 夕方。

 庭では、よく乾いた洗濯物が夏の風に気持ちよさそうに揺れていた。

 祐子が洗濯物を取り込もうとした。

「あら」

「今日はよく乾いてるわ」

 千春が笑った。

「ぽん太が向きを変えてくれたの」

「そうだったの」

「ありがとう」

「おかげで気持ちよく乾いたわ」

 ぽん太は少し照れくさそうに笑った。

「えへへ」

 惣太郎もうなずいた。

「いいお手伝いだったな」

 ハル子がほほえんだ。

「午前中から風の向きが少しずつ変わっていました」

 千春が聞いた。

「どうして分かったの?」

 ぽん太は首をかしげる。

「なんとなく」

「またそれね!」

 リョウ子が微笑んだ。

「その『なんとなく』のおかげで、洗濯物がきれいに乾きましたね」

 ソラも「ワン!」と元気よく鳴いた。

 みんなが笑った。

 ぽん太もにっこり笑った。


 家族の役に立つ喜びを知った、ぽん太くんでした。

お手伝いは、家族の役に立つだけでなく、「ありがとう」の言葉や、みんなの笑顔につながる大切な時間でもあります。

ぽん太くんは、風の変化に気づいたことで、洗濯物が気持ちよく乾くお手伝いをすることができました。

小さな気づきが、家族の喜びにつながったのですね。

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