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無色永劫~異端なる貴方へ贈る異世界生活~  作者: 餅宮 モッチー
第1章 『異世界なんて…』
11/23

第1章 #10 『候補者』

早めにの更新ですます


「………キリナは大丈夫だろうか」


「なぁに気にしてんだ?姉貴」


「………キリナは大丈夫だろうか」


「なぁに気にしてんだ?姉貴」


 潜入捜査が始まって、すぐクリスは心配を巡らせていた。

 キリナは獣人であり、人間はこれまでに酷い仕打ちを獣人にしてきた。人の形をしたバケモノ。人の声を真似、幻惑させる魔物などと言われていた。今でこそ、五代目『仁神』様が差別ない世のために改善を試み緩和したが、無くなったわけではない。


「……ルイは知らなかったな。キリナは……元候補者。生贄なんだよ。」


「んあ?生贄だ?」


「最近また苛烈になっている集団……紅蓮教団は…平等こそ掲げているが本質は人間中心であり、人間を尊び、人間を尊重する。人間による人間のための世論だ。」


「つまり?」


「彼らにとっては獣人など尊ぶものではなく、魔物であるということ。獣人だけでなく……竜人も…エルフも…全部彼らからすれば穢れたものとされているのだよ。」


「なんだそりゃ…めんどくさいやつらだな…」


「勿論仕方ない面もある…………」



 ――――――――――――――――――――――


「仕方ない面?」


 ミナトは謎の男が去った後、候補者についてキリナから説明を受けていた


「人間も武力は持っている。魔法も使える。剣も振るえる。だが、獣人や竜人はそれらも持ち合わせ思考も持ち合わせ、さらに基礎能力が高いのです…。人間からすれば脅威そのものでしょう?強い人間ももちろん居ます。ですがみんながそういう訳では無い。」


「……結局…力が怖いってだけか…」


「小さな事ですよね。言葉があるのです…なのに最終的に争いに持ちかけ…力でねじ伏せようとする」


「でも、候補者てのは、じゃなんなんだ?」


「それこそ言葉ですよ。『獣人も竜人も人のみなれば供物を捧げろ。人間は強靭なる肉体を捧げた。故に他種に劣る。だがそれは平和のため。故に他種も平和を語るのであれば供物を捧げるべきだ』………今思えば……いや…普通に考えれば馬鹿げたことだ。」


「神に生贄を捧げ、認識させるという名目で、人間…紅蓮教団は毎年に三人…獣人を選別し力あるものを祭壇に送る。他の獣人はその光景を見ることはできない。その先で何があると思います?」


「神様がいて…許しを頂くとか?」


「違います。候補者には、神は直視してはならぬ存在と目を隠され。抵抗もする間もなく斬首…殺されていたのです。」


「ッ………」

 

言葉が出なかった。洗脳。強い者を選出し殺すことで歯向かわれても、ある程度対処できるようにしていたのだろう。


「私は……候補者でしたが…選別では選ばれませんでした。おそらく当時の私は栄養失調気味でほっておいても問題ないと思われたのでしょう。なので戦うことなく除外され。選ばれた者達が殺されるのを……知らないで私はそれを羨んでいた…選ばれたかったと…神に愛されたかったと思っていた……のです」


「許せないな…この教団は絶対に解体する」


「ミナト様は私たち獣人を目にして恐れたり不気味がらないのですか?」


「ん?そりゃ…最初こそ驚きましたが、俺はケモナーなんです!」


 

ドヤる。そうミナトは動物が大好きなのである。猫に犬。モフれるものは大好きだ。モフり吸い。愛でる。そんな彼にとってケモ耳を持つ獣人は異世界物の小説などを読んでいてもよく癖に刺さるものだった。


 

「けもなー?」


「ん。あぁ、獣好きの変わった人間もいるんだよ。俺がそうだ。キリナのそのしっぽとケモ耳…もふりたくて仕方がない」


「そう…なんですか?」


「そうなんです。」


 

 理解はしきれていないようだが、まぁいいでしょう。これからじっくり語ればいい。

 それよりも


 

「いつまで……そこで隠れてるのかなぁて、気になってたりして」


「ミナト様もお気付きでしたか」


「魔力探知…一番最初に習ってたんだ。意識しないとまだできないけど」


「………バレて…いたのであればもっと早くお声をかけてくだされば良かったのに。意地のお悪い方ですね。」


 

 影から姿を表すその者は



「その姿…シスターさん...?」


「どうも、こんばんわ初めまして私、黎明教会のシスター……アレシア・ミデアです」


「なんで…あなたがここに?」


 明らかにキリナが動揺している

 このシスターがなんだと言うのだろうか。とても優しそうで……それで


 ドッ…





 熱い……?



「………えあ?」


 その熱源に目を向ける。

 脇腹。右の脇腹に腕が刺さっている。それは他の誰でもない。キリナの腕である。


「なん………で………」



 視界が薄れる中。最後に聞きとった言葉は……


 ――――これてよろしいでしょうか?アレシア様――――


 ――――えぇ、これで貴方も…仲間も救われますよ――――


 ――――――――――――――――――――――――



「ルイ?何しているんだ?」


「なぁ、ミナトの兄貴が潜伏始めて1週間経ったよな?さすがにそろそろ連絡のひとつくらいあっても」


「たしかにそうだな。少し不安もあるが、キリナが居る。大丈夫だろう。」


「そうだな!」


「それに紅蓮教団の暴走も最近おちついてきている。ミナトがきっとなにかしてくれているに違いない。」




 冷たい金属の感触。目の前の鉄の牢

 血の味。痛み。乱雑にされた手当


 ミナトは今…キリナの突然の裏切り?により捕まっていた

 


 

 

また来週

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