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Baseballスター☆ガールズ!  作者: ぽじでぃー
第五章 夏休み!
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52/150

51話 だって、野球選手だもん!


 9回の表、同点に追いついたものの後続が倒れ、9回の裏になる。


 7番から始まる下位打線だったが、8番と1番が出塁し、2アウト1・2塁のピンチで主将の大和を迎えた。


 バッターボックスに入る大和は本日5打席目で、現在まで4打数2安打。

 インコースを全く苦にせず、広角に打ち分ける中距離打者で、大田原クラブの中で最も当たりのいい打者だ。


 ミスをすれば終わり。

 そのはずなのに、練習試合だからというのもあるが、緊張感が心地よい。


 もっと。もっと痺れる勝負がしたい。

 フルカウントまでもつれ込み、両チームともにこの1球が勝負だとどこかで感じ取っていた。


 投山は100球を超えながらも球威の衰えない渾身のストレートをインローに投げ込む。

 大和の打球は一瞬ヒヤリとする打球音を轟かせたが、真中のグラブへと収まった。


「延長ネ!」


 胸を撫で下ろすのではなく、次の回へと向けて士気を挙げる。

 特に先頭バッターの右京は全速力でベンチへ戻ってきた。

 しかし。


 残念そうに監督が立ち上がる。


「申し訳ないですがー、試合はここで終わりなのですー」

「何でデスカ!?」

「普通の練習試合なら延長戦をやってもいいのですけどー、大田原クラブは関東大会を控えてますのでー」

「「えー!?」」


 監督の言葉に、部員は難色を示す。

 それは、相手の大田原クラブも同様だった。

相手が格上だとか、格下だとか、そんなものは関係ない。

一発勝負の高校野球の選手が、引き分けなんて納得いかないのは当然だ。


「この借りは公式戦で返せ。さあ整列だ」


 大田原クラブの監督がそう言って手を叩くと、選手もそれに従った。相手が整列しているのに、こちらが渋るわけにもいかず、相模南の選手も挨拶に向かう。


「こんな幕切れなのは残念だけど、いい勝負だった。次に試合を出来ることを楽しみにしてるよ」

「そうだねぇ、公式戦で会えるといいねぇ。関東大会は見学しに行くから、応援してるよぉ」


 主将の大和と二宮が握手をすると言葉を交わすと、今まで敵だった相手がまるで旧知の友人だったように映る。


「本当かい? ありがとう」


 礼をして、グラウンド整備の後に解散となる。


「じゃあ、また抽選会で」


 別れ際に、大和は言葉を残して去って行く。

 満面の笑みで手を振っていた二宮だったが、大田原クラブの姿が見えなくなった瞬間、隣にいた友希に聞く。


「抽選会ってぇ、いつだっけ?」

「もうそろそろ、じゃないですか?」


 友希も詳細の日時を知っているわけではない。というより、むしろ部員では二宮しか知らない情報のはずである。


「ニノさんは出席するんですからー、ちゃんと覚えてなきゃ駄目ですよー」


 そしてもう1人、知っているのは監督である。


「今年の関東大会は神奈川県で開催されるのでー、関東大会の表彰を終えて昼休みを挟んでー、午後に抽選会ですよー。ちなみに表彰は決勝戦の翌日なのですー」


 それを聞いて、友希の体がぶるっと震えた。

 相模南と大田原クラブは4-4の引き分け。

 双方に制限有りとはいえ、確かに神奈川の強豪チームの中へ足を踏み入れたと言ってもいい。

 その事実が自信を与え、緊張だけではない体の高揚を引き起こす。


「友希」


 武者震いをしたのは友希だけではなかった。

真中も同様に、試合で疲れたはずの体が嘘のように熱を帯びていく。


「いよいよね」


 ハマスタに行くと、色々な人に約束した。


「待ち切れないね!」


 秋の大会はもうすぐそこ。

だがそこには当然、今日の大田原クラブ以上の強敵が待ち構えている。


その筆頭である立浜クラブ、その主将である天ノ川に、大田原クラブの大和から一通のメールが送信された。


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