サンショウウオの胸パッド
あらすじ
ニセコの夜、泡風呂のソープを使いすぎて溺れかけたカン・サラン。翌朝、大女優ソン・インナとのハードなヨガとジョギングを終えて「スポーツ・ハイ」で帰ってきた彼女は、自慢の胸パッド入りタンクトップでユン・シウに勢いよく抱きつきます。その後、無理をして限界寸前のインナに見送られながら二人はニセコを出発し、ダチョウ牧場やサクランボ狩りを経て札幌で1泊します。シウは隣で無防備に眠るサランの横で、彼女が主演を務める予定のホラーコメディー風『激辛スナック菓子』のタイアップCMのプロットを作成しながら、静かに夜を過ごすのでした。
地球を真っ二つに切り裂くほどの絶叫である。
シウが風呂場に向かうと、カン・サランさらに悲鳴を上げた。
曇りガラスのその向こうでは、浴室すべてに充満した泡と、肌色のサンショウウオが
もがきうごめいているように見える。
カン・サランは泡風呂ソープを欲張って使いすぎたのである。
慌てた彼女はシャワーを出して、状況をさらに悪化させてしまったに、違いない。
泡は益々増えて、浴室内すべてに充満したのであろう。
今、カン・サランは泡で溺死した女になりかけているのだ。
それは人類の歴史上、数少ない偉人となりえる事態であった。
助けようにも呼んでおいて、来るな、出ていけと泣き叫び。
この世の呪いとスラングをすべて吐き出してわめいている。
ユン・シウは満面の愛おしい笑顔をすると、
サランが楽しく遊んでいるのだなと納得して、
脱衣室を出ていきドアをそっと閉めた。
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カン・サランが神剣を振りかざし。焔に一撃を加えようとした、
その瞬間!
焔の暗黒の槍が儚くもカン・サランの身体を薙ぎ払った。
カン・サランは荒れ狂う漆黒の海原へと、水没し
地球を真っ二つに切り裂くほどの絶叫をあげた。
「はっ!」
ユン・シウは飛び起きた。
夢を見ていたのだ。
カン・サランを探したが姿はなかった。
そうだ。ソン・インナとヨガをすると言っていた。
ちゃんと起きて出かけたようだ。
昨夜は泡風呂で溺死しそうになり、疲れ果てて溺死したように寝ていた。
結局、なんの抵抗もなく二人で同じベッドで寝たのだ。
まるで生まれたばかりの犬の兄弟の様に並んで眠りについた。
そして、何も恥じる事はない。
何もなければ何もおきないのである。
母親ソン・インナにお前も起きて、二人のヨガを撮影しろと言われたが、
それが後に、覆ることになって、
とてもじゃないが、見せられないポーズをするので、女性スタッフに撮影させると、
連絡が来た。
見せられないポーズとはどんなポーズだろう?
『卑猥なサムギョプサル』と『モザイクのかかったサムゲタン』
朝からされでは爽やかでは無いし、穏やかでもない。
おかげさまで、こちらは寝起きの爽快感に喜びあふれていた。
今日は良い事が起きそうな気分だ。
軽く伸びをしながら窓の外を眺めると、シャワーを浴びに向かった。
浴室は、昨夜の惨劇の跡が随所にみられる。
こちらはお客様であるが、お仕事でこの風呂を掃除する方に申し訳ない。
ユン・シウは、せめてもの償いと、浴室洗いをするのであった。
シャワーを浴びて、髭剃りのCMのモデルのように、
上半身裸でいるところへ、カン・サランは帰ってきた。
「グッドモーニング♪」
カン・サランはテンション高く、自然に抱擁を交わした。
サランと抱き合ったのは初めてだが、
こちらはシャワーを浴びたばかりで、サランは運動して汗をかいてきたばかりだ。
「う~ん!みなぎる~!!すごく楽しかったの!シャワー行ってくるね♪」
スポーツ・ハイになったカン・サランは脱衣室へと消えていった。
大胆にも胸に飛び込んできた彼女だが、
『胸パット入りのタンクトップを着用して、自慢する為に抱き着いたのだ。
今日は胸があるのだぜと。
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ユン・シウ達は朝食を済ませたのち、ソン・インナの見送りの中。
ニセコを出立する事にした。
恋愛リアリティー番組<Love Hunt4>の撮影日程も近づいている。
二人で遊ぶ時間を作りたいのであった。
その代わり、
翌週、ソン・インナがソウル入りする事になった。
出来る『女大先輩』をアピールしたいが為に、
早朝ヨガをしてジョギングもしてしまった、大女優は無理をしすぎて、今にも倒れそうである。
血の繋がった息子はそれをすぐに感じ取ったが、サランは気が付く訳もなく、
ただただ、しばしの別れを惜しんで、抱擁を交わすと感涙した。
ソン・インナは早く帰れと息子に合図を送った。
シウ達はダチョウ牧場、サクランボ狩り、有馬記念館へ寄って、
札幌にて1泊する予定でいた。
サランはダチョウ達と生き別れた姉妹、兄弟の様に戯れ、
その後、売店のダチョウ肉のハムなどをみて困惑した。
サクランボ狩りも、払った金額の元を取るべくして、食べ過ぎてしまい。
シウの予想通り、夕飯はスムージーと整腸剤のみとなってしまった。
一方のシウは、次回作はライトノベルから、純文学に挑むべく、
有馬記念館にて文豪とは何かを勉強しようと、思ったのだが、
これは歯の立たない世界だと気が付いて、悩みを増やしてしまった。
結果、札幌の夜も一緒に寝たのだが、何も起こらなかった。
シウだけ起きて『激辛スナック菓子』CMのプロット作成をしていた。
商品名は『ハバネロ大君』、キャッチコピーは『キムチの逆襲』である。
ホラーコメディー路線のCMで進める。
古い大きな洋館に少女が引っ越してくる。
その夜。強盗が1人。変質者が1人。それぞれ館に侵入を試みる。
洋館には、元々、男幽霊と女幽霊が住み着いている。
引っ越してきた少女はそれぞれと鉢合わせしたり、絶叫したり、逃げたりする。
侵入した強盗や変質者もそれぞれと鉢合わせて絶叫する。
男幽霊と女幽霊も絶叫する。
あっちも絶叫、こっちも絶叫で
「絶叫するほど辛くて美味しい!『ハバネロ大君』」
カナンが最後にお菓子を美味しそうに食べて終了。
ショートムービーの方は継ぎ足しして映画尺まで持っていく予定で、
いろんな商品とコラボ展開し育てる予定である。
ベッドではサランが子供の様に丸くなり寝息を立てている。
パソコンを閉じると彼はサランの寝ている横に潜り込み、眠りに落ちていった。
今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、
もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。
こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。
※作中のメインキャラクターは日本語も韓国語も話せる設定となっておりますが、読む側を考慮して日本語表記にしております。キャラクター達は場面に応じて言語を使い分けているとご理解願います。
参考データ
※ユン・シウ…小説家25歳
※カン・サラン…女優志望のアルバイト20歳
※ソン・インナ…女優、シウの母親
※ユン・ジュンソ...シウの父。総合映像制作会社S.S.Iの会長
※イ・ソジュン...シウの親友。Juringエンター専務。子犬の幼顔と低音ボイス
※イ・ウジン...映画監督。『残酷な美しさ』『私にキスできますか?』
※パク・ドユン...映画監督。シウの親友。Juringエンタ常務。映像制作部部長。
※イ・ダイン...『私にキスできますか?』ヒロイン
※キム・ソヒョン...シウの元恋人『Love Hunt』プロデューサー。
※ハン・チョヨン...女優『私にキスできますか?』イ・ダイン役
※『Love Hunt』…ネット配信の恋愛リアリティ番組
※『私にキス出来ますか?』…シウ作の小説
※『ずっと僕は君を』…シウ作の小説




