「私たちの食生活」④
「じゃ、バランスの良い食事とは?みなさん、一言で言えますか?はい、海丸くん!」
「え、栄養をバランスよく、ってことですか?
栄養はまず、主食、日本は米、ギリシャは小麦・・・・
脂質に、タンパク質、ビタミンに食物繊維・・・・
先生、一言では言えません.」
「そお、栄養のこと、一言では言えません」みたま先生の模範解答である.
「あるぜ、これだけ飲んでりゃ、全てOKってのが、俺が子供の頃飲んでた、アンブロシアだ.
他には、ほれ、インドの友達の、ビシュヌなんかは海の底から、掘り出した、アマルタって万能バランス栄養食があるって話だぜ」ルシフェルの話は大昔のことである.
「そんな昔のことではなくて.紀元前10世紀前後は、まだ日本では稲作普及してませんね・・」
「バランス栄養食というと、私、医者になってから2年目、研修医の時、病院の食堂が混んでいるときには、その脇にあった、自動販売機でカロリーメート買って飲んでましたけどね.あの味が不思議でしたけど、慣れると、なんか力が出てくるみたいな.あれ、今は缶入り液体のカロリーメートあるのでしたっけ?」とドクトルが皆に聞くが、そのようなものは誰も知らない.
「黄色い箱に入ったクッキーみたいのですか?」海丸くん、それは食べたことがあるらしい.ドクトルの部屋に遊びに行ったとき、二人で食べたっけ.
「それでは、そのバランス栄養食、現代のアンブロシア、クッキータイプのカロリーメートの成分を見てみましょうか.食事を楽しむ、という話をしたばかりで恐縮ですが・・・・」みたま先生がちょっと申し訳なさそうにした.
「確かに、あれはお茶かなんかで流し込む感じで食べますよね・・」海丸くんの感想である.
「味は、チョコ味でしたけど・・・」
(悪口を言っているわけではありません.大塚製薬の方、すみません)
(バランスの取れた食事、から話はどんどん、バランス栄養食の方に脱線していく.
みたま先生、いや待てよ、ここでみなの話に乗っかってしまうのも手かもしれないなあ・・・)と心の中で、授業の構成を考える.ときにはアドリブも必要だ.
「じゃ、某社が販売している、バランス栄養について成分を見てみましょう」みたま先生が言うと、
「っと言っても会社名も、商品名ももうバレちゃってますけどね.」ドクトルは言う.栄養食とかでは大手、なのだろうか?
栄養成分表示(ブロック チーズ味 / 4本・80gあたり)
カロリーメイト(ブロックタイプ4本・80g)について、1日に必要な栄養量の何%を満たしているかを計算します.
基準は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の**成人男性(50〜64歳)**とします.
ただし、エネルギーは身体活動量によって必要量が変わり、タンパク質・ビタミン・ミネラルも栄養素によって推奨量、目安量、目標量の区別があります.
1. エネルギー・三大栄養素
エネルギーは身体活動レベル「ふつう」、1日2,600 kcalを仮定します.
栄養素4本の含有量1日の基準量充足率
エネルギー400 kcal2,600 kcal15.4%
タンパク質8.4 g65 g12.9%
脂質22.2 g約72 g30.8%
炭水化物42.7 g約325 g13.1%
食物繊維2.0 g22 g以上9.1%
食塩相当量0.94 g7.5 g未満12.5%
脂質と炭水化物の基準量は、総エネルギーのそれぞれ25%、50%として換算した参考値です.食塩は必要摂取量ではなく、摂取を抑えるための目標量に対する割合です.
この表から、カロリーメイトはタンパク質と食物繊維に比べて、脂質の割合が高い食品であることが分かります.
2. ミネラル類
栄養素4本の含有量1日の基準量充足率
カルシウム200 mg750 mg26.7%
鉄2 mg7.5 mg26.7%
マグネシウム50 mg370 mg13.5%
リン100 mg1,000 mg10.0%
3. ビタミン類
栄養素4本の含有量1日の基準量充足率
ビタミンA385 μg900 μg42.8%
ビタミンB10.6 mg1.1 mg54.5%
ビタミンB20.7 mg1.6 mg43.8%
ビタミンB60.7 mg1.5 mg46.7%
ビタミンB121.2 μg4.0 μg30.0%
ナイアシン6.5 mg15 mgNE43.3%
パントテン酸2.4 mg6 mg40.0%
基準値:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、大塚製薬の年齢別栄養基準表.ナイアシンは食品中の表示量をナイアシン当量(mgNE)の基準と簡易比較しています.
(大塚製薬公表資料から)
「散々世話になった私が言うのもなんですが、各成分、これが最適であるというエビデンス(証拠)はあるんでしょうかね.会社の発表はありますかね?薬を新発売するときには、だいたい詳細なパンフレット配るみたいですけどね」ドクトルが言うと、
「なあ、アテナ、おめえんとこの研究所で、同じように成分の量、アンブロシアで計るってできるか?」
「おっと親父様、そうきましたか、できなくはないと思いますが、まあヘパ社長と相談してみます、成分分析なんか本当はチョチョイのちょいなんだけど、まあヘスティアおばさんとも相談してみるね.いつになるかわからんよ、結果がわかるのは・・」
ここで控えめに、海丸くんの質問だ.
「あのー、先生・・・」
「はい何ですか、海丸くん」
「日本には、バランス栄養食みたいなの、ありますか?
神話の時代からの飲み物食べ物で、これだけあれば、栄養は大丈夫、みたいな?」
「え、どうだろ、にいちゃん、なんか知ってる?」みたま先生は、いきなり兄の大年神様に聞く.彼はそのような日本のバランス栄養食など知らない.
「え、私は知らないよ、親父様、何かご存知ですか?」
「おお、おめえ、それは、玄米の握り飯と、味噌を乾かしたのと、大根のたくあんだ!あと甘酒があれば、栄養としては十分じゃねえかと俺は思う.」
須佐男が自信たっぷりに言うのだが.
「おーし、アテナ、須佐男先生の言う日本の弁当も、分析だ!」
ここの住人たちの経験と知識、探究心、どれをとっても神話級!
まあ、それはそうでしょうね、ギリシャと日本の神話の中心人物がこれだけ集まっているわけですから・・・
「おっと忘れてたぜ、」須佐男が大声を出す
「あとは干したいわしだ!」
なるほど煮干しか、
おお!これでカルシウムも補えるか・・・
「じゃ、ビタミンCは?」みたまがスサノオに質問である.
「それはおめえ、橘だ、古くから自生する柑橘だ.ちょっと酸っぱいが、薬と思って飲めばいいだろ!」
こんな顔してよ!とレモンを食べた時の「酸っぱい顔」をいかつい顔の須佐男がやってみせた.
一同は皆、苦笑いである.




