足の遅いのを捕まえる
51. 足の遅いのを捕まえる
「2:8の原理」というのをご存知だろうか? これは「20%の社員が、全社の利益の80%を稼ぎ出している」というものである。或いは、全人口の20%の金持ちが、社会の富の80%を独占する、という具合にも使う。
会社を実際に動かしているのは、能力のある社員たった二割で、残り八割はぶら下がり組。現実と良く噛み合っていて、この原理が社会の多くの場面を実効支配している。
原理に拠ると、販売店に仮に10名の営業マンがおれば、2名の超多忙で優秀な営業マンが居る一方で、8名の「木陰で昼寝付き」のドジ営業マンが居る。言い切ったけれども、経験的に正しい。10名の中で「8名」とは、「大多数」と言い直せるから、ドジ営業マンを発見するのは、わざわざスーパーマーケットの駐車場や公園の木陰まで出かけなくても、さほど難事ではない。ひょこり貴方が顔を合わせたセールスマンが大概該当する。
8割側の彼らは:販売店内の「慣れない新人達・他からの転職者・一人前に営業車を与えられない人・上役からダメなヤツと思われている人・愛妻弁当を妻より愛する人・木陰で昼寝をする人達」である。
さんざん悪く言ってしまったが、そんな風に周りから「ドジ」と思われていても、本人達は本当は「一番になりたい」のである。会社の上役に対しても奥さんに対しても、「どうだい!」と鼻をあかしてやりたい。これが人の心理というもので、無意識にそれを求めている。
ここへ目を付けて、手助けしてやれば良い事になる。車が無くて困るドングリ目君に、筆者が「アッシー君」を提供して「不足を満たして上げた」のと、同じようにーーーである。先のS工業の安井親分は一年後に係長へ出世したが、筆者のお蔭だと思う。本人もそう感じている為か、係長になってからも一層こっちに力を貸して呉れた。
売り上げを向上させる事によって、結果的に筆者はその人達を「助けて上げた」事になる。筆者はアゲマン※だった。
※アゲマン:一般に、付き合った男を出世させる女の事を言う。
思い返してみると、多くの場合(=「全て」と言わない処に、筆者の良心がある)、筆者は「2:8の原理」の「8側」(=エリートでない人)に属する人達を中心に付き合って来たような気がする。
筆者へ協力して呉れた「過去の皆さん達」にこんな言い方をするのは申し訳ないが、皮肉なものと思う。お陰でこんな定理が発掘出来る:
「営業の鬼ごっこ、販売店内でもたついて「足の遅いのを捕まえろ!」 遅いのは「8側」に属して沢山居るから、直ぐ捕まえられる」
「営業・セールス」の世界は、アーでもないコーでもないと初めは思い悩んだが、よくよく眺めて見ると、簡単な算数で成り立っている。怪しげなガッツも根性も関係が無く、不思議は何処にも無い。先の理屈を頭に入れれば、貴方も(筆者みたいに)トップセールスになれるに違いない。
さて次のステップは、(筆者の場合のように)金が無くとも社長になる「手法」を紹介する。なに、難しがる事はない:




