第15話 甘くて苦い三人の時間
結局、俺と佑ちゃんとつかさの3人でケーキバイキングに行くことになった。
最近のケーキバイキングは身分証明書が必要なのか?俺とつかさは社員証。それにも本名書いてあるんだよなぁ。だからクボジイが俺の本名知ってたんだけど。
「赤神由美香……。あの、お客様で間違いはないですか?」
「ああ、なんなら会社に問い合わせて聞いてくれ」
もう一つ大変なことになっていた。
「えっ?お客様は失礼ながらもUtuberでいらっしゃる佑ちゃんかと思いますが、こちらのお名前で間違いないのでしょうか?」
「Utube で配信したハズなんだけどなぁ。性転換したって。法整備がまだなのかなぁ?戸籍とか追い付かないみたいなのよねぇ」
俺の本名を知ったつかさが固まっている。衝撃的なんだろう。佑ちゃんの方もなんか言われてるみたい。
「俺とセットで高校の時はUtube に出てたんだけどなぁ?」
「失礼しました!どうぞお客様。失礼しました」
失礼しましたって2回言ったよ。動揺が隠せてないよ。
「つかさ、大丈夫だよ。ああいう可愛らしい名前はつけた両親ですら後悔してるから。佑ちゃんなら似合うのになぁ」
つかさ覚醒。さて、食い散らかそう!
俺とつかさはとりあえず全メニュー制覇を目標に皿に盛りまくった。皿小さい!
佑ちゃんはマイペースに好きなものを取っている。安心しろ。俺とつかさで佑ちゃんの分まで元取るからな。
俺はこのバイキングに来るために前日に働きまくった。今朝の食事は少ない。カモン、ケーキたち。俺の胃が君達を待っている。
つかさは朝起きるのが遅かったようで、ブランチみたいになっているらしい。
佑ちゃんに、「三食きちんと食べて、よく寝てよく食べないと肌に悪いよ!」と注意されていた。
とはいえ、つかさは一人暮らしだからなぁ。どうしても食事が雑になっちゃうんだろうな。
今はケーキケーキ!俺が全メニュー制覇する頃に佑ちゃんはやっと一皿目が終わったくらいだった。
「よく噛んで食べた方が体にいいんだよ!」
とは言う。でもこういう時、そんなことは言ってられない。ここは戦場。メニューの中でも美味いなーと思ったものはおかわりをガンガンする。一つ一つが小さいから、一つのメニューで4つとか取る。
つかさは甘いもの苦手だったりするのかと思ったが、杞憂だった…。
俺と同じようにおかわりしまくっていた。ブランチだしなぁ。
「つかさは甘いもの嫌いなのかと思ってた」
「イヤ。こんなガタイと面でケーキショップとか似合わないだろ?だから今まで避けてただけだ。今日はすっごい楽しんでる」
そうだよな。見た目で判断しちゃいけないよな。




