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「え、交流祭?」

「はい! レオ様も出られますので当然お嬢様も行かれますよね!」


あー。まーじか。


学校が始まってから数日が経ち、休日部屋でのんびりしていたら不意にマリンから交流祭の事を告げられた。

交流祭って明日だよね? うぎゃあ……

交流祭じたいはゲームのイベントでもあったから知っていたものの、ここに来てからの日々が大変すぎて記憶からすっぽり抜け落ちていた。

交流祭って主人公と攻略対象との距離が近づくみたいなイベントだったよね。

簡単に言うと、交流祭の最中にきっかけがあって顔見知り程度から友達クラスに上がるって感じのやつ。ちなみにきっかけという名の恋のキューピットはこの私アンナでございます。

普段の学校生活ではエレンさんの大きな動きは見られなかったが、ゲーム通りならどちらかとはもう既に会ってるはず。

それで、交流祭のおかげで距離が縮まるのはゲーム上なら確定事項。

ちなみに、交流祭自体はよく乙女ゲームであるパーティのようなセレブのお食事会。


うぅ……まだ何ひとつ成せてないのに……早すぎるよ……

私はここ数日周りからの私に対するマイナスなイメージを取り除こうと思っていたのだが、私自身元がコミュ障の人見知りのド陰キャのため、異世界ここに来てから急に陽キャのパリピになれるわけでもなく苦戦していた。

レオ様もレオ様で私がいれば暴言は何とかこらえられるがいなくなるとやっぱり息を吐くかのように出てしまうらしい。これは本人から相談されたから事実なんだろうけど。


……ダメだ……今まで何をやってたんだ私。

バカ、マヌケ、マイペース!

でも、唯一成長したのはマリンと仲良くなったところかな。


まぁ、1番気がかりなのはまた国のお金が大幅に使われたってとこ。ゲームの中だとだいたいこの時期にアンナとレオ様が強欲に物を買いまくってお金を使いすぎるっていうのがあったのだが、私とレオ様はまっっったく使ってない。

レオ様は毎日のように遊びに来てるけど、そんな話一切しないし、毎日毎日私に手土産を持ってくることなんてない。

しいて言うならごくたまにケーキを買ってきてくれるくらいだ。

うーん。いったい誰が使ったんだろ? でも、困るのはお金を使ったのを真っ先に疑われるのが私達なんだよね。

それで予習というかゲームのネタバレすると交流祭の時、アンナだけ無視というかハブられるんだよね。それに加えていつも一緒にいるアンナとレオ様は一緒にいなかった。

2人が一緒にいないせいでエレンさんとレオ様が仲良くなってそこから負のスパイラルが始まるんだけど……

今のまま行くと本当になりそうで怖い。

私自身がレオ様を諦めればいいかもしれないけど……なんていうか……言い訳かもしれないけどアンナの手紙の事も気になるし、レオ様を手放すと今までの努力が泡になった気がするというか…………うそ。本音を言えば渡したくないだけ。いつの間にかレオ様の事を好きになってる私がいる。


「……ンナ……アンナ……」

「へ? あ、レオ様?」

私が考え込んでいるといつの間にか私の座ってるソファの前にあるソファにレオ様が座っていた。

いつの間に来てたんだろ?

我ながら集中すると周りが見えなさ過ぎて恐ろしいぜ。いずれ交通事故にあいそうだ。

 

「大丈夫か?」

「はい。大丈夫ですよ?」

「それじゃ、そういう事でよろしく頼むぞ」

「え? あ、はい?」

何も話を聞いてなかったがつい何も考えずに適当に返してしまった。

声色からして重要な話なのか世間話なのかわからなかったが、レオ様の用はそれだけだったらしく稽古もあるという事で今日のところは帰って行った。


「お、お嬢様! いいのですか!?」


レオ様が帰られたところを見届けるとマリンがワナワナとした様子で私に近づいてきた。


「何が?」

「レオ様、お嬢様に『交流祭には来るな』って言ってましたけど! 本当にいいのですか!?」


え、え……えぇ!? なんで!?

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