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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第一章
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第九話 初めての戦闘



 目が覚めると私は毛布にグルグル巻きにされて木の下で寝かされていた。

 恐らくテントを片すためにこんな芋虫のような姿にしてギリギリまで寝かせてくれたらしい……。

 他の人達はもうとっくに起きていて、すっかり周りは片付いていて出発する準備がほぼ出来ているようだ。

 まだ開き切っていない目を擦っていると近くに待機していたセシルさんがこちらに気が付く。


 「おはようございます、リヴィリカ様。お体の調子はどうでしょうか??」

 「おはようございます。……セシルさん昨日はご迷惑おかけしました。自分で言いだしたのに倒れちゃうなんて……。」

 「いいんですよ。顔色も良さそうなので安心しました。」



 セシルさんに連れられて近くの川で顔を洗い、髪を梳かしてもらう。

 ヴェールを被り、身なりを整えてから用意されていた朝食のサンドイッチを食べた。


 

 「準備できたか。そろそろ出発するぞ。」

 「うん、お待たせしました。」


 集合場所にはもう私とセシルさん以外の騎士達が集まっていた。

 クロアと確か副隊長さん??が何か話し合ってる。


 「リヴィ、この先から魔物が多くいると偵察班から報告があった。これまで以上に警戒するように。」

 「わかったよ。私も回復魔法で手伝うね。」

 「くれぐれも無理はしない様に。」



 昨日とは違い私は先頭を歩くクロアから離れて、隊列の真ん中らへんで副隊長さんのマークスさんと他の騎士さん達に囲まれるようにして歩いていた。

 歩いていると、まったく同じ森の風景なのだが昨日とは違う嫌な静けさがあった。

 マークスさんは私に歩くスピードや体調の事について細かく気を使ってくれる。

 


 「そういえば前から気になっていたことがあるのですが聞いても??」

 「ええ、どうぞ。でも記憶がないので答えられないこともあるかも。」


 マークスさんがにこやかに話しかけてきたので、私は隣のマークスさんを見上げる。

 ……マークスさんもクロアと同じくらい背が高い。


 「クロア隊長とリヴィリカ様って……恋人同士なんですか。」

 「違うよ。」


 思わず即答してしまった。

 すると後ろにいた騎士の人もええ!?っと驚いたような声を出した。


 「恋人じゃないんですか!?俺てっきり付き合ってるのかと……。」

 「つ、付き合ってないよ!!……あれは父親とか兄とかの過保護的な気持ちだと思うよ??」

 「でも、リヴィリカ様が目覚めたっていう報告を受けた時、最低限の荷物を持って聖都に馬を走らせようとする姿はすごかったよな。」

 「そうそう。10人ぐらいで必死に止めてやっと阻止できたんだから……大変だったんですよ。」


 周りの騎士達とそんな話をしていると、前方が騒がしくなってきた。

 その直後に前方から砂埃がこちらにまで流れ込んでくる。


 「マークス副隊長!!前方からウルフの群れです!!」

 「わかった!!みんな落ち着いて対処してくれ。……リヴィリカ様も我々から前に出ない様に」

 「ええ。私も聖魔法で支援します。」


 すると横の茂みからウルフが5~6匹飛び出してきて囲まれる。

 低い唸り声を出しながらこちらをじっと見て、攻撃するタイミングをうかがっているようだ。

 私は両手を胸の前で組んで目を閉じて神経を研ぎ澄ます。

 

 ”みんなに力の加護を……”


 そう祈ると身体全体が暖かくなり淡く光りだす。

 すると光は周りの騎士達の全身を優しく包み込み始め弾けるように消える。


 「力がみなぎってくる!!これが聖女の力……」

 「よし!!頑張っちゃいますよー!!」


 するとあっという間に騎士の人達がウルフを倒すことができたようだ。

 怪我人も軽い引っ掻き傷程度だったようだ、傷口から菌が入ると大変なのですぐに回復魔法を施す。

 最後の1人の怪我を治すと前方からクロアが早歩きでこちらに向かってきた。


 「リヴィ、怪我はないか??よく見せてくれ。」

 「怪我してないよ。周りのみんなが私に近づく前に倒してくれたから……だから持ち上げないで。」

 

 私が言ってる最中に、私の両脇に手を入れてくるとクロアの目線と同じぐらいまで持ち上げられ隈なく怪我をしていないか確認される。

 私もクロアの全身を軽く見る……うん、怪我一つしていないようだ。

 怪我をしていないのを確認できたのか、そっと地面に下ろされる。


 「よし、態勢を立て直してから出発するぞ。」

 「待ってクロア。ちょっと屈んで。」


 少し首をかしげてクロアが屈むと、さっきと同じように目線が同じになる。

 私はポケットからハンカチを出して、頬についているウルフからの返り血だろうそれを拭いた。


 「……はい。もういいよ。」

 「ああ、ありがとう。」


 目線はそのままでクロアはお礼を言った。

 2人で少し笑いあってからクロアは元の体制になって私の目線はクロアを追って見上げる。

 クロアの表情はもう無表情となっていたが、その後他の騎士達に指示を出す声のトーンはちょっぴりだけ上がっていた気がする。



 その後も魔物と遭遇することはあったが、大きな怪我人なども出なかったので順調にステラエーンに進むことが出来た。

 北の方角にあるため進むごとに気温が低くなっていく。

 そして元々山だったものに建物を建てて出来たステラエーンはうっすらと雪が降る街だった。


 「さぁ、着いたぞ。……ここがステラエーンだ。」

 「わぁ……すごい大きな建物があるね。あそこはなに??」

 「あれが神官長ランフェル殿が治めている神殿だ。」

 「その神官長が私のお師匠様……よね。」

 「ああ……」


 私はお師匠様に会えると思ったらわくわくしたのだが、隣にいるクロアは険しい顔をしていた。

 ……よくわからないが、門番の兵士に取り次いで私たちは街の入り口の門をくぐった。



身長はリヴィリカ160cm、クロア192cmぐらいです。でけぇ……。

リデルは184㎝くらいかな??私の夢と希望が詰まっている身長設定です。

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