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4.応用業務は基礎を広げるためにある

 

 基礎業務が会社の土台であるなら、応用業務はその土台を広げ、安定させ、未来へ繋げるための仕事である。


 会社は、現場の仕事だけで成り立つわけではない。


 物を作る。

 売る。

 運ぶ。

 確認する。

 記録する。

 顧客に対応する。


 こうした基礎業務は、会社が価値を生み出す直接部分である。


 しかし、仕事が増えれば、基礎業務だけでは対応しきれなくなる。


 人が増える。

 客が増える。

 商品が増える。

 取引先が増える。

 法律や契約が関わる。

 教育が必要になる。

 品質を一定に保つ必要が出る。

 お金の流れを管理する必要が出る。

 会社の方向を決める必要が出る。


 そこで応用業務が必要になる。


 応用業務とは、基礎業務を支え、広げ、安定させるために生まれた仕事である。


 管理。

 営業。

 経理。

 人事。

 品質管理。

 教育。

 企画。

 法務。

 広報。

 経営判断。


 これらは、現場より偉いから存在するのではない。


 基礎業務だけでは会社が大きくならず、安定せず、継続できないから必要になったのである。


 たとえば、現場がどれだけ良い商品を作っても、売る仕組みがなければ顧客には届かない。

 売れても、入金や支払いの管理が乱れれば、資金繰りは悪くなる。

 人を増やしても、採用や教育が弱ければ、現場の負担は増える。

 品質を確認する仕組みがなければ、商品やサービスの安定性は落ちる。

 法律や契約を軽視すれば、会社は大きなリスクを抱える。


 応用業務は、基礎業務の外側にある飾りではない。


 基礎業務を継続させるための仕組みである。


 ただし、応用業務には一つ危険がある。


 それは、自分たちが何を支えているのかを忘れやすいことである。


 管理は、現場を支配するためにあるのではない。

 現場の流れを整え、問題を見つけ、働きやすくするためにある。


 経理は、数字を管理するだけの仕事ではない。

 会社のお金の流れを正しく把握し、判断を間違えないためにある。


 人事は、人を配置するだけの仕事ではない。

 会社に必要な能力を集め、育て、定着させるためにある。


 品質管理は、現場に細かい指摘をするためにあるのではない。

 顧客に安定した価値を届け、会社の信用を守るためにある。


 経営判断は、上から命令を出すためにあるのではない。

 会社全体の資源をどこへ向けるべきかを決めるためにある。


 応用業務が本来の目的を忘れると、会社は歪む。


 管理のための管理が増える。

 書類を作ることが目的になる。

 現場の実態に合わないルールが増える。

 数字だけを見て、現場の条件を見なくなる。

 責任回避のための確認が増える。

 会議は増えるが、問題は解決しない。


 こうなると、応用業務は基礎業務を助けるものではなく、基礎業務の負担になる。


 本来、応用業務は基礎業務を強くするためにある。


 現場が価値を生みやすくする。

 品質を安定させる。

 人を育てる。

 必要な情報を整える。

 無駄な混乱を減らす。

 会社の方向を明確にする。

 将来のリスクに備える。


 この役割を果たしている応用業務は、会社にとって大きな力になる。


 逆に、基礎業務を理解しない応用業務は危険である。


 現場を知らない管理。

 数字しか見ない経営。

 実態に合わない制度。

 教育を軽視した人員配置。

 品質を無視した効率化。

 短期利益だけを見たコスト削減。


 これらは一見すると、会社を合理化しているように見えることがある。


 しかし、実際には基礎を弱めている。


 基礎を弱める応用は、応用ではなく逆効果である。


 会社に必要なのは、現場を軽視する応用業務ではない。

 現場に迎合するだけの応用業務でもない。


 必要なのは、基礎業務の価値を理解したうえで、それを広げ、安定させ、未来へ繋げる応用業務である。


 基礎だけでは、会社は大きくなりにくい。

 応用だけでは、会社は価値を生み出せない。


 基礎が価値を生み、応用がその価値を守り、広げる。


 この関係を理解している会社は強い。


 応用業務を担う人ほど、自分が現場より上にいると考えてはいけない。

 自分の仕事が、どの基礎業務を支えているのかを見なければならない。


 そして現場もまた、応用業務をただの邪魔な管理と決めつけてはいけない。

 正しく機能する応用業務は、現場を守り、会社を継続させる力になる。


 会社は、基礎だけでも応用だけでも成り立たない。


 基礎があり、応用がある。

 そして、その二つが噛み合うことで、会社は価値を生み出し続けることができる。


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