キルムーヴ
「完全に囲まれたわ、大ピンチね・・・」
アスカの視線が突き刺さる。
「ここへの侵入は、空でも飛ばない限り、階段を上るしか方法が無いわ、アンタ階段の前で敵が見えたら撃ちまくりなさい、弾が切れたら私と交代、撃たれたら交代、いい?」
「俺のせいで本当にすまん」
「よくあることよ、でも次間違えて撃ったら撃ち抜くわよw」
目が笑っていない
教会の内部から話し声と足音が聞こえてきた、敵はすぐ真下にいる。
俺は入り口のところで隠れて敵が出てくるのを待っていた。
カランッ!カッカッカッ!
何かの転がる金属音が部屋の中に鳴り響いた
「伏せて!!!!!!!」
感じたことの無い衝撃と音
目の前が白くなった。
次に視界が戻った時には、すでにアスカが銃を乱射していた。
「ヤマト!返事をして!お願い!」
ダダダダダダダダダ!
激しい発砲音で叫び声すら届かない。
「ぐっ!!大丈夫だ!!!!」
先ほどまでの感情が意識とともに追いかけてきて視界に飛び込んだ現実の認識をより深刻にした。
「手榴弾よ!それよりも手が足りないわ、アンタも撃って!」
俺もなんとか起き上がり、階段から下の階に向かいUMPを乱射した。
隣のアスカの腕や体に服越しに赤黒い染みががあるのが見えた。
俺の中で何かが弾けた・・・
「アスカ、さっきは庇ってくれてありがとう。悪いけど、先に行くよ」
アスカの顔が呆然としている
何を言っているのか分かってないような様子だ。
「待っーーーー
アスカの制止も聞かずに、
俺はリュックを前にして階段を飛び降りた。
周囲から集中砲火を浴びてリュックは粉々になった、体にも何発か食らったらしいが、興奮してあまり感じない。
「喰らえええええええ」
俺はマシンガンを撃ちまくった。
30発の弾倉は早々に無くなり、沈黙が流れた。
埃や煙がおさまり、敵が物陰からゆっくり銃を構えて出てきた。
どうやら俺の弾は1発も当たっていなかった様だ。
眼前の体力メーターは赤点滅をしていた。
敵の表情は読めないが、銃口をこちらに向けて今トドメ刺そうとしているのは理解できた。
俺は死を覚悟した。
その瞬間、、、
「でえやあああああああああ!!!!!!!!!!!」
アスカ
の
叫び声
が
下から
聞こえ
た。
下
か
ら
?
俺は混乱した。