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私は今、大勢の騎士たちに取り囲まれている。
一斉に剣をこちらに向けられた。
...だから、何もしないってば。
一応両手を挙げて、無抵抗の意を示す。
これ、ここでも通用する?
そして、
一番偉そうなオッサンが紙と私を見比べて、
「貴様、魔女ヴィオレッタだな!?」
「指名手配犯だ!!」
あっという間に捕縛された。
ああ、これでルークに会える。
ルークの居場所は分かっている。
だけど彼は、簡単に会える人間じゃない。
彼に会うにはたくさんの段階を踏まなければならないのだ。
けれど捕まってしまえば、ルークとコンタクトをとる手段が一気に簡単になる。
だって、私の存在を知ったルークは、絶対会いにきてくれるもの。
そのときに牢屋から出してもらうのだ。
我ながらなんという策士!
ひとり悦に入っている私を、騎士たちはおぞましいものでも見るかのような目でうかがっている。
「あいつ、笑ってるぞ!!捕まってるのにニヤニヤしてる!」
「目がイっちゃってんな。」
「やばい、やばいヤツだっ!」
そして私は連行された。