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2度目の転生に関する報告書  作者: トール
第二章 孤児(冒険者見習)編

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46/124

第46話 調査隊4

大休止終了後。


分隊は、安全確保のため監視ポイント周辺のパトロールに出発。

ロトは監視ポイントに残ったトール・クレア・ティナに対して、谷を挟んだ

向かいの山を指さしながら言った。


「スタンピートのときには、あの山が一面魔物で覆われる。今のところ、大丈夫なようだが---少し気になるんだよなあ」

「何か問題でも?」

「ベースキャンプからここに到着するまでの間、魔物の襲撃回数が通常より 多いような気がするんだ。スタンピート前の魔物活性化が始まっているの かもしれない」

「今後の行動は?」

「分隊が戻り次第ベースキャンプまで引き返し、第二分隊・第三分隊の状況を把握する。

 第二分隊・第三分隊で異常がなくても2~3日は各監視ポイントでの確認を行うことになるのだろうな。まあ、小隊長の判断もあるがな。本当はあの山の向こう側を確認したいのだが、この戦力じゃ、無理だ」


「---」しばらくの間考え込んでいたトールがロトに告げる。

「ちょっと内密にしてほしいのですが---」

「おう、お前らのことだな。ベースキャンプから今までのことは俺と第一分隊限りにする。ただ、小隊長と小隊副官には情報共有させてくれ」

「ご配慮ありがとうございます。では、これから僕が行うことも同様に願えますか」

「ああ、もちろんだとも。って、お前さん何をするつもりなんだい?」

「ちょっと山の向こう側を覗いてきます」

「は?」

「ティナ、頼む」

「は~い」ティナがうれしそうにトールの背中に抱きつき、トールがティナを背負う格好になる。

「トール、行きます!」

トールはものすごいスピードで上空に飛んだ。

「な!」

はるか上空まで達した後、観察対象の山へ向かっていく。


「上級土魔術『重力反転』」

驚きのあまり、声がでないロトに向かってクレアがつぶやくように言った。

「重力反転!?そんな、魔術聞いたことが---いや、待てよ、土の上級魔術に重力低減てやつがあると聞いたことがある。それの上位版ってことか?」

「重力低減は中級、とトール様がおっしゃってました」

「そんな馬鹿な---で、なんでティナをおんぶしているんだ?」

「ティナは風魔術が得意。ティナの風魔術を使って水平移動をしている。

 私の風魔法では---ティナのように上手く移動できない。本来なら私がティナの代わりに---」

クレアは悔しさを噛みしめるように唇を引き結び、今にも泣き出しそうな表情で空を見上げていた。

「そんなに(ティナのことが)心配か?」

「心配です!」

「そうか---そうだな。だが、まあ、信じてやれよ。トールのことを」

「信じていいのでしょうか、トール様のことを。トール様はいつも優しい目でティナを見ている」

「?」

「ティナは美少女、というわけではないが愛嬌がある。私からみてもあの笑顔がかわいい。いやされる」

「??」

「それにトール様は私のことを姉上としか呼ばない。クレアとは呼んでくれない」

「???」

「このままでは、トール様をティナにとられてしまう!」

「そっちの心配かよ!」

「わたしはずっとトール様と一緒にだったのに」

ずっと、と言っても半年くらいの間だが。

「これからもトール様と一緒にいたいのに---」

「---重度のブラコンだな」

「はとこです。はとこ!結婚するのに何の支障もありません!」

いちおう設定は忘れないだけの冷静さがあるようだ。

「男の人って、やっぱり年下の女性のほうがいいのですか?」

「いや、まあ、それは、人それぞれかなあと・・・」

「本当は2歳しか離れていないんです!それをトール様が無理矢理---トール様のためだと思って---6歳も年上になってしまいました!16歳のおばさんになってしまいました!!」

とうとう泣き出してしまうクレア。冷静さはなかったようだ。

なお、16歳はおばさんじゃないし、全国の16歳の少女に謝ったほうがいいと思う。


クレアがなんとか泣き止んでしばらくした後、トールとティナが帰還した。

帰還直後、いつまでトール様にひっついているのだとか、クレアお姉様が怖いトールお兄様助けてだのといったお約束のコミカル展開があったのだが---


「中隊長殿、山の裏斜面は魔物で埋め尽くされています」とのトールの一言で場面は一気にシリアスに。

「数は?」

「目視した範囲で500から600はいるかと」

「動きは?」

「あまり活発ではありません。どこかへ移動しているというより、蠢いているという感じです」

「スタンピート発生直前、といったところか。とにかく、分隊が戻り次第ベースキャンプに帰還。そこで善後策を協議する」

「わかりました」

「それで、だ。トール。このこと、ああ、トールの重力反転のことを含めてだが各分隊長まで情報共有をしたいのだが---」

「---やむを得ないですね」

「すまんな。機密保持は徹底させてもらう。それと、ティナ」

「はい」

「いつまでトールに抱きついているんだ」


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