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映画は娯楽でしかないとわかっているのに なぜ人はそこに狂気してしまう
暗い洞窟の中で
私たちはちょっとだけ
見えてきている
そんな光を頼りに
歩んでいるようなもの
でもそれは人がかざす
その場限りの光ではない
そこに数百年耐えられるものが
あるというのか
ただ座ってみているだけで
何がわかるというのか
そんな世界流れていくだけ
そしてただのイメージに
我々は取り込まれて
さらに洞窟の奥地に深みにはまっていくだけ
そんな場所に一体なにがあるのだろう
いくら背伸びしても
映画というわけで語れることは
きっかけぐらいのもの
それを全てといつの日か人は
思うようになってしまった
これはある意味思惟の退化現象
なのかもしれない
見えない現実を忘れて
いかにもという形であらわされたら
それに取り込まれていった
そんなちょろい対応で
人は自分自身を逆に失っている
だから今からでも遅くない
イマジネーションを足掛かりにして
進むべき道をしっかりと見極めて
歩み始めないといけない
囚われから逃れて
妄想から這い出して
自分が妄想と囚われの主人に
隷属から解放されないといけない