第2話 ついに異世界らしくスキルゲット!?
この世界にきて一年半後。
俺は一つの衝動に駆られていた。
そう、それは、この世界に来てからずっと感じていたこと。
魔法を使いたい。
という衝動である。
さて、魔法を使うにはどうしたらよいのか。
俺は現在一年と半年ちょっと。
二歳にしゃべると自分で決めているから、あと半年。
だが、半年も待つことなど到底できない。
そんなに俺は器が大きい人間ではない。
それはそうと、魔法といってもどうすれば使えるようになるんだろうか。
学校に通って学ぶのだろうか。
というか魔法学校とかあるのか?
そこらへんは、二歳になったあとで聞こう。
そういえば、なんかのラノベで家の中に魔術教本があったりしたときがある。
。。。よし。
俺は、家の中を漁った。漁りまくった。
棚の中はもちろん、両親の寝室も、全部。
そして、あった。見つかったのだ。
それっぽい本が!
なぜそれっぽいなんて言葉を使うかって?
そんなの簡単さ。
そう。何を隠そうこの俺、まだこの世界の文章をほとんど読んだことがないのさ!
だが、表紙には魔法陣のようなもの。終わりには杖のようなものが描かれていて、いかにもそれっぽい。
「文字も覚えていかないとだよなあ。。。」
ざんねんなことに、魔法が使えるのはまだ先みたいだ。
半年後。
俺は誕生日を祝ってもらっていた。
この世界は元の世界と同じように、一年に一回お祝いをする風潮がある。
俺は決めた。
そろそろここらで、言葉を発してみる、と。
作戦はこうだ。
まず、普通に祝ってもらう。
そしてそれぞれ、お祝いの言葉を言い終わったあとに、俺が「ぱぱ、まま、ありがとう!」と言って感動させ、ついでにおねだりをする。
これで完璧。
俺の勝利の方程式である。
さあ、お祝いの言葉もらうタイミングがきた。
深く深呼吸をし、手に人の文字を書く。
二人同時に、「アルフォンス、うちに生まれてきてくれてありがとう!」
なんともありきたりな言葉だろう。でも、もうこの人たちと2年も同じ時を過ごしている。
それなりにうれしかった。
俺もお返しの言葉を話そう。
もうすでにぱぱ、ままなどは話している。
「ぱぱ、まま、こちらこそ、生んでくれてありがとう!」
うーん、少し流暢すぎたか?
まあ、元の世界ではこの年でも流暢にしゃべれる人はいたし、まあ及第点だろう。
さあ、どんな反応をするのか。。。
その後に放たれた言葉に、俺は驚いた。
「ねえ、アルフォンスがやっとしゃべてくれたわ!」
「ああ、周りよりも少し遅かったからな。よかった。」
うん?遅い?俺は少しがっかりした。
翌日
昨日聞いたんだが、どうやらみんな一歳には言語を習得するらしい。
それが来なかったので俺のことを心配したのだという。
1年前の段階で話すことができたのは少し残念だが、これで心置きなくしゃべることができる。
ついでに文字も、なんとなくわかるようになった。
これでついに、はれて魔法経典が読めるのだ。
だが、一応確認のため、エドアルドに魔法を使いたいと申し出てみた。
そうすると、彼は笑顔で「わかった。じゃあスキル検査をしに行こう。」と言った。
俺の中にまたわからない単語が飛び出してきた。
スキル?元の世界でいうと、その人の特殊能力といったところだろうか。
そんなものまであるなんて、まさしくRPGの世界ではないか!俺のこの世界に対する期待がまた一つ高まった。
次の親の休日、俺たちは町へ出かけた。
いつも見慣れた商店街、のさらに奥、でっかい宮殿のような、タージマハルの小型版みたいな見た目の白い建物が今回の目的地のようだ。
エドアルドいわく、この世界で一般的な宗教であるエレオン教の建物らしい。
中に入ると、そこは元の世界の教会と同じような、縦に広い空間が広がっていた。
その真ん中の、いちばん目に入る場所、祭壇のような場所があった。
どうやらあそこでスキルの判定をするらしい。
「アルフォンス。この建物はエンシェントマテリアルで構成されていて、とても歴史があるんだよ。」
ふーんそうなのか。元の世界でも対して芸術に触れてきていない俺では、ただの古い石壁にしか見えない。さすが貴族。
「どうも、この教会の司教である、ロード ベルフットです。」
この人が俺の儀式を担当してくれるみたい。
「よろしくお願いします。」
俺がそう言うと、ベルフットさんはにこりと微笑んで、「さあ、始めましょうか」と言った。
儀式は、教団の神父さんが、神に祈りを捧げ、神の力を授けるのだという。
よくもまあこんな中世の時代にそんなハイテクがあるものだ。
この世界ならほんとうに神とかいるのかもしれない。
(実はいるんだぜ!)
何か聞こえた気がする…
儀式を終えると、なんだか力がみなぎった気がする。
ベルフットさんはなぜかしゅんとしてしおれた顔をしている。
彼が言う。「えっと、これは、小豆からできた餡と、パンを生成、合成する能力、、、」
「なずけるとしたら、アンパン生成のスキルとでも言いましょうか…」
なんと、俺は戦闘で役立たないアンパンをつかさどる能力を手に入れたみたいである。
なんだよ、せっかく異世界来たのに、アンパン作る人生なんですか。。。
俺はがっかりした。しかし、なってしまったものは仕方ない。俺はこの力で世界を救ったりしてちやほやされるヒーローになるのだ。
ベルフットさんいわく、「手に力を込めて、念じるとアンパンを作れますよ。それに力を込めて飛ばしたりもできます。」とのこと。
飛ばすって、、、
俺は手に力を込めた、(アンパンよ、降臨せよ!)心の中で叫ぶ。
そうすると、手から肌色の物体と、紫色の物体が出現する。それがまじりあい、ねっされ、俺の目の前には一つのパンが出てきた。
さらに念じて、それを壁まで飛ばしてみた。
「バコーン!!」
俺が放った物体は、この世界に来てから聞いたこともないような轟音を立てるとともに、教会の壁に大穴を開けていた。




