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IFルート『卒業式』

シンプルにグロです。IFルートとは言いつつも救いは無いです。

主人公達の卒業式内で起きた、デスゲームを開催しないエンドです。

20XX-5年3月3日

□□県○○市XX中学校卒業式


「これにて、□□県○○市XX中学校卒業式を終了いたします。」

そう校長先生が発言すると我々卒業生は立ち上がり、体育館を出て各々の教室に卒業証書を持って向かっていた。


「もう、卒業かー。明日の県立高校の合格発表でそれどころじゃないんだよなー。」

「わかるー。正直卒業式で言われたこととか頭に入ってないもんw。」

廊下でそんな雑談が繰り広げられる。


はぁ。さっさと終わらないかなー。集合写真とかも撮りたくないな。

教室行きたくないなー。卒業証書ももらったし、屋上で時間でも潰そうかな。久しぶりに。教室に私なんかがいてもいなくても何ら変わらないだろうし。


私は人ごみに紛れるようにこっそり、校則で禁止されている屋上に向かった。

屋上への鍵は誰も出入りしないため、脆くなっており階段付近に置いてあるロッカーの鉄板をドアの隙間に入れてしまえば強引に開けられるのだ。


屋上の寄りかかれそうな少しサビた手すりに自分の身体と不安をを預ける。

もちろん、校庭側だとバレるため、裏庭側の手すりである。

「この校舎で私はサンドバッグだったんだ。この3年間。いや、小学生の頃も含めると9年間か。今後どうなるかはわからないけど、一旦は落ち着けるかな。高校入ったら母数的にはいじめてきたやつが減るだろうし。あ、でも電車とか家までの最寄りが一緒だからそいつらとも一応会う機会あるのか。」

そうやって一人で、このいびつでどうしようもない久我霞というまだ15年しか生きていない人間の過去を振り返っていた。

弱く脆い。なのに人より物理的にも精神的にも耐久力があった。

だから、変に耐えられてしまって自分をサンドバッグだと思い込むように自分自身を騙した。

そうやって、抗うのを私は諦めた。ある意味。


「でも、弥生は無理だったんだよな。今、仮に生きてたらここで二人でくだらない話をここでしてたのかな。」

この3年間はいろんな意味で濃厚だった。

一番はこの目で人間が死ぬ瞬間を見たことだ。

限界を迎えて、助けるべきか悩んで。身体が縛りつけられたように動かなくて、その言葉を受け止めるしかなかった。

久我霞と同じようにいじめの標的だった松本弥生は久我霞の目の前で飛び降りて自殺したのだ。

弥生の言葉は重かった。でも、彼女はそれを軽々しくも苦しくも私に投げかけた。

その重さは、いじめられた時よりも何にも例えがつかないぐらい。重く心臓に突き刺さっている。

『本当に。強いよね。相変わらず。私よりもひどい仕打ちを受けても。どれだけどん底に落されても。それでも抗おうとしてる。』

死ぬ直前に弥生が私を褒めるように放った言葉だ。


「私なんて、弱いよ。脆くてどうしようもないさ。抗おうとなんてできなくて諦めたんだよ。私は。ただその進んだ道が違っただけなんだよ。弥生。」

1人は好きだ。誰にも見られてないこの時間が。独り言を吐き出してもこの風が流してくれるから。

この時間が永遠と続けばいいのに。

そんなことを思いながら手すりに背中を預けて、空を見た。

嫌なぐらい晴天で少し眩しい。


「ああああああああ」

「おい!????????」


うっすらと、校舎からの叫び声が今いる屋上にも響き渡る。

卒業式当日だから周りもテンションが上がっているのだろう。

うるさいな。この学校生活(じごく)の最後ぐらいのんびり自分勝手に終わらせてくれよ。


誰かがこちらに向かってくるのがわかった。

「きゃああああああああああああああ!?!?!?!?助けて!誰か!ねぇ!落ち着いて?話し合おう?」

「何回でもいうよ。話し合える時間なんて、生存時間なんてお前らカスには残されてないんだよ。特にお前は。弥生のこと徹底的にやってくれたらしいじゃん」

「知らないってばあああああああああああ」


何か肉を切るような水分を含んだ音が未知の恐怖心と共に耳に入る。


「なんだぁ?全員やったと思ったのに。屋上に誰かいるじゃん。だーれだ?。」

その言葉遣いと声には聞き覚えがあった。

まさかそんなわけ、あってほしくなかった。


「後ろかな?あ!なーんだ。霞じゃん!そういえばだけど、卒業おめでとう!」

そこには学校の制服をまとった全身血だらけの松本弥雲が立っていた。

表情も口調も私と弥生にしか見せないその笑顔で、手持ち型の電動ノコギリを二本持って佇んでいた。

「弥雲…?これは何?一体何が起きて…」

動揺が隠せないというか、何が起きているんだ?

「ん?これ?なーんでしょう!そうだなー。ヒントは…霞。今日は何の日?」

顔に付着した血を制服の袖で拭いていた。もう意味もないのに

「そ…卒業式だろ。この中学校の。だから何なんだよ。」

私は怯えながらそのヒントの答えを提示する。

後ろは手すりで私に逃げ場はない。殺される?それでも自分の身体は後ずさりしようと身体を動かす。

「せーかい!『卒業式』だから、弥生をいじめてた弥生の同学年の人たちと先生のみーんなの人生を『卒業』させてあげたんだ!というか、なんで霞は私から距離をとるんだい?」

平然と、子供が親に褒めてもらうために自慢するように弥雲はその言葉を放った。

「その恰好を見たら誰だって距離を取りたくなるさ。てかじゃあ、さっきの卒業おめでとうも私を殺すため?」

自分の命は知り合いに殺されて終わるのだろうか。流石に私だって死にたいように死にたいさ。到底無理だとわかっているけど。

弥雲が私の方に向かって足を進める。それに呼応するように私は弥雲から距離を取るように後ずさりをするが、もうだめだった。

背中が四方囲まれている手すりの角に来てしまった。もう本格的に逃げ道はない。受け入れるしかないのか。この死を。

私が死ぬときの景色は晴天の青空を背景に血で真っ赤に染まった知り合いに殺されるのか。

目をつぶった。もう死ぬんだ。私は。


かと思ったが。自分の頬に体温を感じた。

「んなわけないじゃん。霞に言った卒業おめでとうは純粋な中学卒業おめでとうの意味だよ。」

弥雲はその血に染まった手で私の頬を撫でた。

満面の笑みで。自分の罪を私に共有するように。

「大丈夫だよ。霞は何もやってないじゃん。殺さないよー。それにしても良い景色だね!霞!ほら立って!」

そうやって、手を引かれるようにして立ち上がる。

校庭にも誰か視認できないが校庭の砂が血液で染まった跡があった。

「ああ。これが『卒業式』かよ。これが弥雲が望んだ景色か。」

心も身体もこの恐怖心で震えながらも弥雲の隣でそう放った。

「うん!とってもきれいで清々しいよ!」

屈託のない。きれいで最悪で見たくもない笑顔でこの場でたった一人弥雲の隣で生きることを許された私に言ってきたのだ。

「~~~♪」

弥雲が唐突に大声で卒業式に歌っていた合唱曲をここで歌い始めた。

「生き方ミスりすぎたかな。私もあの時、弥生と一緒終焉を迎えればよかった。」

呆れたように私は自分自身を憎むように吐き捨てた。

「大丈夫そんなことさせないから。ここで歌を聞いてくれただけもとっても嬉しいんだから。」

弥雲は私の独り言を聞いていたのか返答してきた。

「こーんな時間は永遠に続けばいいのにね。霞。」

私が数分前に思っていたことを弥雲は口にした。

嫌な最悪なデジャヴだ。私は何も返さずにその弥雲にとっては清々しく見える青空を見ていた。


ああ。なんて最悪で忘れたくても忘れられそうにない中学生活3年間の終わり方なんだ。

こんな時間直ぐにでも終わってくれ。こんなの永遠に続いてほしくない。そう久我霞は心の底から願ったのだった。

お久しぶりです。利便性方程式です。

IFルートのネタが仕上がったので投稿しました。今回は文字数制限なしです。

我ながら救いない話がすきです。

この後の展開は各々で妄想してくださいな。


感想、レビュー、評価いろいろお待ちしております!

感想などは私のモチベにもなりますので是非是非。

質問などもおkです。

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