亮と凛の馴れ初め1
最初に馴れ初めを語りだしたのは亮と凛だった。
「2人とも知ってるように私と亮と駿は幼馴染。でも2人とは違って生まれた時から一緒っていうわけじゃなくて、保育園から同じだったの。その時から駿はお姉ちゃんの後ろばっかりついて行ってて、ずっと好きだったみたい。そうなると私と亮が自然とずっと二人きりになったわけ」
「それからどうやって付き合いだしたんだよ」
「付き合いだしたのは中学2年から。駿は相変わらず休み時間は南さんのとこ行ってたから、ずっと俺と凛は二人っきりだったってわけ」
亮は昔話を始めた。
~回想~
それは俺たちが中学2年の頃だった。
「なぁ凛、最近元気ないじゃん。何かあった?女の子のデリケートな日だったらごめん」
「そうじゃないわよ。ちょっと友達とあまりうまくいってなくて」
凛が言葉を濁す時は、俺に心配をかけたくないことだと分かっていた。
この時から俺は凛に何かがあると思った。
「何か悩みがあったら教えろよ」
「その時は頼らせてもらうわ」
凛が相談してこないことはいつものことだった。
その日の放課後、俺は凛と一緒に帰ろうとしていたら凛は俺と目を合わせることなく教室から出て行った。
俺はもちろん一緒に帰る気満々だったため、凛の後を追いかけた。
しかし凛が止まることはなかった。
俺の存在に気付いているはずだ。
だが凛は止まらなかった。
俺は何かしたかと思い返してみたが特に何もしていなかった。
俺は思わず走りだし凛を追いかけたが、それに気づいた凛も走り出した。
やっとの思いで凛の手を掴んだが、その時の凛の瞳からはうっすらと涙が流れていた。
「ごめん。強く握りすぎた」
「そうじゃない。もう私と一緒にいようとしないで。迷惑なの」
「ならなんで泣いてるんだよ」
「教えない」
「それを教えてくれないと離れない」
「諦めて」
凛はそう言うと、俺の腕を振り払い走って帰って行った。
俺は何をしたのだろうか。
何度考えてみてもわからなかった。
翌朝も凛は俺と話そうとしなかった。
昼休み凛に近づこうとしたが、凛は教室から出て行った。
追いかけようとしたが昨日の帰りの出来事がトラウマになったのか、足がすくみ追いかけることができなかった。
クラス中がざわめきだした。
「あの2人何かあったの?いつもは2人で仲良さそうにしてたけど」
不思議そうに思っている人もいれば
「喧嘩でもしたんだろ。すぐに仲良くご飯でも食べるようになるだろ」
楽観的なやつもいたりした。
俺はその話題で持ちきりの教室で1人弁当を食べていた
寂しかった。
しかしそんな中から最悪な言葉が聞こえた。
「あの女、幼馴染か何だか知らないけど亮君と駿君を独り占めするのがいけないのよ。ざまぁないわ」
凛はただでさえ美人でかわいくて頭が良くて完璧で、他人から妬まれる存在だったが、俺と駿という男子2人とずっと一緒にいるから余計女子から嫌われていることに今気づいた。
クラスの中心的な女子5人が主に言っていたのがすぐに分かった。
その瞬間俺は考えるよりも先に行動に移っていた。
「おい、お前らか。凛をいじめたのは?」
「いじめたんじゃないわ。周りの評価を教えただけだわ」
「周りの評価って言っても、どうせここにいる5人だけだろ」
「そうかしら、心のどこかではみんな思ってるんじゃないかしら」
その瞬間俺は机を蹴り飛ばしていた。
「ふざけんじゃねえよ!!お前らだけだよ。お前ら以外はそんなこと微塵も思っちゃいねえよ!!もし思ってたら、今この瞬間で全員がお前らと同じ反応をしてたはずだろ」
「だったら何よ。私達はあの女が男子二人を、しかも学年のトップ2人を独占してるからでしょ。なんで言っちゃダメなのよ」
「凛は俺と駿の大切な幼馴染だ。その幼馴染を傷つける奴に振り向く訳ないだろ。考えろ」
そういうと俺はもう一度、今度はその女達の机を蹴り飛ばしていた。
「凛は俺にとって凛はただの大切な幼馴染じゃない。心の底から大好きな女の子だ。傷つけんじゃねぇよ」
俺は怒りに満ちていた。
私は亮から逃げるように教室を出ると人気のない階段の踊り場でお弁当を食べていた。
1人で食べる寂しかった。
しかし昨日の昼食後、ロッカーに弁当を片付けている時に言われてしまった。
「あんたは完璧な男の子2人をキープしてるクソビッチにしか見えない」
クラスメイトの5人の女子に囲まれて言われた言葉だった。
しかも自分の中では、意外と仲が良いと思っていたメンバーに言われショックだった。
そしてしまいには
「2人がかわいそうだから関わらないであげて」
そう言われたが、私は亮のことが好きだったため離れたくはなかった。
しかし誰にでも優しい亮が、私にだけ特別優しいわけがないと
自分は幼馴染止まりだ。
そう思い、亮と距離を置くことにした。
しかし想像以上に亮と距離を置くのは辛かった。
弁当を食べ終わり教室に戻ると、異様な光景とともに、私の心に花を咲かせるような言葉が耳に入ってきた。
「凛は俺にとって凛はただの大切な幼馴染じゃない。心の底から大好きな女の子だ。傷つけんじゃねぇよ」
亮が私のことをそんな風に思っていたとわかると、うれしくて涙が止まらなかった。




