表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
利用される悲劇
66/190

皆絶対一回は食べた!

 あ、そう言えばゴーレムの魔石をギルドに売んの忘れてたな。まあいいか、さっさと帰ってサリアにうさぎリンゴを食べさせてやらんとな!

 そう言えばふと思ってんけどリンゴとかって病院の差し入れで持ってくるイメージ強いんやけど、それって消化的にどうなんかな?僕そう言うこと全然知らんねんけど。


 まあ、サリアには関係ない話かもな、スキル使って倒れただけで別に病気になって倒れたわけやないしな。

 別に消化器官は無事、やんな?


 ...コンコン


「ただいま!今帰ったで」


 部屋に入るとサリアがベッドの端にエリスと座り、元気におしゃべりをしていた。なんの話しをしてたんかは分からんけどな。


「あ、カインおかえり!あたしの代わりに依頼の報告行ってくれたんでしょ?ありがと!」


「イヤイヤ、そんなん全然構わんけどさ、サリアはどうなん?なんかおかしいとこはないか?頭痛いとか」


「あたしもちょっと予想外だったんだけど全然大丈夫みたい。あたしがスキルを解除する前にカインが言ってくれた通り、分裂したあたしの考えてた事もちゃんとあたしの一部になってる感じがするわ」


 へぇ、慰めるために言った、みたいな所もあってんけどそれやったら良かったわ。

 そやけど、あの時は必死で気付かへんだけどよう考えたら当たり前か。あのスキルの名前自体『バラバラの心』やし、一つの心が分裂する、ってスキルやと思えばこの結果も納得できるな。


 まあ僕的にはあんまり使って欲しくはないスキルかな。だって使うたんびにあんな怖い思いするんやったら使わんと最後の手段にやった方がええやろうしな。いわゆる切り札的な、な。


「ちなみにカインが帰ってくる前は、姉さんが使ったスキルの話をしていた。私も同じスキルがあるからまた明後日、姉さんの大事を取ってから試すことにした」


「え?いや、やめときや。サリアもあんなに涙ボロボロ流して怖がってたのにエリスまでそんな思いすることはないやん?」


「でも、いざと言う時姉さんとカインを守れる手札は1枚でも多く持っておきたいから」


 エリス、そんなに健気に頑張ってくれるなんてな。僕も今よりはちょっと気合い入れて訓練するかな。

 纏血も今のところ槍形態しかあんまり使ってなかったからエリスを見習って、そやな、例えば糸形態とか左手からしか纏血スキルが使えへんから服からスボン、そんで足から地中を通して地面からの攻撃。

 他にも攻撃中に形の変更とかもできるようになったら絶対強いしやろうしな。

 そう言えばゾンビスライム戦の時にがむしゃらにって似たようなことしたってけな。


「あ、それやったらなんやけどさ、サリアには悪いけど明日休んでもらってる間に僕とエリスで特訓に街の外まで行かへんか?」


「む、でもやっぱり姉さんを一人にするのは、ダメ」


「いいわよ、2人で行ってらっしゃい。あたしはここで大人しく寝てるから」


 あ、なんか急にすんごいサリアに悪い気がしてきたわ。なんかしかもエリスと2人で、って言われると全然そんなんちゃうのにデートみたいな感じしてくるし。

 いやはや、自意識過剰の彼女いなかった感とかが丸出しやな。、自分で言っててキモイわ。何意識しとんねん、僕!いや、言葉にはなんも出てないけどな!?


「そう?じゃあ明日行ってくる、姉さんはゆっくりしてなきゃダメなんだからね?念の為に女将さんにも言っておくけど」


「エリス、アンタの中のあたし、どんなイメージなのよ!一日くらいじっとしていられるわよ!」


「え!?マジで!サリアが?HAHAHA、面白いジョークやな」


「カイン、その笑い方やめてくれない?殴るわよ?」


 はい、ごめんなさい...。


「あ、そんな事よりサリア、お土産?って言うかお見舞いの奴買ってきたからな。ちょっと待っててや、今切るからな」


「え?何か買ってきてくれたの?別にいいのに...。ありがとう」


 そんな言葉を聞きながら僕は買ってきたリップルの実を包丁がないので纏血で素早くうさぎの形に切っていく。

 いや、そう言えばめっちゃ久しぶりにウサギ剥きやるから上手くやれるかどうかちょっと不安やったけど、あれやな。纏血って結局は自分の血やから自在に動かせるんさな。

 何が言いたいかって、包丁使って切るよりめちゃくちゃ切りやすいんやけど!何コレ!?


「はい、出来たで。うさぎリップルや。水分飛ばんうちにはよ食ってまおか」


「「か、可愛い!」」


「コレ、ホントに食べちゃっていいの!?部屋に飾っておかない?勿体ないわ!」


「ウン、姉さんの言う通り。あ、でもいっぱいリップル買って全部ウサギにして部屋いっぱいにするのもいいかも...!」


 お、おう。予想以上に2人の反応がええな。僕みたいな腐った心持っとったら『あ、ウサギになってるやん』で終わってもうたのにな。ま、喜んでくれる分には全然嬉しいからええねんけど。


「そんなに言ってくれたんやったら作った甲斐があったけど、飾らんといてや?カビまみしの腐敗臭満タン部屋になっちゃうからな。安心せい。簡単やからまたリップル買ってきて作ったらええわ」


「じゃあまた作ってよ!?約束だからね」


「破ったら承知しない...!」


 はは、ホンマに作ったかいがあった。...あとこれ何回作ったらええんやろ?メンドクサ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ