リンゴ?それともリップル?
僕達は気絶したままになっているサリアをおんぶし、アルトザインまで帰ってきた。
この門を出た時に対応してくれた守衛さんにはすごい心配されたけど、スキルを使った反動や、って説明したらすんなり通してくれた。
この世界のすごいところはさっき説明した通りスキルを使っての気絶とかがよくある所やな。みんな知ってるか?気絶ってのは僕のにわか知識やと、そもそもが自分にとってめっちゃ大変な状態にある、例えば刑事ドラマにある頭を瓶で叩かれたとかもそやな。そういう緊急事態でしかならんのに、この世界の住民は結構パカパカ気絶するらしいわ。
もしかしたらスキルを使うってこと自体が自分にとっては地味に負担が大きいんかもしれんな。
まあ、今はそんな事考察してる場合じゃないな。一応サリアは今お世話になってる宿屋にエリスと一緒に置いてきた。ちなみにサリアもホンマに寝てるだけ、耳から血が出てる!なんて事にはなってない。
そういう事で一安心した僕はギルドまで今回のウッドゴーレム討伐の証である焼き焦げてしもた木のクズと売れそうやったウッドゴーレムの魔石を持って来ていた。
「冒険者ギルドへようこそ!依頼ですか?報告ですか?」
「あっと、報告ですね。ウッドゴーレムの討伐依頼達成してきたんですけど、討伐証明部位って木の破片でよかったんでしたっけ?」
「はい、大丈夫ですよ。その他に何か採取してきたものはございますか?」
「はい、ありますよ。えっと、ゴブリンの魔石と角、三体分ですね」
「...はい、確かに。依頼達成おめでとうございます。では報酬の銀貨三枚と銅貨十五枚です。お確かめ下さい」
うおぉ!すげえ、初めて銀かなんか持ったかも!あ、いや嘘ついた。ゴブリン村討伐の時にも報酬で貰ったわ。ただ減額されてたからその印象しか無かったケド。
「はい、確かに。じゃあまたお願いしますねぇ」
「またのご利用お待ちしております」
...見事に最後までマニュアル対応みたいやったな。あの受付嬢は始めてみる子やけど新人なんかな?もしかしたら。
よし、あの子はこれからマニュアル子、って呼ぼかな!
うわ、激しくどうでもええわ。そんな事よりこの収入使ってサリアと留守番してくれてるエリスになんか買ってったろかな?
やっぱり串焼きか?嫌でも気絶して頑張ったな、はい、串焼き!ってのもなあ。
それやったら果物なんかどうやろうか?いかにも僕の中の入院した子のお見舞いって感じするし、せやな、りんごのうさぎサリアに作ったろっかな。あ、この世界やとリップルの実、になるんやったっけ?
いや、どの世界もみんな似たような名前つけるんやなあ。もしかしたらこの世界でもリップルが落ちんの見て重力の法則に気づいたりしてな。
おっと、いつの間にか果実店についとってんな。もうちょっとで通り過ぎるとこやった。
「オバチャン、リップル買いたいんやけど、オバチャン的にどれがオススメや?5個くらい欲しいかな?」
「あらそうねえ、コレとコレ、あとこれもいいかもしれないね。はい、5個で銅貨10枚だよ。...ちなみにあんた名前はなんて言うんだい?」
はい、始まった。なんか知らんけどオバチャンってこういうクソしょうもない話が好きよなあ。うちの近所にもいたわ。
大抵こういう話が始まると三十分は余裕で話しとるから厄介やねんかなぁ。僕も聞くだけやったら好きなんやけど、それと同時に口下手やから上手く話せへんねんかな。
そんなこんなで案の定三十分くらい話し込んだあとようやくリンゴを買って帰れた。...近所の不倫話なんていらんねんけどな!
マジでリアル3時間半残業はしんどすぎるわ。勘弁してけれ。




