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「あんた達、何者だ? あと、ここは日本ではないのか!?」


 入ってきたオーラのある人たちに気圧されたクラスメイトに代わって、学級委員長を務めるクラス一のイケメンが声を上げた。


「……誰だっけ?」


「さあ? それよりパールを早く服の中にでもしまった方がいい。嫌な予感がする」


 響も律も人の名前を覚えるのは苦手だ。特に興味がない人だったり、自分たちに負の感情を抱いていたりするとより顕著である。

 響は律に言われたとおりにパールを服の中に入れる。パールは存外大人しくじっとしてくれるようだ。響には第六感のような優れたものはないが、律のそういった勘は外れたことがないので律の言葉に疑問も抱かずに従ったのだ。


「うむ、そなた等の疑問は最もなものじゃ。そなた等には悪いが異世界より勇者として召喚させてもらった。よくぞ来てくれたな、ここはケスターナ王国、そして儂は国王である」


 王様のような人はやはり王様だったらしい。一応それなりのオーラを持っている。異世界に召喚されたということは、ドッキリなどではなさそうだ。


「そして私(わたくし)は、ケスターナ王国第一王女のアメリアですわ。皆さま遠いところからようこそおいでくださいました」


 そう言ったアメリアは花が綻ぶような笑みをみんなに向ける。響と律は少し顔を歪めてはいるが、アメリアの胸が強調されるように大きく開いた胸元や、男心をくすぐるミニスカートといった装いに魅了されている。極めつけに金髪碧眼の美しい顔に、クラスメイトは撃沈している。

 ……そう、文字通りに魅了されているのだ。パールが動物だから魅了されなかったのか、少しポーッとなった響の脇腹を思いっきり噛んだ。


「……ッ」


 鋭い痛みにハッとした響は、クラスメイトの状態が少しおかしいと思い隣にいた律の手の甲を思いっきり抓る。


「ぐッ」


 響が渾身の力で抓ったのもあって、ポーッとした意識が元に戻ったようである。しかしこの状況はどう見てもおかしい。普通は正々堂々魔王退治なり魔物退治なり協力してくれと頼めば、少なくとも聞く耳を持つ者はいるかもしれないのに。それすらせずにみんなの意識を濁しているのは、この召喚に何かわけがあるからだろう。

 魅了というのは一度魅了されていると気づけばある程度は防ぐことができる。このことは響も律も知らないが、魅了にかかったふりをしないと響と律が浮いてしまうのは確実なので、ここは一応ポーッとしたように見せかけておく。


「私は大司祭のフレンツォと申します。皆様には私たちを手軽な食料としか思っていない魔物率いる魔王を討伐していただきたいのです。そのためにはステータスを申告してほしいのですが、よろしいですね?」


 大司祭の有無を言わせないその態度にクラスメイトは誰一人反発せずに頷いたりしている。もう怪しいだとかそう言っていられる次元ではない。


「ステータスは、ステータスオープンと唱えるだけで目の前に半透明のパネルが見えるようになりますわ。さあ、勇者様たちの実力をお教えくださいな」


 みんなが一斉にステータスオープンと唱えると、みんな自分のステータスを食い入るように見ているようだ。傍から見ると何もないところをただ見つめているように見えるのは、他者から見えないという特性があるからなのだろう。



《ステータス》

 ■深山響 Lv.1

  種族:人間  性別:男

  職業:学生 

  称号:勇者と同郷の者

     守護を受けし者

     ????????

  HP    235/235

  MP    505/505

  

  STR     50

  AGI     70

  VIT    100

  INT    100

  DEX    100

  MID     70

  LUK    100


  適性属性:空間

  スキル:【手懐け】【状態異常無効】


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