アリアという少女
この世界の西の果て。そこにはこの世で最も長く、最も栄ている王国がある。人々はそれを「水の都」や「遥か遠い理想郷」と呼んでいる。大きな湖が枝を巡らせ、その綺麗な水が自然を豊かにし国を潤しているからだ。そして人々が自由な夢を見る国、叶える国。多様な文化を受け入れる国として発展し続けてきたからでもある。
この国の王族である「ペンドラゴン」。その一人娘である「アリア・ペンドラゴン」は王城の敷地内にある庭の小川の近くにあるガーデンテラスで昼食を食べるのがお気に入りである。
彼女はいつも2つのバケットを携えてテラスに来る。片方はアリアが食べる用のお弁当であるサンドイッチ、もう片方はテラスにいつも遊びに来る小鳥たちにあげる食パンが入っている。
「あら?昨日よりも小鳥さんたちの数が少ない気がするわ?どこかでお昼寝でもしているのかしら」
気にせずアリアはパンを小さくちぎっては机の上に1つまた1つと並べていく。
昨日は20個並べたのに対して今日は19個。やはり1羽少ないらしい。
「やっぱり1羽居ないみたい。あなた達は何か知らないの?明日はきっと連れてきてね。…いいなぁ友達…私もそういうの欲しいな…」
王族の一人娘ということもあり、跡継ぎを途絶えさせないために王城の敷地から出ることは基本的に許されておらず、同年代の友人という友人は居ない。そのため庭に遊びに来る鳥や動物達が唯一の友達と言っても過言では無い。
絵本や小説の中で楽しげに語られる「友人」というものに憧れを抱き、時には寂しいという感情を抱きながらも自分の役割を認識している彼女が我儘を言うことはほとんどなかった。
「アリア様、そろそろ勉学の時間ですので、王城へお戻りください。」
夕方から夜にかけての座学は王城の中にある専用の教室で行われる。それぞれ専門の講師が1人ずつ着いた、言語、数学、歴史、天文学等の講義を日替わりで受けていく。
アリアにとってこれらの勉強は外の世界のことを知る数少ないタイミングなため楽しみなことでもあった。
講義が終わり、自室に帰る。自室に着いている大きな窓、それについてるカーテンを開けると一面に見える満天の星空。これを見ながら星座を探したりなど、学んだことがすぐに試せる天文学は特にアリアにとっては楽しいことであった。
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