マルデゥク王国 女嫌いのサディス
馬車が出発してから二日後、程なくしてサディス王子のいるマルデゥク国まで着いた
マルデゥク王国王国は大陸で一番大きな国だけあって、政治の中心地である王都にいくまで
まる二日もかかってしまった
ここでも政治的な外交パーティは開かれてて、俺達も当然参加しているんだが・・・
その規模が段違いだ
カイトやユーディアスの国の外交パーティでは50人規模程度の人数だったが、マルデゥク王国では
100人以上下手した500人はいるんじゃないかってくらいの貴族の人数とそれを収める会場の大きさだった
当然調度品や料理、会場の内装にいたるまで全てが金がかかった豪華な作りをしていた
・・・まぁここでも俺のやることは頑張ってもらっている外交官達を横目に顔役として挨拶をしているだけなんだけど・・・
一応俺だってマテリア王国をよくしていきたいと思って政治の勉強として、外交官達の話をそれとなく横で聞いてメモをとったりしている
そんな時だった、声を掛けられた
聞いたことがある声・・・
「そこの女装男子君・・・一曲俺と踊りませんか?・・・ん?」
「っておちんちん女かよ」
サディス王子だった
どうやら俺を女装している男の子だと思ってダンスを誘ったらしい
どういう間違いだよ
「サディス王子・・・って変なあだ名で呼ぶな」
「どう呼ぼうが俺様の勝手だ」
いい加減、おちんちん女とかいう変なあだ名やめて欲しいんだけどな
正直立派な悪口、誹謗中傷だと思うよほんと
「てかなんで女装男子って分かるんだよ・・・」
「天才の俺様の感は良く当たるのさ、それにしても中身が女じゃな・・・はぁ」
「悪かったな、女で」
お互いに悪態をつく険悪な雰囲気になってる時だった
背後から複数の女の人の声がした
「あら~サディス、その子はもしかして話に聞いていた婚約者のレオーネって子?」
「あーあの有名な男の子魔女っ子に変な呪いかけられたっていう」
「なんでも男性が触れたら男になって、女性が触れたら女になるらしいですわ」
いきなり現れた女性達はサディスと気さくに話しかけていた
それに対するサディスの反応も
「げ、姉貴達」
って感じでめちゃくちゃ嫌そうな顔をしているから、おそらく彼女達はサディスの姉にあたる人たちだろう
嫌そうな顔してるってことはお姉さんのことが苦手なのか?
サディスの姉っぽい人達は、俺に気づいて近づいて自己紹介を始めた
「あ、レオーネちゃん自己紹介が遅れてごめんなさい私たちはサディスの姉の三姉妹です」
「私はレイスでこっちブリトニーがでこっちがアン、よろしくねレオーネちゃん」
そう言うとレイスさんは、こちらに手を差し出して握手を求めてきた
「はぁ・・・よろしくお願い致します」
俺はとりあえず求められた握手をして言葉を返す
なんというか、個性的なお姉さん達だな
あのサディスと姉弟っていうのも頷ける
「ところで何が姉貴達なのかしら?お姉様方・・・でしょサディス~」
「レオーネさんたら聞いて?サディスったら女嫌いを自称してるけど昔女の子にフラれたのが原因だってね~・・・男のクセに情けないったらね~」
「今その話をすんじゃねーよ、第一姉貴には関係ねーだろ!」
サディスは姉たちに過去のいじられて、狂犬のように怒っていて機嫌が悪そうだった
なんというか、サディスにも姉に頭が上がらないっていう
意外な一面があるんだ
しかも女嫌いの原因が、昔女の子にフラれたからって・・・理由がしょぼい
あいつにもかわいいとこもあるじゃん
そんなとこも考えてる時だった
「レオーネたんかわいーね、髪の毛もぼさぼさでワンコみたーい」
三姉妹の一人が犬を撫でるように俺の頭をわしゃわしゃもみほぐしてきた
「わわ、ちょっとまってください・・・・今女性の方に触れられると俺女の子に戻ったちゃ」
そうやって肌に直接触れられると、俺は女子に戻ってしまう
体が光って体変わっていく感覚が分かる
そして髪の毛をわしゃわしゃされてる時だった
俺の手をサディスが引いて、無理やり連れていかれた
「くそ、逃げるぞ!」
「え?おいちょっとまって」
サディスとレオーネがその場からいなくなった後、三姉妹はそれぞれ感想を言い合った
「待てー、逃げるなサディスー」
「追いかけますかお姉様」
「いやいいわ、それよりあの二人のことじっくり観察して方針でいきましょう・・・面白そうだわ」
サディスの姉三姉妹はこっそり後をつけて観察することにした
そしてレオーネ達のやり取りを見ていたもう一人いた
「ふむ・・・サディス、そこにいたか」
サディスに引っ張って俺達は人気の少ない雑木林に来ていた
「ここまで来たら追ってこれないだろ・・・」
「手放せよ・・・手袋してるから今は女の状態だ」
俺は、サディスに手を放すよう促す
ついでに、今の性別の状態が先ほどサディスのお姉さんに触れられてせいで女性の性別になっていた
「あ、・・・ああそうかわるい・・・ってなに謝ってんだ俺」
そんな俺の訴えをそれを聞いたサディスは咄嗟に手を放して
なんと謝った、これまた珍しい・・・
「ぷっ、なんだお前偉そうで嫌な奴だけだと思ってたけど・・・案外可愛いとこあるんだな」
「しかも、女嫌いになった原因は怖いお姉さんに囲まれて育って好きだった女の子にフラれたからだかららしいな・・・・ふふふ」
俺はサディスのそんな姿に笑いをこらえずにはいられなかった
「なっ・・・ちげぇよ笑ってんじゃねぇ・・・・今はまだ姉貴を超えられてないだけだ」
「いずれ俺はこの国の国王になる男だ」
そんな俺の言葉に、サディスは顔を真っ赤にして反論した
「・・・そういえば、触れたら男性になるってことは・・・」
だけどサディスは何かに気づいたようで、サディスティックな笑みを浮かべる
「俺も手袋つけたら、お前は男に変わらないってことだよな・・・」
「・・・・やば」
しまった、完全この男性化の弱点がバレた
多分あの時サディスが手を引っ張ったときに男性化しなかったのがヒントになってしまったんだ
そうだこの男性化は、手袋などの布切れ一枚だけでも遮蔽物があれば呪いは発動しないのである
なにせ直接肌に触れることが条件だからな
「見てろ・・・今から女のお前に・・・」
「エロいことして姉貴達を見返してやる!」
やることがみみっちいな、おかしいだろ理由とか
その行動に移る理由が!
「なんでそうなる!やめろ近づくな!」
じりじりと近づくサディスに対して
俺は無我夢中で、前蹴りをする
「いっっっ~!」
運が良かったのか
奇跡的に前蹴りはサディスの金玉にクリーンヒットした
「金的だ効いただろ、何せ俺自身が男だから実証済みだ!」
かなり効いてるようだ、金的を食らえばしばらく動けない(これも自分で実証済み)
これなら奴も大人しくするだろうし、今のうちに逃げれる
だけど、事態は俺の予想しなかったほうに動いた
「てめぇえええ女のくせに、付け上がりやがって!」
サディスは平然と立ち上がってきた
なんで動けるんだよ!?
そうか!蹴り上げる瞬間魔法で防御して衝撃を軽減したんだ
焦った俺は、背を向けて逃げようとしたけど・・・
「そんなに男に屈服させられたいなら、お望み通り今孕ませてやるよ!」
激昂したサディスは、俺が逃げるより早く俺の両手を掴んで
近くの大木に俺の体を叩きつけた
「っ!・・・ふりほどけない」
ふりほどこうと身をよじるが、一向にびくともしなかった
当然と言えば当然だった、今は女の子の体だ
腕力の差は歴然だった
彼の腕力に女の私は完全に屈服させられていた
「辱めを受けるくらいなら死んだ方がマシだ、いっそ殺せ」
「へっやだね」
彼はドスの籠った声と表情で、俺を見つめる
その顔に俺はも見覚えがあった
あの顔は、お父様の顔だ・・・
「男の乳首だと思えば問題ない、俺が男にいつもやってることだ」
サディスは、ドレスを無理やり破いて隙間から手を入れてきた
その手は俺の胸部にかかっていた
「やぁっ・・・・・そこ・・・おっぱい・・・手ぇ入れるなぁ」
「何がおっぱいだよ・・・男みてーな胸しやがって」
「乳首だけで興奮して男性化したりしてな」
さらにサディスは、俺の胸さわって揉むだけじゃなくて
乳房まで触ってきた
「するわけ・・・ないぃ・・・・だろ・・・あっ・・・んっ!」
普段男勝りの俺が、完全に女みたいな声を出してる
そんな自分が嫌になる
サディスに負けていいようにされてる自分が情けない
「男の乳首いじる時と何も変わらねーじゃねーか、女みてー声だしやがって」
このままじゃ俺は誰も守れず、自分すら守れず孕まされて終わっちまう
そう・・・
俺はこのまま、お母様みたいに無理やり孕ませられて・・・・・そして
そして・・・・
やだ・・・・いやだいやだいやだ!
「・・・・やだ」
「本当にやだの・・・・・・エッチなことなんか・・・・しないでよぉ・・・・うぅ」
「うえぇぇ・・・・」
僕は泣いていた
まるで子供みたいに
えんえん、わんわんと
号泣していた、いったんタカが外れればもう無理だった
止めようと思っても流れる涙が止まらない
「・・・・・・・・・・・・・くそっ」
「やっぱやめた」
「え・・・・・・」
サディスは、突然俺に触るのを止めた
さらに手ぶくろを外して、俺の頬に触れ涙を人差し指でぬぐった
「ぐすっ・・・・・いきなり男の体に戻したりして・・・なんなんだよお前」
「女の体になった瞬間ヘタレになったのか?」
ようやく泣き止むことができた俺は
開口一番にサディスを罵倒してやった
「ああ!ヘタレてなんか・・・!」
「お前こそ、さっきまで子供みたいに幼児退行して泣いてたくせに・・・」
それに対いし怒ったサディスは反論する
「うぅそれは・・・・」
その反論は、合う意味的を得ていた
実際に子供みたい号泣したのは事実だ
さっき見せた優しさみたいなのは気のせいだったのかもしれない
そう心の中で後悔した時だった
見知った人の声が後ろから聞こえた
「やめたまえ、サディス、今の君じゃレオーネ君の心を射止めるのは無理だ」
「あんたは・・・ちっ」
「ハルカさん!何故ここに?」
声の正体は、ハルカさんだった
何故ここに・・・?
ていうか、サディスの反応から考えるに、二人は知り合いなのだろうか
「やぁレオーネ、危ないとこだったね・・・まぁ最後ヘタレたから僕の出番はなかった」
ていうかさっきのやりとり見てたんだ・・・
むちゃくちゃ恥ずかしいんですけど・・・
「僕はね、そこの女嫌い王子に昔告白されたことがあるのさ」
「ええ!?」
つまり昔サディスが告白して振った女の子ってハルカさんだったのか!
「ちっ、そうだよ・・・俺が男色家になったのも・・・全部ハルカお前のせいだ」
「あの時は配慮が足りない子供だったから成長してから一応謝ったんだけどね、サディス王子に言ったんだ」
ハルカさんが昔サディスに言った言葉それは・・・
「僕より背が低くて弱っちい奴なんか好きにならない、いい?僕は強者女性で、君はチビで弱くて口だけの嫌な奴で弱者男性だ」
ということ言葉らしい
「ああーなるほどそれで・・・」
そうだったんだ・・・
ハルカさんにひどいフラれ方して、それで今のサディスが出来たのか
でもハルカさんは何故今更になってこの場でそんなことを・・・?
「ああ、俺はその瞬間女という存在そのものが嫌いになったんだ」
「さてと、そういうことだからひどいことしたお詫びに彼女に優しくしてやりな」
「パーティーで一曲踊ってきなよ、そしたら仲直りできるんじゃないかな」
ハルカさんのその言葉に俺とサディスは驚いた
「はぁ?なんでそうなる!」
「ええ・・・サディスと踊る?」
いきなりパーティーでダンスを踊れって言われても・・・・・
あんなことあった後じゃ気まずいだろ・・・
「いたずらに女性に対して偉そうにしてたり暴力を振るったりしても解決にならないってことだよ」
「これは、僕なりの君への贖罪のつもりだよ・・・君に女性への付き合い方をアドバイスすることがね」
・・・そういいうことか、ここにハルカさんが来た理由はサディスの女嫌いは自分が原因だから
アドバイスしてなんとか克服させてあげようとしているのか
ってそれに俺を巻き込まないで欲しいんですけど・・・
「別にしなくてもいいけど、やらなければ君の印象は強姦魔のままだろうね」
ハルカにそう言われたサディスは意を決心したかの様に
「・・・このままはよくねーか」
「くそ偉そうに命令するな元凶のくせに・・・」
「ほら、手」
手を差し出し、エスコート役を買って出た
俺が手を伸ばすのを待っていた
「さっきは悪かった・・・あんなに泣くとは思わなかった」
「少なくとももうあんな風なお前が嫌がるようなことは絶対にしないと神に誓う」
そうサディスは謝罪した、その顔は真剣そのものだった
まさか素直に謝るなんて・・・
最初強姦されそうになった時は最悪な野郎だと思ってたけど
案外こいつも悪い奴じゃないのかも・・・
「あ、ああお願いするよ」
俺はサディスの手を掴んだ
さっきとは違う、優しい感じがした気がする
サディスは居直り、騎士がするように跪いて
「だから一曲踊っていただけませんか、姫」
手の甲にキスをした
サディスは真剣にこちらを見つけていた
今までのような、ふざけた雰囲気は一切感じられない
彼が本気だということが伝わった
「・・・・・・・・・わかった騎士としてその心と瞳に嘘はないと見た、礼を受けた以上騎士として俺・・・私も躍らせていただきます」
その後、俺とサディスは外交パーティ場で手をつなぎダンスを一曲踊った
お互いに、何故だろうかか俺もサディスも顔を赤くしながら
三日月の星空を背景に優雅に踊った
ダンスが一曲踊り終わった後は、お互い手を話「じゃあ」とだけ言い残し、迎賓館のゲストルームへ向かった
少し・・・・・少しだけだ
少しだけ手を放すのが名残惜しかった
舞台上の端でそんな二人を見つめていた人が4人
そのうちの一人、ハルカは二人を見つづけて
「うん、いい感じだ・・・一応サディスが女嫌いになったは僕の責任だし」
「レオーネならサディスの女嫌いを克服するきっかけになると思ったのは間違いなかったな」
「しかしいかんせん、サディスはDV彼氏すぎる・・・困ったねやれやれ」
そんな感情を他人事のように言って立ち去った
サディスの姉三姉妹は
「面白い見世物だったわー」
そう言って立ち去った
神の声(姉弟揃って性格悪)
その後マルデゥク王国に一泊泊まった
早朝の身支度を終え場所に乗るとき
サディス王子から声をかけられた
「おい、おちんちん女」
「朝からなんですかサディス王子」
昨日の出来事から一日、やはり顔を合わせれば雰囲気悪く喧嘩ムードだった
「せっかく来てやったに嫌な顔しやがって、まあでも来たのは他でもでもない」
そこでサディスは真剣な表情で俺に言い放った
「レオーネ・アシェル貴公を一人に騎士として勝負を申し込む、俺は必ずお前をモノにして見える」
「男のお前も女のお前も」
彼の彼なりの真剣な告白宣言
「なぁっ・・・・・・・・ふんっ出来るもんならっやってみろ」
それに対し、俺はほんの一瞬だ顔が赤くなって驚いてしまった
その後は挑戦的な笑みで返し振り向き先に行こうと馬車に乗る
ていうかそれは告白か?カイトとユーディアスの方がよっぽどロマンがあった
「ちなみに俺がフラれたら、あだ名を取り消してやる・・・万一つでもそれはありえんがな」
「分かったその勝負受けてやる」
俺は振り返らず、そう返した
「「騎士として」」
多分お互いに苦笑しながら
別れた




