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32.バールナ公爵家の一人だけ頭お花畑でした

 オールとユージンは、ディロール王に礼をとり第一王妃エルメイ様と第一王子ダンリック様に頭を下げた。


「ココネの事をお願いします」


 第二王妃ブリンダ様・第二王子ヴァンロット様・第一王女エルル様には


「…………」


 無言の礼をした後、バールナ公爵の元へ。


 オールさん、さっき王様にも無言の圧力をかけてたよね。


 オールとユージンの無言の圧力は威圧感が半端ないから、程々にね?



 私は、バールナ公爵家の皆さんにカーテシーをしたまま。


「今日から宜しくお願い申し上げます」


 短い挨拶を再度した。


 挨拶の後、バールナ公爵にフェンと一緒でも良いかを伺った。


「従魔とは頼もしい」


 一緒でも良いと了承を得た。


 バールナ夫人がニッコリ笑い


「数年だけど、宜しくね」


 私の目を逸らす事なく接してくれた。


 バールナ公爵の次期当主である、ルリナ嬢の弟のホーリー様も同様に笑顔で


「短い期間ではありますが宜しくお願い申し上げます」


 小さいながらも丁寧な対応、さすが次期公爵家当主だわ!



 一人を除いて、バールナ公爵家に挨拶してもらった。


 ルリナ様は無言で私を鬼の形相で睨んでる。


「………死ねば良いのに……ここは私の世界なのに……」


 えっ? 今、微かな声で『死ねば良いのに』とか『私の世界』って言ってたよね?


 何か怖いんですけど、こんなんで大丈夫なのかな?


 ルリナ様は、まだ挨拶も無いし無言で威圧して来てるよ。


 女性が無言の威圧をかけるのは止めた方が良いですよ? 顔コワッ!


 ずっと第二王子の腕にくっ付いたまま頬を膨らませて、まともな挨拶すら無かった。


 バールナ公爵家の皆さんに、同情します。



「王族の皆様、失礼致します」


 初めの挨拶同様、丁寧で綺麗なカーテシーをした。


 姿勢を伸ばし笑顔で、王様の声がかかるのを待った。



 此処でも10分程待たされたが、無事に謁見が終わった。


 待っている間もオールとユージン、フェンもディロールの王族に対してイライラしていた。


 謁見の間を出ようとすると、ルリナ様から声がかかり私達は歩みを止められた。


「オール様、ジン様、待って下さい!」


 オールとユージンは溜息を吐き


「ルリナ嬢、何か御用でも?」


「…………!」


 ユージンは苛ついた感じで聞き、オールは言葉を交わしたくないのか完全無視!!


「愛称で呼ばないで頂きたい!」


 ユージン、顔が怖いよ?


「………俺の愛称は身内と愛する『ココネ』だけだ!

 貴様に愛称呼びを許した覚えはない、不敬に値する!

 二度と愛称で呼ぶな!!」


 オールは、うん『無言の威圧』と『愛称で呼ぶな』発言、こちらも怖いよ。


「グルルルッ!」フェンまで!



「オール様ってば照れてるのね?

 フフフッ、そんな顔も素敵!」


 また愛称で呼んでる。


 注意や無視されたのにスキップで、第二王子のところまで行くのはどうかと思いますよ?


 公爵家としてのマナーはどうしたんだろ? 何か本当に変な子だわ。



 バールナ公爵家へは馬車で移動した。


 オールとユージンはディロールにある屋敷で政務がある為、バールナ公爵家へ私を託した。



 歩いて遠ざかるオールとユージン、私一人になると思ったらなんだか怖くなり。


 いつの間にか走ってオールの背中に駆け寄り、抱きついていた!


「オール! オール!!

 私を1人にしないで、怖いよ!」


 悲鳴に近い声を出している自分に驚いたが、そんな事を考えている余裕が私には無かった。


 オールも始めは驚いていたが、直ぐに笑顔になり。


「ココネ、バールナ公爵にいれば危険はない。

 フェンもいるから大丈夫だ。

 明日も必ず来るよ」


 オールは私を抱きしめ、頬にキスをした。


 私は頷き、不安そうな顔でユージンを見ると頷いてくれている。


「ココネ様、大丈夫です。

 バールナ公爵はお優しい方なので安心して下さい」


 私は、ユージンにも頷き戻ろうとした時にオールは私のオデコにキスをした。


 ………!!


 きゃあぁっ! 頬とオデコにキスされた!


 顔が熱くなって、私きっと茹でタコの様になってるはず。



 オールは微笑み、ドラゴンと共に屋敷へと帰って行った。



 私はバールナ公爵の皆さんに「私とフェンを宜しくお願い申し上げます」と挨拶をし、バールナ邸へ入った。


 屋敷の中は白やクリーム色、薄水色など控え目な色で落ち着く感じだった。


 入り口正面の大きな花瓶には色取り取りの綺麗な花、上を見上げれば豪華で薄ピンク色の本当に綺麗なシャンデリア。


 大広間へ通され、ソファーへと座らされた。


 私はドキドキしながらフェンを抱きしめて、キョロキョロと周りの様子を見ていた。


「主人よ、我が居るから大丈夫だ」


 バールナ公爵の皆さんは、フェンが喋った事にビックリしている。


「まあ、子犬ちゃんはお話が出来るのね、素敵だわ」


 バールナ夫人がニッコリと笑ってフェンに近付いた。


「うむ、子犬のように見えるが、まあ話が出来ることは良い事ではないか!」


 バールナ公爵もフェンに近付き。


「わあ! あの、もしかしてフェンって『フェンリル様』ですか? 触っても良いですか?」


 フェンは頷いている。


「お主なかなか良い目をしているではないか、特別に許可する!」


 フェンはバールナ公爵家の皆さんに『ドヤ顔』で返事をしている。


 ルリナを除いたバールナ公爵家の方々は優しい人達でした。

誤字がありましたら、すみません。


読んで下さって、ありがとうございます。


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