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歓迎会(Ⅲ)

更新です!誰かそろそろレビューとか感想とか何でもいいから反応してくれると嬉しいなぁ…ルールとかよくわからないけど、もしよかったらお願いします!明日も更新できるよう頑張ります!

僕は訓練場の前に立った。

少し薄暗い。

金属製の扉のせいでまだ中は見えないが、よく聞くと中から声が少し漏れていた。

何かを必死に叫んでいる。


「やめてくれ!オレは誰も食ってないじゃないか!なんでこんなところで殺されるんだ!オレだって人間なんだ!なぁ、たすけてくれよ…!会いたい人がいるんだ…。」


普通、人を食わずに耐えられる狼はあまり多くない。家族を持っても、一緒にいたらもし衝動が起こった時に真っ先に狙われるので最初はよくとも、

いずれパートナーを食べてしまうケースが多い。

ここにいる狼は大抵1人か2人食べた狼男だ。3人超えるとDランクになるのでここにいるのは全部Eランク。人間でいうと初犯だ。


しかし、この世界において狼男に初犯か前科持ちかは求めない。狼男は皆等しく根絶対象であるのに変わりはないのだ。


「人間に化けた狼。」


それが[赤頭巾]の見識である以上、奴らに人権はなく何を喚いたって聞き入れられはしない。


「いつも通りで頼むよ。」


「そっちもね。」


千堂と短い会話を交わす。僕と千堂のタッグは腐れ縁のせいで長いものでもう僕は千堂の動き、クセ、思考パターンまで完全に把握済みだった。


もちろん、今日の朝ごはんだって歯を磨いた時間だってBサイズから彼氏の数まで…

いや、そんなわけないだろ。真に受けるなよ…。やめろってまじで違うから。


「よし!中の準備(?)も整ったようだしそろそろ始めるぜ!!!あ、制限時間は30分だ、ぜ!!」


なんか足利中隊長が聞いたことない口調で喋っている。酒でも飲んだのかこの人は。もう6時だからいい時間だけど酔うの早くない?


「うおおおおおおお!!!」


周りから凄まじい歓声が巻き起こる。

新入生よりやる気に満ち溢れる隊員を眺めてモニターに映る足利中隊長は満足気にうなずくと


「ここにぃ!新入生歓迎会新入生実力試験(コロシアム)を開催する!!!」


それと同時に訓練場の扉はギギギと音を立てて内にゆっくりと開いた。

中は20m程の高さがあってうっそりと茂った熱帯雨林が広がっている。

周りはもちろん、脱走防止のためコンクリートでかためられており、狼が素手で脱走できるものではない。


僕たちが最初に入ったのは第1訓練場だ。第3訓練場までがフィールドで、今回はつながっていて自由に移動できる。

全部合わせるとかなりの広さになり、別の訓練場には鉄筋コンクリートの建物とかもあるらしい。

別ステージのようなものだ。


(絶対にここで、新入生実力試験(コロシアム)で勝って[幹部会議]に参加して[ロロ]の情報を得るんだ…!)


僕は決意を固めると勢いよく下に飛び降りた。20mの高さがあるが別に木に掴まればなんてことない。


辺りを見渡すと…

早速、生い茂る木々の隙間から15mほど先にコソコソしている狼男が見えた。

僕が向いている方向を千堂もしっかり見て何も言わず千堂が先に動く。


下に飛び降り、走りながら手持ちの投げナイフを背中に向かって投げつけた。


「ぐわぅあぅ!?」


狼男はその痛みに声を上げ、逃げる足を鈍らせる。

よろめいたところを僕が地面に着地して走る。狼の正面に回り込み、挟み撃ちの状況を作り上げると僕は鞘に手をかけた。


一瞬で刃の長い刀が鞘から飛び出し、

僕は大きく右足で踏み込む。

そのまま右手で半円を描いたその軌道は狼男の首を一発できり落とした。


「…ヴェ?」


狼男は何も分からず首を飛ばされたことにすら気づかない。

骨の隙間を通す刀の極意。これが僕が積み重ねてきた努力だ。


「―業火」


狼の体は同時に燃え盛る炎に包まれ黒く飲み込まれていった。


僕の刀は早すぎて斬る時物との摩擦により火花が飛び発火してしまうらしい。どういうわけか知らないが。


「やるじゃない。やっぱり戦場では頼りになるわね。」


拍手をしながら千堂が近づいてきた。


「まずは1体。あいつの逃げようとした方向が怪しいから向かってみよう。」


「そうね。お仲間がいるかもしれないし。」


僕たちはすぐにその方向へ走りだした。

後ろに手を伸ばしたまま燃える[赤頭巾]のフードを被った首無しの遺体を残しながら。


____________________


郡山たちが去ってしばらくたち火も消えた頃。


「おい、そっちはどうなってる…っては?」


先程、外で話していた二人の内の一人が、仲間が気になったので戻ってみたようだ。

見ると何故か真っ黒焦げになっているではないか。

灰の嫌な匂いが鼻を突く。


(は?おいおいなんだよこれは…!?やられたのか!?

狼化の衝動に負けたな馬鹿野郎…でもこいつ別に弱いやつではなかったぞ……まさか…そうか、これが[郡山]、なのか…?)


少し歩き回り、()()()が昇っている方向を見つけてじっとみつめる。


彼は仲間の遺体に手を合わせることなく隊員の姿をしたまま舌打ちすると再び森の闇に消えていった。





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