表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

イデア

「あの事件は全ておかしかった。」


どこかの場所のどこかの建物、どこかの部屋。

そこに2人いる。

椅子に座る男は、多田正弥である。

もう1人は立ったまま多田の言葉を聞く。


「警視庁の隠蔽?メディアの沈黙?国家の陰謀?、、、、、

そんなもんじゃない!」

多田は声を荒げる。

「思い出した?」

平戸はそう言う。

「この記憶は俺の身体の一部だ。」

「不可解な記憶に対しての君の見解か。」

多田はため息をつく。

「俺は御白は既に過去におきた事件に対しておかしな関わり方をしていた。

奴のまじないだよ。

しかし妙だった。

奴の両親は間違いなく里親だ。

そして、実の母は、一度も結婚なんかしてないかったんだ。」



比山は御白の前にいた。

「君は以前の君の本質を持っているか?」

彼女は、

「私は存在を変えられても唯一変わらないものがある。それは、私という特異点。つまり、、、」

比山は、やっぱりな、という表情で

「君は無性生殖、有性生殖、両方行う、超能力者だった。法則性をもった、、ね。」




「平戸、以前わけのわからない空間で、御白に対してこう言ったな。『両親はマザーコードを持っているから御白の同期を受けない』と。両親は育ての親だ。」

平戸は誤解していた。御白の特殊能力発動から興味を持ち観察を始めた。

それゆえ、地球という自分の内側の出来事でさえ、気付く事はできなかった

平戸は見落としていた。

木を見て、森を見ず。それどころか、その「何か」は、あまりにも巨大で、

どこからその「何か」なのかを判断することが厳しかった。

境界なき物体をどのようにして、認知するか。


「旧姓、山田玲奈。彼女の母は、山田幸。

ちなみに彼女は生涯独身だった。」


多田はそう言う。

「まさか。そうゆう事か?」

平戸は額から汗を垂らす。

「彼女の母と玲奈は遺伝子上、同一人物だ。

何代も続けてきたスパイラルを破壊され、その結果、受け継いでいくべき環境要因からくる情報を摂取できず、彼女の力はあらぬ方向へ向かった。」

多田は煙草を吸い始めた。

「思い出したよ。お前にも俺は一度会ったことがあるな。そうか、そうか、思い出した。俺はすべてを。」

多田は、窓からのぞく太陽を見つめた。

その明るさは一体どうして、人を照らすのか。ただそこに人がいるからだろうか。

しかし、その日差しはなにかを訴えているようにも見える。

「秋山孝太に殺される事は、山田幸の数値には記されていなかった。

いや、そもそも山田という存在の数字には、正常な増殖の妨害を受けない数値を有していた。

秋山孝太は、僕と同じ特異点ということか?」

もはや平戸は多田に話しかけていなかった。

自分の予想だにしていなかった事態に切迫していた。

「お前はだれだ?どこかであったことがある。大昔のように感じる。」

「僕たち5人よりも前の人間がいたということか?」

「お前は、フォースか・・?

フォースは、もうひとつの名が、、、」

平戸は大声を上げる。

「いい。いいんだ。それ以上は。そんなことより、御白玲奈は、スパイラルだったのか。」

「そうだ。平戸、お前なにか仕掛けるつもりだな。」

「ああ。」

平戸はそう言うと、携帯電話を取り出し、比山はに連絡を取る。

「彼女が分岐点だ。逆流を利用するには、彼女の頭に入ってから、彼女に出会うまで、君の力を使ってはいけない。」

ある程度まで、話をして通話を止める、平戸。

「比山も特異点なのか?能力もあるのか?」

「いや、比山は本物のバグだよ。君からの話で御白が僕たちが過去に作った、人間の模造品だった事はわかった。」

「模造品なのか。俺は知らない。」

平戸はどこか罪悪感のある表情で、空を見あえげ、

「君がさきにこの空間にいった後に僕たちが作ったものだ。

失敗していて駄目だった。人には似ているがあまりにも中身が異なりすぎていた。

一度、別空間の僕が彼女の脳をスキャニングしたとき、彼女自身進化していた。

自我は限りなく人のものに似ていたし、意欲や思考、イデオロギーは人のいきつく範囲のものまで、グレードダウンしていたんだよ。」

多田は、ただ黙って、話を聞いた。

そして溜息をついて、

「俺たちが好き勝手やるとこんな影響を及ぼすんだな。」


比山は、彼女を彼女の世界で見つけた。

「僕は知りたいだけだ。真実を。」

御白は、

「知りたいの?存在が消えても?」

2人は夕暮れの麦畑にいた。

「世界って何?私の世界?

そう結論はすでにでているでしょ?」

「ああ。どの世界に重きを置くか。ただそれだけだ。

でもその考えから抜け出せなきゃ、視点は変わらない。

視点を変えれば世界は変わるが、視点を変えられなければ、世界はいつまでもかわらない。」

比山はその沈黙した世界を歩いていく。

「なんとかなるさ。」

そう空を見つめつぶやく。

「、、、、あっ、」

比山は、自分の感覚が半分乗っ取られていることに気がついた。

しかしそれは身体の感覚が薄らいでいくだけであった。

不思議と意識は冴えていった。

比山は自覚した。

「俺はもうこの世界でも生きていけると思い始めている。」



「われわれの意識の行きつく先は、どこか。ずっと考えてきました。」

1人の少年が学校の教室内で生徒、教師、保護者に向かって、ある発言をしている。

その少年以外は全員椅子に座っている。

少年が教壇に立っていた。

「私たちは人類としてなにかしなければいけなかった。私たちは、生命のリレーを途切れさせてはいけなかった。私たちは、文化を守れなければならなかった。

つまり、それは、ある時点で我々が信念を通り越した、1つの構築世界を守ることです。

我々は、固定観念という世界をつくるきっかけを持っています。

世界はある時は平面でした。今は、地球を外から見て、球状の物体として取り扱っています。

私たちは、まだ内面の世界を受け入れられずにおります。

しかし、それは決してすべてということではありません。少なからず内面世界は我々の生きる外と内

両方を揺るがしているのです。

観念は物体からきているのでしょうか?逆に物体は観念からきているのでしょうか?

平戸才、比山征吾と言われた存在は、観念と物体、理性と感情、理想と現実、といった様に二項対立の関係を主張していました。二つは一見、対立の関係に見えるようで、実際は、両者依存という関係にあるのだと2人は主張しました。

私はファーストとして、この世界を見つめております。

みなさんにとって、一瞬は、永遠であり、

永遠は一瞬なのでしょう。それこそが思い出の中に生きることなのですから。

しかし、あなた方は、私を世界から追い出すでしょう。そして、2人の存在も忘れようと努力するでしょう。

人は、対概念を必要とするでしょう。

あなた方はいくら現実という妄想に生きると主張しても、観念世界からは抜け出せません。

そして、生命の進化の過程であなた方が生まれ、そして、その進化の結果得たものは、知恵以上のものでした。

それこそ、イデア論とでもいいましょうか、いえあれは、主題化されたものですから正確性に欠けます。私たちは、神の信仰を可能にしました。それこそ、私たちが世界の内在化を可能にした。証拠です。私たちは、一体どこで事象を見つめているのでしょうか。わかりません。

わからないといって投げ出せばいんです。

それを投げ出したのは、日常の無意識だけだからです。あなた自身の無意識は、常に見つめ、対象を認識できるように思考しています。

もう二度と介入はしないでしょう。それではみなさん、さようなら。」


ここは、一体どこなのか。日本というところにいて、私が私自身をおそらくこの土地に立っていると思うからこそ、私は、存在している。

比山征吾は、御白玲奈の世界で完結していた。

平戸才は、そうなるであろうと予想していた。そして、その事は、内と外の隔たりを破壊することも知っていた。そして、世界は、ひとつになった。

しかし世界はまたしても流動を始めていった。

平戸の本当の目的は、概念の世界、つまりイデア界を見出すことだった。

しかし、結果的には、世界を一つにしたところで、見えぬ力で、またしても乖離が始まったのだった。

比山と御白は対照的関係性で繋がっていた。

魂の想起を引き起こす二人は、イデア界でいう、男女の概念そのものだった。


「つまり、学習が記憶を呼び起こすと?」

「ああ。」

「だから、学習をしない者が無知になることに説明がつくと?」

「ああ。」

「ファースト。じゃあ俺たちは、何者だ。どうして、唐突にここに存在している?」

「物ごころを想起するまでは、みな皆無だ。」


世界はまたしても二つの世界に境界線を引いて存在している。

そこには、乖離したからこその世界があり、それゆえの有限がある。

しかしだからこそ、人は、存在している。


平戸は再び、地上で目を覚ます。

比山も御白もこの世界では存在しない。

2人が統合された存在がここにはいる。


「ここは、どこだ」


誰とも知れない人がそう言った。




また繰り返す。








これで、この話は終わります。最後の教室にいた少年の「さようなら」は、この駄文の世界にいる住人に対して、読み手のセリフとして考えました。

様々な諸概念が錯綜するのは、人が知恵を得てから今まで続いてきましたが、こうして、情報技術が発達した今は、もはや、1つの目に見えない世界があるのではないかと思い、それを文字にしました。しかし、抽象的で曖昧で、稚拙なものになってしまいましたが、それでも目を通してくれた人には、感謝しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ