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冗談

”ちんかわむけぞう”は片膝をついて屈むと、

息絶えた男の頭部に

サブマシンガンの銃口を当てた


他の者にそれをやらせたことはない....


まだ息があったり、死んで間もない人間を

処理するのは、常に自分の仕事だった



ズダンッ!



マサノブの頭部が破壊され、

まだ新鮮フレッシュな血が地面に流れ出る。

ゾンビウイルスに感染した後に

死亡した場合でも、

その人物は人型ゾンビになってしまうのだ。


脳を破壊することだけが唯一の解決法だった



「あのー、すいませーん、

 私たち降伏したいんですけどー」



ふいに、若い女性の声がした


橋の中央に密集しているバラック小屋から

出てきたのは、濡れたTシャツ一枚に

その下に着ている競泳水着が透けている

2人の少女だった



「おーい、君達に降伏したいんだが、

 私の船を上流に走らせて構わないかね?

 そちらのモーターボートのほうへ

 移動するぞー」



川の下流のほうを見ると、

一隻の漁船のような船と

ブリッジの横のドアから身を乗り出して

大声を放つ男だった



ちんかわむけぞうは白装束たちに言った



「十文字さんが、直接応対した例の来訪者だ。

 そして、この目つきの悪い

 凶悪犯罪者のような少年もその一員だろう。

 とりあえず、橋の生存者達と共に

 速やかにここを引き上げようか」



ステンガンの丸パクリのような

サブマシンガンで武装した白装束たちは、

一斉にうなずいたのだった



//////////////////////////////////////////////////



結局、「つぎはぎ丸」に、

橋の上の住民の生存者6人とヨッシー一行5人、

そして見張りの白装束とちんかわむけぞうの

計13人が乗り込んだ


「つぎはぎ丸」の前には、

先導のモーターボートに5人の白装束たちが

乗っている


むけぞうを運んできた飛行船は、

動力の大型ドローンがAIを搭載しており、

自力で「リバーサイド同盟」の地へと

帰還していった



キララとトシ坊と、リナとリサとスミレと、

船を操作するジジイ以外は、

全員がロープで縛られていた


船のブリッジの操舵室内には

ジジイとちんかわむけぞうが居て、

他の者は、船首の部分に固まって

座り込んでいた


そして、ヨッシーは相変わらず

悪態をついていた


サブマシンガンを構えて

こちらを見張るガチムチ白装束に言った



「なあ、筋骨隆々のあんた、ロープをきつく

 縛り過ぎてて痛いぜ!

 言ったろ?俺は事前にそちらに

 アポを取った者だ、あの橋での事件は

 正当防衛だぜ。

 せめて、ロープを緩めてくれよ」



ガチムチ白装束は無視している


ヨッシーはさらに悪態をつき続けた



「正論が通じないなら、こいつはどうだ?


 後で俺がこっそりと、

 あんたのチン〇をフェ〇してやっからよ。

 

 AV顔負けの”バキューム”で

 あんたのチン〇を根本からもぎ取るくらいに

 吸い込んでやるから、

 少しロープを緩めてくれよ」



リナとリサとスミレが、ヨッシーのほうを

妙な表情で見ている。

白装束は、ヘルメットにゴーグルに

フェイスマスクで、その表情は全く分からない

 

結局、ヨッシーは諦めて他の連中を眺めた


ヨッシー一行の反対側の船縁では、

橋の上の住民が固まって座り込んでいた。

男と山姥が、相変わらずこちらを睨んでくるが、

ヨッシーの眼中にはなかった


やはり、目に付くのは、あの少女だ...


あれほどの事をやらかしたにも関わらず、

少女はロープで縛られることなく

船首の中央付近に座り込んでじっとしていた。

小さな男の子が、彼女の側に寄り添っている。


そして、白装束たちが彼女に対して

遠慮がちだった理由が分かった...


最初は汚れているだけだと思っていたが、

よく見ると、肌が露出している部分に

所々、”アザ”があったのだ



(さっきの騒動で出来たものじゃないな、

 古いものや新しいものが所々にある...


 この娘は、 明らかに、

 恒常的に暴力を振るわれていたんだ

 

 あの、槍で刺された奴が

 やっていたのだろうな...)



ヨッシーは再び、目の前の連中を

皆殺しにしたくなった。

当然、2人の子供たちを除く....



「なあ、俺がバキュームフ〇ラをしたら

 あの連中を川に突き落としてくれるか?

 もちろん、2人以外のことを言ってる。

 ついでに、マシンガンをぶっ放してくれたら

 俺のケツの〇も捧げるぜ」



白装束は相変わらず無視を決め込んでいた


と、船のブリッジからむけぞうが出てきた。

そして言った



「ヨッシー君のロープを解いてあげるんだ。

 そう、この目つきの悪い少年だ」



ガチムチ白装束が、言われたとおりに

ヨッシーを解放した


ちんかわむけぞうは、

ゴーグルとフェイスマスクを取っていて、

人の良さそうな若いお兄さんといった表情は

にこやかだった


ヨッシーは呆然としていたが、ブリッジ付近の

むけぞうのほうを向いた。

フロントガラス越しに、ジジイがこちらを

見ている

 


「あ、ありがとうございます...

 ちなみに、バキュームの件は冗談でした。

 ナシということで....」



あたふたとするヨッシー、


早速、ヤスが突っかかってきた



「おいっ、こいつは、大量殺人者なんやで!

 なんでロープを解くねん。

 さらに、俺達は被害者やのに、

 なんでこんな扱いをされなあかんのや?

 お前ら、警察か自衛隊ちゃうんけ、

 どないなっとんねん」



むけぞうは、にこやかな表情のまま、肩に

下げていたステンガンの丸パクリのような

サブマシンガンを手に取った


そして、ずかずかと、座り込むヤスのほうへ

歩いていった



「なんで俺達が、

 警察とか自衛隊だとか思うんだ?

 

 俺達は、日本国の公務員じゃない、

 かつて存在していた法律に縛られて

 行動してるわけじゃないぜ、

 言わば、単なる私兵みたいなもんだ。


 お前らを生かすも殺すも俺の気分次第だ」



そして、おもむろにサブマシンガンの銃口を

ヤスの額に突き付けた。

ロープにグルグル巻きにされながら、

ヤスは泣きそうな顔でむけぞうを見上げていた


むけぞうの顔から笑顔が消えていた


そして、なんのためらいもなく

引き金を引くであろう兵士の顔があった



「俺達は、救う価値のある人間だけを救いたい

 

 お前ら、他所から来たモンだな?

 あの橋の周囲の集落には、

 地元のお年寄り達が居たはずだ


 なぜ、お前たちしか居ない?」



結局、山姥をはじめ、女たちが口々に

自分達の悪行を白状しはじめたのだった 





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