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勘違いしないと決心した俺は、それでも勘違いしてるらしい  作者: 陽瑞
第一章:親友のラブコメを羨むのはおかしいだろうか?
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4つの可能性

俺は家に帰った後、先程のキスについて考えていた。


「昨日みたいに勘違いしないでね」


おそらく、この言葉が重要になってくるのだろう。

この言葉を考慮し、考え抜いた結果、4つの可能性に至った。


① 朝日奈が俺のことを好きでキスをした。


②朝日奈は実はツンデレだった。


③朝日奈はキス魔だった。


④何らかの事情があり、キスをせざるを得なかった。


ここで重要になってくるのが、「昨日みたいに勘違いしないでね」という言葉だ。

だから、朝日奈がこの言葉をどういう意味で言ったのか考えてみる。


①は、昨日の朝日奈からの「付き合ってください」というのを、交際して下さいって意味なのに、買い物に付き合って、という意味だと勘違いしてるよってことだな。


②は、ツンデレキャラの定番セリフ、「勘違いしないでよね」だな。つまり、②の場合、朝日奈が言いたかったことは「昨日の後輩の時みたいに、私があなたのことを好きだと勘違いしないでね」だな。


③、④も、②と同じく、後輩の時ーー告白されるかもつまり俺に好意を抱いているかもと勘違いした時のように、私が好意を抱いているかもと勘違いするなよってことだな。


こう考えてみると、②はないな。

かれこれ長い年数、一緒にいるが、ツンな朝日奈なんて見たことないからな。


③もあり得ないだろう。

今まで、朝日奈がキスするところを見たことないし、今まで他に人がいる状況では、するのを抑えていたというのも考えにくい。

なぜなら、下校する時は、大抵、朝日奈と2人きりだがキスをされたことはないからだ。

それなのに、今回は我慢できずキスをしてしまったと考えるのはあまりにも無理がある。


残るは①と④だが、やはり、朝日奈が俺に好意を抱いているとは思えない。

しかし、④もしっくりこないのも事実。

いや、待て! ④がしっくりこないのは何らかの事情という曖昧な言葉で表しているからなのでは?

つまり、何らかの事情というのを詳しく考えてみる必要があるということだ。


キスをしなくてはいけなくなる事情か、……まさか、罰ゲーム?

罰ゲームで「男子にキスすること」ってなったのでは?

朝日奈、そういう状況になると弱いからな。

そうなったら、朝日奈がキスをする対象に選ぶのは、俺か晴翔のどちらかだろう。

俺ら以外の男子だと、「朝日奈さんは俺のことを好きなのでは?」と勘違いされる恐れがあるからな。

しかし、今日の一件で、晴翔には彼女がいることを知った。その上、その彼女は親友の中務だった。

もし、晴翔にキスをしたのが、中務にバレたら、たとえ理由があるとはいえ、仲が悪くなるかもしれない。

そもそも、彼女持ちの男子にキスをするというリスクしかない行動を朝日奈がするとは思えない。

そうなると、必然的にキスする対象が俺になる。

だから、俺にキスをした。

しかし、別に俺に対して好意を抱いているわけではないので、「昨日みたいに勘違いしないでね」と言った。


やはり、最近の俺は冴えている。

こうして考えて見ると④で正解な気がしてきた。

いや、実際に正解なのだろう。

先程まで、しっくりこなかったのが、今ではしっくりくる。

そして、この場合、朝日奈が俺に求めるのは2つだ。


⑴朝日奈は俺のことが好きではないということの理解。


⑵キスについて、吹聴するのはよくないが、「朝日奈からキスされた?」と聞かれたら「された」と答えることだ。


⑴は当然だな。少し前の俺なら勘違いしていただろう。しかし、今の俺は大丈夫。朝日奈が俺に好意を抱いていないことは理解できている。

⑵は、罰ゲームでキスをしているのだから、俺が「されてない」と言ったら、朝日奈はもう1回キスをする羽目になりかねない。 それは可哀想だからな。

聞かれたら、「キスされた」と答えなくては。


よし、今日起こった一件の結論を出そう。


結論:朝日奈は、罰ゲームと晴翔の恋愛状況により、俺にキスをせざるを得ない状況だったため、キスをした。

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