夢を見た(鰻を食べに行ったのだが)
夢を見た。
友達と3人で鰻を食べに行ったのである。
その店内、かなり混んでいたので私たちはひとつのテーブルに座れず、私は知らないおじさんと相席。残る二人は私の背後のちっちゃなテーブルに着いた。
頼んだのは三人ともうな重の「竹」。私たちはお金を沢山持っていないくせに何故かカッコつけて「梅」は頼まないのである。しかし、根本的にお金に不自由しているので「松」は言語道断だ。
さて、肝心のうな重だが、待てど暮らせどやってこない。
さすがに人気店は厨房も大変なのだろう。「注文を受けてから捌きます」という謳い文句もメニューに書かれていたので、そのせいもあるのかもしれない(いや、実際はそうやって時間がかかる事のアリバイ工作をしているだけやもしれん)。
暫くすると友達の方にうな重が提供された。さぁ次は私のところか…
…あれ?
私のところにやってこないぞ。おっかしいなぁ。。
お腹と背中がぺったんこになろうとしているところにもってきて、頼んだ品がやってこないとなると短気を起こしてしまいそうになる。友達もその辺りを慮ってか「一口あげようか?」などと言ってきた。「いや、大丈夫。もうすぐ来るだろうから君たちは先に食べてて構わんよ」上から目線で虚勢を張る。お腹すいたー。
見れば、隣のおじさんのとこにもまだ注文品が来てないようだ。
「ここ、中々来るの遅いですね」
そう話しかけた私に、
「そうね、今朝から待ってるんだけど、ちょっと遅いねぇ」
と驚愕の回答が返ってきた。
なぬー!?
それじゃ、私が待ってる時間なんて、このおじさんに比べたらまだまだヒヨッコではないか!(ちと、例え方がヘンだな)とにかく我慢だ。来るまで我慢だ。
テーブルに置かれたお茶を何杯かお替りしたころに漸くお待ちかねのうな重がやってきた。
蓋を開ける。
え?
タレがかかっていません。白焼きがご飯にのっかってるだけですけど?
いやまて、ここはそういう芸風なのかもしれん。きっと口にすれば味わい深いものがあるのかもしれん。「通」ぶるには質問は御法度だ。このままいこう。ともあれ山椒だ、山椒を振りかけねば。
私はテーブルの脇に鎮座している山椒の入っている小鉢を引き寄せ蓋を開いた。
え?
(白いね)
見た感じ白コショウ。マジでこれ、山椒なのか?
いやいや、質問をするは野暮ってもんだ。とにかくこいつを振りかければいいんだな。よしわかった。
<ぱっぱっぱ!>
…いよいよ真っ白な絵になってきましたこのうな重。よく見りゃ付け合わせのお新香も大根の浅漬けだけだし、肝吸いに入ってる肝も普段より白い気がする。全体が白系ですね。
不安が空腹を超えて目が覚めた。