表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢幻への再臨  作者: 柴光
59/66

55 砂上〜マザードラゴン〜

転生者、24歳、女

前世の死因、事故死

 




 私達機械化部隊は今太陽の光りがさんさんと降り注ぐ北西砂漠のド真ん中にいる。


「クソ暑いんだけど…」


 機械兵の中は適温に保たれてるはずなんだけど暑い、暑すぎる。


『仕方ないっすよ、はよ掘り出して帰りましょうぜ』


 一緒に砂いじりしている機械兵のパイロットに独り言を聞かれていたようで通信が入った。


「さっさと終わらすしかないよね」


 こんな所で何してるかって?長年探し求めていたモノがこの砂ん中に埋まってんのが見つかったんだってさ。

 だから私達第二機械化部隊の10機が建機コンストラクションマシンナリーのアームを改良したショベルで穿り返してるんだけど。


『部隊長!またセンサーに反応有り、右舷から来ます!』

「任された!」


 さっきから10メーター近い巨大トカゲの『砂竜サハラリザード』が邪魔をしてくる。

 コイツ等は砂の中から急に現れたり潜ったりするから厄介なんだよね…でもコッチには生物の熱源を探知するセンサーが付いてるからこの通り…ザシュッ、と近付いて二本の剣でザンって斬って終わりよ。


『流石っす部隊長!それにしてもその機体やっぱカッコいいっすね』

「でしょ?んふふ」


 そう、私の乗ってる機体は皆が乗ってるエキュレイユやバルディエル型と違って、試作で造ったは良いけど戦場に出ることがなかった当時最新鋭の機械兵の一機『クラレント』なんだよね。

 白を基調としたカラーに取り回しが効く二本の実剣と腕部エネルギーガン、極東からデータを入手してお試しで装備されたビームシールドにピーキー過ぎる出力のスラスターと浪漫溢れる代物なんだよコレ。

 持って帰ってきてくれたお爺さんには感謝しなきゃね。


「自分専用機なんて…あぁ~夢みたい」


 レバーとパネルを撫で回しながらしみじみ思う。


『感傷に浸ってる所申し訳ないですが…』

「ん゛、ん゛ん…分かってるって。コッチも観測出来てるよ」


 また来た…いや、この反応は違う…砂竜より大きい反応、コレは。

 砂煙を舞い上げて地中から姿を現したのは砂竜の倍はあるれっきとしたドラゴンの形を持つ『大地竜マザードラゴン』だ。


『デカい…』

「私のクラレント(14メーター)よりデカい」

『一旦作業をストップしますか?』

「いや、そのまま続けてて。私一人でやる」

『しかし』「問題ないよ」


 翼を広げて空から見下ろしている大地竜に私はペダルを踏み込んで飛び掛かった。


「私だって飛べるんだからね」


 持ってきた時は飛べなかったみたいだけど、ウチには優秀な整備士達がいるもんでね、こうやって空を自由に飛べるのさ。


「久々の大物、さぁ勝負!」


 大地竜は近く私目掛けてブレスを放ち、私は刀身にアンチマジックコーティングが施された剣を前方に構えて受け止めながら更に近付き、ブレスが止まって今度はコッチの番。

 クロスしていた剣をそのまま胴体に押し当てて斬り裂いた。


「硬い…けど!」


 お腹の表面に付いた✕印、滲み出る血を見て確かな手応えを感じてそのまま連撃に移った。

 大地竜も負けじと爪撃で応戦してくるけど、刀身とビームシールドで受け止めながら更に斬り込む。


「が…」

「え?」

「機械如きに我が!!」

「アナタ喋れるんだ」

「ふざけるなよ小娘が!」


 喋れる竜がいるなんて当たり前なんだけど、少し動揺して動きが鈍くなった所に砂嵐『サーブルノイズ』を貰っちゃった…んだけどこの子はビクともしなかった。


「生身ならミンチだったね」


 砂嵐の中、センサーを頼りに大地竜へ突撃して喉元へ剣先を突き立てスラスターを吹かすのを止める。


「ゴボッ……よ、く、も…」


 大量に流れ落ちる血、最後の台詞を吐いて砂山に墜ちた大地竜。


「勝った…勝ったよ皆っ!!」

『流石部隊長っす!!』

『ひやひやしましたよ!』


 私はふふんっと、鼻高々に笑ってみせる。

 …

 ……

 ………

 翌日の夕暮れ時、幾度か砂竜の奇襲にあったけどようやくお目当てのモノが発掘された。


『やりましたね』

「やったね!これで帰れる」

『最初に言う事がソレっすか?もっとこう別の感想とかないんすか?』

「早くお風呂入りたい」

『部隊長らしいですね』

『全くっすよ。これは男のロマンっすよ!?』

「はいはい、とりま動くか確かめないと」

『了解です』


 目の前にあるのは超巨大な戦車…戦車ってよりも艦に近い代物でキャタピラで走行する『陸上戦艦ウォンバット』って言うみたい。

 ロマンだってのは分かるけど、汗だくは私は早く帰りたいんだよね。

 機体から降りて戦車の中に入ると真っ暗だけど意外にもヒンヤリしてて心地が良い。

 火魔法で照らしながら進んで行くと、操縦室へ辿り着いた。

 五席しかない、少数で動かすみたい。


「部隊長、起動します」

「お願いね」


 三人の隊員がカチカチと弄くり廻していると、各部が明るくなって全面に取り付けられたモニターが外の様子を映しだした。


「動きました!」

「やっぱアーティファクトって感じだね。何千年も前の代物なのに動くなんて」

「えぇ、前世では考えられなかったですね」

「そうだよねぇ。じゃあこのまま持って帰ろう」

「「了解です」」


 二機を護衛に付かせて残りは後部の格納庫へ、いざ参ろう、私の求めるお風呂場へ。


「来るのに二日かかったから…この速度だと………いつになる事やら…」


 キュルキュルと無限軌道が音を立てて砂漠を進み始めた。





『サハラリザード』

討伐レベルB

体力B 攻撃力B 速力B(砂上ではA寄り)

 全長九メーター、トカゲの姿で砂竜とも呼ばれるが竜種ではなくリザード種。

 火炎放射と噛みつきを得意とする。


『マザードラゴン』

討伐レベルA

体力A 攻撃力A 速力B

 全長18メーター、大地竜とも呼ばれる砂色の西竜型、上級種。

 土魔法を得意とし、近接戦も強靭な爪と尾でこなしてみせる。


『X-0-pt2 クラレント』

 遺跡から掻っ払ってきたプロトタイプ機械兵の一機。

 全長14メーター、量産を視野に入れていない為、性能を盛りに盛ったが使われる事なく何百年も眠っていた。

 持って帰ってきた当初は地上戦用のバックパックが装着されていたが、パイロットの希望で他機のフライトユニットを付けて貰った。

 武装は柄部分が覆われていて刀身にAMCが施さた二本のバックソードと右腕部エネルギーガン、極東の機体を参考にして造られたビームシールドとなる。

 また、装甲表面にもAMCが塗布されている。


『Lk-P2000.1 陸上戦艦ウォンバット』

 全長105メーター、最高時速55km、当時(文明が滅びた大戦よりも前の戦争)の北西の帝国が開発した無限軌道式陸上戦艦。

 大国同士が争っていた頃に陸海空全領域を制する目的で建造されたが、完成したのが戦争終結末期だった為に日の目を見る事はなく、新たに交わされた条約によって地中深くに埋められ破棄された。

 敵国を欺く為に可愛らしい名前を冠している。

 後部には八機程の機械兵が入る格納庫を有し

 、上部には飛行甲板が設けられてるので数機乗れる。

 武装は主砲二連装荷電粒子砲、二連装エネルギー砲×2、単装砲×6、対空ミサイルとなり、装甲は前方避弾経始に加えて全面が特殊複合装甲となっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ