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夢幻への再臨  作者: 柴光
36/55

35 日記〜イセカイ〜

転移者、22歳、男

前世の死因、事故死


日記風に打ち込んだ為、読みづらいと思いますがご了承下さい。


 




1日目

  死んだと思ったらまさか異世界に転移してもらえるなんて夢にも思わなかった

森の中に送られて焦ったし.右も左も分からない状況からいきなりノッカーっていうゴブリンみたいな奴と遭遇するし、剣道やってなかったらそこで詰んでたかも知れない

夕暮れ近くに街に到着してようやく一息つく事が出来たので日記を書こうと思いたち今に至る

書きたい事はまだまだあるけどまとめられないし眠くなってきたしでまた明日にする



2日目

  異世界料理を期待していたが昨日の夕めしも今日の昼めしも見覚えあるものばかり、案の定味も想像通り.流石に米はなかったけど転生者が多い証拠なんだろう

こっちの料理が食べたいと思い、その辺をぶらついてみたけど安いパンですら柔らかく仕上がっていた

質の違いはあれど露店の串焼きですら美味かった

電気じゃないと思うけど灯りは付くし宿には風呂も水洗風のトイレだってある、あっちと何ら変わらない日常が送れてしまうじゃないか

この気持ちはガッカリなのか、それとも喜ばしいのか複雑な気持ちを抱いた



3日目

  今日は冒険者ギルドに立ち寄り登録を済ませてきた

異世界いうたらコレだろって事で、ランクEからのスタートだってよ

女神様のお陰で見慣れない文字で書かれた依頼書も読めるしなんなら書く事も出来る.言葉も通じるし本当有り難い

んで街道のモンスター退治の依頼を受けた

『トランカータ』って歩く肉食植物の討伐依頼なんだけど、斬りつけた際に消化液が剣に付着して錆びてしまう為に誰もやりたがらないんだって

俺の持ってる剣ならその心配はなかったし、トランカータ自体も弱くて助かった

冒険者の始まりにしては上出来だ

にしても受付してくれた女の人可愛かったな

職場じゃおばさんしか居なかったし.心臓が痛かった

 …

 …

 …



7日目

  こっちの生活にも馴染んできた

モンスター討伐や素材採取をこなして毎日が忙しなく過ぎていくけど不思議と疲労が溜まらない.むしろ活気付いてる

今日だってホワイトファング三匹退治してきてその時は疲れていたのに今はもう高揚感に満ちている

でも犬好きの俺からしたらやるせなかったけど

後は受付嬢と仲良くなれた気がする.いつも笑顔で見送りしてくれるし、帰ってきたらおかえりなさい言ってくれるしでホント可愛い



8日目

  毎日の日課となったギルドへの顔出しでも今日はサプライズを受けた

仲間が出来たんだ.同い年位の二人組みの男、拳闘士と魔法使いが声を掛けてきてくれたんだ

俺はもう嬉しくてたまらなかった

受付のお姉さんは渋い顔してたように感じたけど二人の事苦手なのかな

今はその二人と遠征中.はぐれ『ウルク』の討伐で森の中で一夜を明かす事となっている

人間より一回りデカいらしいが二人は「Dランクなんで安心しな」だってよ

野営もキャンプみたいで楽しいんだけど明日には見つけて帰りたい.安心して眠りたい



9日目

  置いて行かれた アイツ等逃げやがった

ウルクに勝てないと分かると俺を囮にして逃げたんだ

俺も死ぬ思いで逃げ出して見つけた横穴で息を潜めてるけど膿みたいな臭いが充満してるし動物みたいな骨も転がってる

多分奴の住処かもしれない

ここに逃げ込んだのが間違いだったかもしれない

でも帰り道も分からない状況でここを出てドコに行けば良いかなんて分からない分からないわからない 思考が 考えられなくなってきてる

だって足音が聞こえてくんだ ココからは入口が見えないけど 多分いる奴がいる

剣も道中で落としてしまって武器もない こんな事ならマホウの練習をしとけば良かった

音が近付いてくる ダレかにコレを読んでほしい だれでもいい 頼む


  記入を終えた日記をポーチに入れて奥へ投げると同時に奴は俺の前に現れて腕と頭を掴まれた。

なんて腕力なんだ…振りほどけない、痛い…


「ギィヤァァーッ!!う、腕…俺の腕が…」


  ブチブチと音を立てた腕が引きちぎられ、頭にもミシミシと爪を立てた指が食い込んでくる…血なのか脳汁なのか頬を伝って流れて…くる…潰され…る……ブシャァァッ…





「貴方方二人はライセンスの剥奪及びギルドへの立ち入りを禁止します。理由は分かりますね?」

「俺達が何をしたってんだよ!」

「アイツの事か!?アイツは自分から敵を引き付けて俺達を逃してくれたんだよ!」

「……これ、あの人が書いてた日記です。ウルクを討伐してくれた方が持ってきてくれたんですよ…遺品だってね。これに貴方達の事も書かれています。囮にされたって」

「知らねーよ!テキトー書いてんだろソレ!」

「良いのか?俺達はギルドに随分貢献したはずだぜ?」

「ギルドマスターからの命です。殺されないだけ有り難いと思いなさい」

「わ、分かった…出てきゃ良いんだろ。行くぞ」

「あ、あぁ」


「…この日記も埋めてあげないと。また送り人が逝っちゃった…何も出来ずにごめんなさい」





『トランカータ』

討伐レベルE

体力E 攻撃力E 速力E

  全長ニメーター、自律移動するウツボカズラ。

 肉食植物である彼等は人間も捕食対処となるが、人間には待ち伏せているのがモロバレなのでまず捕まる事はない。


『ウルク=ハザック』

討伐レベルB〜C

体力B 攻撃力B 速力C

  全長三メーター、二足で歩き武器を持つ豚顔の魔物。

 ハザックはウルクの上位種である為、ステータスは一段高くなっている。

 今回はぐれウルクとして報告が上がっていたのは見た目がなんら変わらない(多少大きい)ハザックであった。










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