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夢幻への再臨  作者: 柴光
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02 機械竜〜クロックドラゴン〜

転生者、15歳、男

前世の死因、病死

 




 女神からこの世界へと転生させられて早15年、もう女神の名前も思い出せないが感謝している。

与えて貰った力、そして何と言ってもこの。


「ロボット!!」


 この世界には魔物もロボットもいる。

そして僕の前にそびえ立つ黒鉄の二足歩行型ロボット、名はバルディエル。

 領主の息子として産まれた僕は、家に代々伝わる古の遺物アーティファクトと言われる元居た世界より技術が発展していた遥か昔の産物がある。

 星そのものを破壊する勢いで戦争が激化して一度文明が滅んだのだとか。

 だが、今も尚あちこちにその遺物が残されており、このMMAS(Mass Mechanical Assault Soldier)もそのうちの一つだ。


「今日も宜しく頼むよ」


 コクピットに乗り込んだ僕はバルディエルに一言呟いた。

 バルディエルを引き継いだ僕の一日の日課として、操縦の練習がてら領地の見廻りを行う。

 ライフルを手に、雲一つない晴天の下をペダルを踏み込み飛翔していると、山頂に霞がかる鉱山の方で巨大な影が飛んでいるのが目についた。


「なんだあれ…行ってみようか」


 更に加速してどんどんと影へと迫って行くと、その姿が顕になる。


「ドラゴン…なんでこんな所に」


 鑑定の結果もドラゴンで間違いないのだが、人工的に造られた機械仕掛けのドラゴン。


『クロックドラゴン 討伐レベル?』


「クロックドラゴン?あれもアーティファクトなの?いや、考えてる暇もないか」


 コチラを視認した機械竜は口を大きく開けると、銃口が現れて青白い光線が放たれた。

 多分バルディエルの持つライフルと同じ聖鉱石を媒体としたエネルギー砲だろうが威力が桁違いに高そうだ。

 初手の砲撃はギリギリでかわしたものの、肩部分が少し溶解している。


「掠めただけで…直撃だけは避けなければ」


 手にしたエネルギーライフルを構え、機械竜へ照準を合わせて引き金を引く。

 一発目は上へとかわされ、二発目は旋回して避けられて頭部へ反撃の一撃を食らう。


「カメラが!何も映らない…見えない!アイツは何処に」


 真っ暗になるモニター、焦る気持ち、メインウェポンのボタンを連打している右親指。

 ライフルの掃射音がコクピット内に響きわたるだけで機械竜の声は聞こえない。


「何処にいるんだぁっ!!」


 そして爆発音と共に強い衝撃を受けた。

この衝撃、実物を見たこともないがミサイルだと確信した。

 鳴り響く警告アラート、破壊されて半開きになったハッチから覗かせる機械竜へサブウェポンである胸部バルカンを弾切れになるまで撃ち尽くし、何事もなかったかのように口部を開きエネルギー砲が僕達を貫いた。


「アインヘルーッ!!」


 聞き覚えのある声が何処からか耳に入るも、物凄い眠気に襲われた僕は誘われるがまま深い深い眠りへと。


 父様、母様、スミマセン…先に逝かせてもらいます。



 機械竜はその後、増援に駆け付けた別の機械兵によって撃墜されていた。

 銀色の機体が持つエモノ、対機刀による一刀両断で幕を閉じた。

 何故ここに現れたのか不明であったが、各地で目撃情報は出ていたという。

 同型なのか、それともまた別の機体なのかは謎のまま。





『FAD-4-c クロックドラゴン改』

討伐レベルA

体力B 攻撃力A 速力A

全長12メーター、ドラゴンに対抗するべく大昔に造られた翼と後脚をもつ機械仕掛けのドラゴン。

 聖鉱石と呼ばれる半永久の動力源を持ち、AI搭載型でパイロットを必要とせずフルオートで行動出来る。

 武装は口部エネルギー収束砲一門、各部内臓型マイクロミサイル、脚部ヒートクロー


『MMAS-010K バルディエル』

アーティファクトと呼ばれる古代の遺物の一つ。

全高10メーター、二足歩行型の機械兵であり、大気圏内でも飛行を可能とするフライトユニットが背部に装備され、メインにエネルギーライフル、サブに胸部バルカン二門が主武装として備わっており、この機体も聖鉱石で動いている(推進剤は空気を取り込み圧縮している)。

 また、今の技術力では再現出来ない合金を使用している大太刀をメインに扱うパイロットもいるとの話。

 速度重視の為、同型のバルカンを弾く程度の装甲になっている。

 因みに、型式のMMASは Mass Mechanical Assault Soldier 量産型強襲機械兵の略。





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