03 小鬼〜ノッカー〜
転移者、16歳、女
前世の死因、事故死
「貴女に女神の加護を。良き人生を願っております」
女神リヴトートによって私は新たな世界へと降り立った。
木々が生い茂る森の一本道、こんな所より街の近くにでも飛ばしてくれればと思う。
「ま、歩きながら考えますか」
まずは授かった能力の復唱。
三英雄のカードと言っていた力はそれぞれ、魔法、剣、知恵だったはず。
魔法は炎、水(氷)、風、土、光、闇に召喚魔法のなかで適性のある魔法が使えて更に強力になるとか。
剣はこの両刃の…ロングソードって言うのかな、さほど重くなくて何か少し輝いている。
「決して折れないって、ホントかなぁ」
そして知恵はこの世界の言葉と文字が習得済みで、鑑定ってスキルも使えるんだって。
一から習うのって面倒くさいからありがたいよね。
「後はこの小袋か。何が入ってるんだろ」
紐を解いて中を見てみると、紫色が渦巻く空間になっていた。
漫画に出てくる物が無限に入るアレだ。
ならば食料が入っるのかな、少し怖いけど手を入れてまさぐってみる。
「お金?金貨ってやつかな」
中身は十枚の金貨のみで、食べ物や飲み物なんて入ってなかった。
せめて水筒くらいは欲しかったよ。
「ん〜、仕方ないか。歩いてれば人里に着くっしょ」
歩き始めて一時間は経つはずだけど、未だに森を抜けていない。
そろそろ喉が乾いてきたと思っていた時。
「お嬢さん一人なのか?」
木陰で休んでいた三人の男の人が話しかけてきた。
「はい、初めてこの辺りに来たんですが街はまだ先ですか?」
人当たりの良さそうな人達だったので、訪ねてみることにした。
「いやぁ、まだまだ歩かないと見えて来ないぜ。どうだ?一緒に行くか?」
少し心細かった私にとっては有り難い提案だ。
二つ返事でお願いしますと伝え、四人で舗装もされていない道を歩み始める。
何気ない会話が続き、笑いも起きていたのに。
「中に出しやがったな!汚ったねぇな」
「スマンスマン。ご無沙汰だったんでついな」
こっちに川があるから休もうと付いて行っただけなのに。
必死に抵抗したんだけど、二人に押さえつけられたら女の私じゃ振りほどくなんて無理に決まってる。
泣きじゃくる私の目前にはさっきまで気さくに話していた男達の満面の笑みがあった。
「お願い…します…もう、許して…」
「いやいや、まだ楽しもうじゃんか」
二人目が覆い被さって来た時、他の男達が叫んだ。
「おい!ノッカーだ」
「あ?あんな雑魚、殺ってこいよ」
「群れで来やがってんだよ!早く逃げるぞ」
「お、おい、待ってくれ」
ノッカー?何それ?
男達は横たわる私を置いてさっさと消えてしまった。
代わりにやって来たのが緑色の子供達。
いや、子供の身長だけど武装もしているし人の言葉を喋ってないからモンスターなんだろうけど。
「助け…て」
口に出したのがそれだった。
まぁ、助けてくれるわけもなく、悪臭漂うモンスター達に犯され始める。
もう全部が嫌になり、ここへ転移させた女神の事すらも憎んだ。
「全てを…燃やし…て。私の…命も」
自身の胸に手を当てながら願う。この世界を灰に変える魔法を。
辺り一面が黒く焼け焦げ、ノッカーも女も何も残っていない光景を見たのは、しばらくして様子を見に戻ってきた三人の男達だった。
『ノッカー』
討伐レベルE
体力E 攻撃力E 速力E
子供くらいの大きさ。
人間の武器や、黒石で出来た脆いが切れ味は良い自作のナイフなどを装備している。
弱いが性欲は強く、他の種族だろうとメスならすぐに飛び掛かる。




