18 赤竜〜レッドドラゴン〜
転移者、72歳、男
前世の死因、事故死
「まったく、人使いが荒いのぉ」
「そりゃあ爺さんもだぜ!なんだってこんな辺鄙な所に用なんてあんだよ」
「なんでも古の機械があるんじゃとかでそれを持って帰ってきてくれってことじゃ」
「はん!あんなポンコツに頼るとはな」
「まぁそう言うでない」
「だがよ、俺達が出払ってるせいで寝床が堕ちたって言うじゃねーか」
「…リーダーも嘆いておったわい。ワシ等がおればまた違ったかも知れんの」
「そうならなかったかも知んねーし…爺さんが悔やむ事はねぇよ」
ワシと『レッドドラゴン』のエリュテイアはある所に向かっている最中。
口は悪いがワシには勿体ない良い娘なんじゃよ…本当にその場におれば皆を失わずに済んだやもしれんし、エリュの言う通りやもしれん…こればかりはどうなるか分からんが、今は与えられた任務をこなす事に専念しようぞ。
「あれじゃねーか?」
「んー、今どの辺を飛んどるんじゃ?」
「おいおい、しっかりしてくれよ。さっき見た地図だとあそこに間違えねーよ」
「そうかそうか、ならそこに降りてくれんかの。エリュの背中は乗り心地は良いんじゃが、老体にはちと堪えるわ」
「はいよ。しっかり掴まってろよ」
風になびかれ、揺れに揺れてようやく地に脚が付いた…腰が…と、言っとる場合じゃないの。
目的地である元軍事基地の離島に降り立ったワシ等は、任されておる機械兵の回収へ着手することにした。
「爺さん、気を付けろよ。海から気配がするぜ」
「ほほっ、頼んじゃぞエリュや」
「後で美味い飯食わせろよ」
「分かっておるわい」
海面に向けてエリュの赤いブレスが火を噴き、中に潜んでいた『スキュラ』が顔を出して来よった。
べっぴんさんに犬の頭がぎょうさん混じりあっておる悍ましい魔物じゃ…長い髪で胸が見え隠れしとるのがまた…
「さっさと逃げれば良かったものの!雑魚め!」
そんな事を考えておる内に勝負あったようじゃ、炎によって焼かれてみるみる灰になっていく。
水の魔物は炎に耐性があるとはいえ、上級種の赤竜による炎魔法は耐性うんぬんじゃどうも出来ぬらしい。
「よぉやってくれたの」
「ざっとこんなもんよ」
「大した奴じゃ。じゃあ行くとするかの」
広大な敷地に広がる格納庫群、殆どが空っぽじゃったが幾つか目に目的の機械兵を見つけた。
「爺さん!こっちにもあったぜ!なんか色が違うのもあるぜ!」
「あい分かった。まずこっちのを仕舞わんと」
こんなもん操縦なんて出来やせんので別の方法で運ぶ。その為にワシを遣わせたんじゃろう。
「ワシの名の元に顕現せよ 静なる空に響くシンフォニエッタ 舞い降りろ異空の支配者『エトランゼ』」
エトランゼ、無限の胃袋を持つ召喚獣。そう、此奴に吸い込ませて運ぶのじゃ。
「ココにあるやつとあっちのを仕舞ってくれんのかの。任せたぞ」
「ゴオォォォッ」
これで一段落、ワシ等の仕事も終わりじゃ。どこに帰れば良いのか連絡してみると、別地方のアジトで再集結するというのでそっちへ向かう事となった。
「おい、そろそろ飯にしよーぜ」
「ゴォ」
「テメェはダメだ!全部食っちまうじゃねーか」
「ゴォ…」
「お前さんの分も用意するから安心せえ」
「ゴォ!」
「ったく!甘ぇんだから」
『レッドドラゴン』
召喚獣
体力A 攻撃力S 速力A
全長12メーター、真紅の鱗を持つ上級種の西竜。
高い火力と防御、スピードとオールラウンダータイプのドラゴンで、気性が荒く好戦的なのがたまに傷。
『エトランゼ』
召喚獣
体力S 攻撃力A 速力E
全長30メーター、大口を持ち、何でも吸い込んで亜空間の胃袋へ収納する召喚獣。
歩くとむちゃくちゃ遅いが、飛行能力を有している(でも遅い)。
『スキュラ』
討伐レベルA
体力B 攻撃力A 速力A
長髪美人の下半身に蛇状の犬の頭部が複数纏わりついている水中の魔物。
多種多様な攻撃魔法を操って獲物を追い込む。




