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夢幻への再臨  作者: 柴光
17/50

17 宵闇竜〜シュヴァルツドラゴン〜

転生者、19歳、女

前世の死因、病死

 




 竜の背に乗って目的地へ向かい飛翔している中、通信魔導具に連絡が入った。


「私達の艦が墜ちたって聞いたわよ。…ええ、今し方……分かったわ、取り敢えずこっちを片付けてからね…また後で」

「大丈夫?」

「えぇ、平気よ。行きましょうノワ」


 平気…なんて嘘を言ってしまった。

あそこには苦楽を共にした仲間達が居たのに…まさか沈んでしまうなんて。

 撃沈される前に私達に連絡を入れてくれたのに、何も出来なかった…なんでリーダーも不在の時に、悔みきれない。

 駆け付けてくれた仲間によれば生存者は皆無だとか…この世界、狂い過ぎている。


「戻ろうか?」


 私のパートナー、召喚獣『シュヴァルツドラゴン』のノワルヴァーデは察してくれる無口だけど優しい自慢のパートナー。


「ノワは優しいわね。本当に大丈夫だから」

「…分かった」


 程なくして私達の目的地、極東の島国にある遺跡に到着した。

 来る途中に上空から見た街に人の気配がなく、報告通り無人の島国みたい…懐かしい感じがする分、寂しさが溢れてくる。


「中へ入りましょう。ノワは人化して付いてきて」

「分かった」


 上級種の竜は人語を話したり人化出来、人の状態でも強いときてるから恐れ入りますよ。

 召喚士である私は素で弱いからいつも助かってるんだけど。


「来る」

「何で鬼がいるの?」

「多分、住処になってる」

「可哀想だけどノワ、お願いね」


 中に入って早速二匹の鬼『前鬼、後鬼』の襲撃に遭うも、ノワの闇魔法で呆気なく終わった。

 こっちが侵入者だから可哀想な事をした気がしないでもない…いや、奥に用があるんだから仕方なし。

 その後も五匹の『鉄鬼』が行く手を阻んできたけど、ノワが即座に対象してそんな時間も掛からずに目的の扉へと辿り着く。


「流石リーダーね。お目当ての者をした見つけたわ」


『ズイホウ級強襲揚陸艦』、反重量装置を搭載したお陰で空を飛べる艦…見つけたよ…でも、乗せる仲間なんて居ないじゃない…

 私がもっと早く行動していれば、助かった命もあったかもしれない。私が…と、今くよくよしてても始まらない。


「早くこれを持ってって合流しないと」


 搭乗しようと出入口を探していると、ノワがいきなり後方に向けて魔法を放った。


「どうしたの!?」

「効いてない」

「え?あれ動いてるの?」

「下がって」


 魔法を浴びたようだけど、止まる事なく歩みを進める鎧武者姿のモノ『ビシャジャ』…人ではない機械人形だ。


「ノワ、これを。多分魔法反射装甲が施されてると思うわ」

「ん、借りてく」


 女神の剣をノワに渡し、戦闘の行く末を見守ろうとしてたのに、一瞬だった…駆け出したノワに、機械人形も手にした極東刀を構えて間合いに入った瞬間、斬り下ろしたのを見破って最小限の動きで避けつつ斬り抜いた。


「勝負有り」


 膝を付き崩れ落ちるように倒れる機械人形。


「流石私のノワね。ありがとう」

「どう致しまして」

「もう居ないかしら?」

「ん、気配は感じない」

「じゃあ行きましょうか」


 私達は艦へと乗り込み、手渡されたメモを見ながらブリッジでエンジン始動のチェックを行って無事動く事が分かったので、前方のシャッターを主砲?で破り飛び去った。


「主…ぶつけてた」

「分かってるわよ!運転なんて久しぶりだし!ましてこんなデカいのなんて怖くて堪らないわ!……生きて帰れますように」

「…安全に」


 操舵を握る手は既に汗まみれ…なんで誰も付いて来てくれなかったのかしら…





『シュヴァルツドラゴン』

召喚獣

体力SS 攻撃力S 速力S

 全長16メーター、漆黒の鱗を持つ西竜。

宵闇竜とも呼ばれているが、ノワルヴァーデ一体しか存在しない為、固有名詞となる。

闇魔法に長けており、攻撃、防御と隙がない。


『前鬼、後鬼』

討伐レベルB

体力B 攻撃力B 速力B

 夫婦とされる二体の鬼、極東に住む人間を脅かしていた。

 前鬼は大斧を携えた赤い鬼、後鬼は水魔法を操る青い鬼。


『鉄鬼』

討伐レベルC

体力B 攻撃力C 速力C

 前鬼後鬼の子供達と思われる。

一般的な鬼より一回り小さいが、体は鉄に近い硬さを有する。


『AS-52 毘舎闍』

討伐レベルS

体力S 攻撃力S 速力A

 全長1.9メーター、自律行動型機械人形。

兜鎧を模した装甲はアンチマジックコーティングが施され魔法には絶対的防御力を誇る

 背部にスラスターも備え付けられている為機動性も高かったが、大型の機体と違って推進剤の補充を必要とする。

 極東刀と脇差以外にも腕部に小口径銃を装着しているが、現状弾切れとなっていて使われる事がなかった。

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