表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢幻への再臨  作者: 柴光
10/55

10 階層主〜ダンジョン2〜

転移者、26歳、男

前世の死因、他殺

 




 異世界へ転移してからどのくらい経つだろう、俺達五人のパーティはBランクになってからニ年半は過ぎた。

 そろそろAランクを目指そうと、ランクアップするのに手っ取り早いダンジョンへ挑んでいた。


「ようやくここまで来ましたね」


 パーティのリーダーである補助魔法(光)使いが笑みを浮かべた。

 第ニ十階層まで広がるこのダンジョンの中間、第十階層はボス部屋となっていて『メガロックドラゴン』と呼ばれる四足歩行型の岩のような鱗で覆われたドラゴンを倒さなければならない。

 Bランクに上がりたての頃に一度戦っているものの、惨敗を喫して命からがら逃げ帰っている。


「あの時のリベンジと行こうぜ」


 俺の言葉に皆はおーっ!と意気込みを見せた。




「ウチ等は強くなり過ぎた」

「ハハッ、確かに」


 シーフのお調子者に同感する俺。

二年半前は、あれだけ苦戦を強いられたのに今では殆ど無傷で倒す事が出来たのだ。

 補助魔法使いの攻撃力上昇魔法の援護、タンク役がヘイトを買い、シーフの素早さによる撹乱と俺達剣士二人の攻撃で致命傷を与え、トドメに最大火力の氷(水)魔法を撃ち込んで勝負がついた。

 俺も転移特典で魔法を使えるけど、魔力量がさほど多くないのでトドメやここぞという時の一撃にしか使わない。


「少し休んでから降りましょうか」


 巨岩竜が落としたドロップ品、サファイアの逆鱗に目を晦ませながら休憩を挟む。

 第十一階層は至る所に罠が張られ侵入者を拒むエリアとなっているけど、先行するシーフのお陰で難なく突破する事に成功した。


「いやー、優秀なシーフが居てくれたから結構楽に抜けれたけど、普通ならこうも行かないだろうな」

「そうだろそうだろ。もっと褒めてくれて構わんよ」


 これがなければ素直に褒めているものの。

 続く第十二は『ロワフリーゲ』というどデカい蝿の群れを相手にし、十三階層では人型のスライム『ダンジョンゲル』が出現して体力をかなり奪われてしまう。

 なんたって数はいるわ剣や打撃は効かないわで、最終的にこの階層は補助魔法使いが放つ光りの矢『ライトヴェロス』によって切り抜ける事が出来た。

 第十四階層は空も飛んでないし剣で斬れる『ミノタウロス』だったもんで、上では活躍出来なかった俺達は意気揚々と突っ込んでいった。


「流石に疲れた」

「んだ。お腹も空いたよぉ」


 剣士とタンクに他の皆も同意し、下る前に安全地帯で暫しの安息を。


「次は階層主か、クレーテだっけ?」

「そうですね。ミノタウロスの数倍は強いとされています」

「俺達で勝てるのかな?」

「今の私達ならば余裕でしょう」


 俺の問いかけに答えたリーダーの言葉は勇ましく、少しの不安を覚えていた俺を奮い立たせてくれた。

 ヨシっと、気合いを入れてボスが待ち受ける第十五階層へと足を踏み入れる。


「デカい…が、所詮はミノタウロスだ」

「迂闊に近付いてはいけません! 作戦通り、左右に展開してください」

「「りょーかい!」」


 階層主『クレーテ』、赤黒く、鎧と二本の大斧を持つミノタウロスより一回り大きい亜種だ。

 俺と剣士の二人は左右に、タンクとシーフは中央に構え、補助魔法を掛けて貰うと同時に斬り込んでいった。

 シーフによる上からの攻撃、俺達剣士による脚を狙ったサイドからの攻撃は完璧に見えた。

 そう、見えただけ…シーフ目掛けて刃の斬撃波が飛んで行くと、モロに直撃を受けたシーフは見るも無惨に真っ二つにされ、俺と同時に斬りかかった剣士も斧で剣もろとも左半身を持っていかれていた。

 俺の刃は通った…通りはしたが薄皮一枚斬っただけ、補助魔法で強化されていたにも関わらずだ。


「早く避けなさい!!」


 リーダーの声に振り向く間もなく、振り降ろされた斬撃は俺の命を容易く奪っていく。



 階層主を倒さないと進む事も戻る事も出来ないダンジョンの性質により、残されたタンクとリーダーは諦める事なく挑んだのだが、ドラゴンブレスも弾くと自称する固さを誇るタンクはクレーテの連撃によって潰され、リーダーは光魔法で応戦するも、右眼を持っていくだけで一撃の斬撃を食らい……パーティは壊滅した。


 死んだ者は装備共々ダンジョンに吸収され、新たな魔物を産み出す養分となるが、女神から授かった剣だけは吸収されずに残されていると聞く。





『メガロックドラゴン』

討伐レベルB

体力A 攻撃力B 速力D

 全高五メーター、全長十メーターの四足歩行型のドラゴン。

 岩のような硬い鱗で覆われており、並の攻撃じゃビクともしないが、動きが遅く、繰り出す攻撃も上級冒険者なら防げる程の威力しかない為、根性があれば勝てる相手である。

サファイアで出来た逆鱗をドロップする。


『ロワフリーゲ』

討伐レベルC

体力D 攻撃力C 速力A

 全長四メーターの蝿王。

速いだけの大きな蝿だが、如何せん飛んでいるのと、数が多いので苦戦はする。

ドロップ品は闇石。


『ダンジョンゲル』

討伐レベルB

体力B 攻撃力C 速力B

 人型の紫色のスライム。

打撃、斬撃は効かず、魔法による対処しか出来ない。

 魔法の伝導率が良い為に何かと重宝される核をドロップする。


『ミノタウロス』

討伐レベルB

体力B 攻撃力B 速力B

全長三メーターはあろう人型の牛。

 ダンジョン産の大剣、斧、棍棒を装備しており、その武器を無くすと自慢の角で突進をかましてくる。

ドロップはそのツノ。


『クレーテ』

討伐レベルA

体力A 攻撃力A 速力B

 全長五メーターはあるミノタウロスを統べるバケモノ。

 ミノタウロス同様、ダンジョン産の斧を使用するが、斬れ味はその比ではなく、上半身には超硬合金で出来た鎧を身に着けている。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ