川島の心当たり
この作品は、フィクションです。作品に登場する人物名・団体名・その他名称などは架空であり、実在する人物・団体・その他名称などとは一切関係ありません。
「エジマさん!なんか持ってきた。」
スカルノが走ってくる。
「カントクが、なんか持ってきた!」
次いで見えてきた川島を見て、絵島はぎょっとした。しばらく戻ってこないから、様子を見に行こうとしていた矢先のことだった。
「捕まえてしまった。」
時折、逃げ出そうともがいている灰色の何かを見て、それを虫でも捕まえてきたように掴んで見せてくる川島を見て、絵島は、こいつは完全に変わった奴だ、という評価を川島に下した。
「どうするんだ、それ。」
と聞くと、川島は明るく、
「あてがあるんだ。乗せて行ってもらえないか。これでは運転できないから。」
「そんな産廃、運んだことはないが。マニフェストはいるのか?」
「口約束だけど、大丈夫。委託契約がなくても、大丈夫な処分場だから。絵島さんも知っているところだ。きっと、たぶん。」
「俺の知っているところ?まあいい。後ろに乗ってくれ。助手席はイヤだ。」
分かったよ、と川島はスカルノを見て、
「留守番を頼めるかな。ここではもう、悪いことは起きない。」
「わかったよ、カントク。」
外国映画でよく見る、パトカーに容疑者を押し込んで乗せるような形で、灰色と共に、後部座席に乗り込むと、運転席の絵島に、行先を告げた。
少し驚いた後、何か納得した様子で、絵島はアクセルを踏んだ。




