14、エピローグ
「セイフィード様、あっと言う間に20年経ってしまいましたね」
「本当だな。早いな」
もう、私が魔界に来て、セイフィード様と結婚して、20年もの月日が経つ。
流石に魔界暮らしも板に付き、毎日平穏で楽しく、少し⋯⋯、いやかなり煩い毎日を過ごしている。
実はこの20年の間に、子供が6人産まれている。
そして今7人目も妊娠中で、この子も、もうすぐ産まれる。
私はその20年間をぼんやりと思い出しながら、優雅なカウチに寝そべり、セイフィード様とのんびり過ごしている。
セイフィード様は子供達から送られてきた手紙を何回も読み返ししている。
私達の子供、16歳の長男、14歳の長女、11歳の次女、8歳の三女は人間界のセイフィード様のご実家であるネヴィリス伯爵家にいる。
私達の子供達は6歳を過ぎると人間界に行き、宮廷学校に通い出す。
だから5歳の次男と、3歳の四女は魔界にいて城内を走り回っている。
魔界にいる子供達にとって、ストラス3号と、テリア様は、良き遊び相手でもあり先生でもある。
そういえば、私が初めて妊娠、出産した時は、とても大変だった。
特に出産時には、私ではなくセイフィード様が倒れそうになっていたし。
けれど一人目が産まれ、二人目を妊娠したあたりからセイフィード様もようやく落ち着いてきて、今ではもう立派なパパだ。
ただ、子供達に甘過ぎるけどね⋯⋯。
子供達も心配だけど、セイフィード様のご両親も元気かな。
セイフィード様のお父様は、長男が人間界に住み始めた時、魔法長官の職を辞し、今ではすっかり孫溺愛のお爺ちゃんになっている。
また、セイフィード様のお母様も、私が開発した魔力を寄せ付けない魔法道具と、マーリン師が開発した薬で今はもう日常生活を送れている。
だから、セイフィード様のお母様にも孫の面倒をお願いしている。
どうやら、かなり教育熱心なお婆ちゃんらしい。
長女が、お婆ちゃんのマナーが厳し過ぎて大変だと、良く手紙に書いてある。
ゾフィー兄様は、つい最近のメデオ日に会ったけど、大臣になっていてビックリした。
セイフィード様は、「ゾフィーは人たらしだから、大臣に向く」と言っていたけどその通りかもしれない。
甘いセリフで皆を惑わし、巧みに政治を行なっているに違いない。
そうそう、シャーロットはいつも美味しい茶葉をメデオ日に届けてくれる。
シャーロットは第二王子と結婚し、今や公爵夫人だ。
そして3人の男の子のお母様。
シャーロット的には、可愛い女の子を産んで、母娘で優雅にお茶を飲むのが夢だったみたいだけど⋯⋯。
皆、それぞれ、幸せに暮らしている。
けれど、1番の幸せ者は、やっぱり私だと思う。
だって、いくつになってもカッコ良くて、強くて、素敵で、優しいセイフィード様と毎日一緒にいられる。
それに今でも、毎日のようにセイフィード様は私に愛を囁いてくれる。
まぁ、そのおかげで沢山の子供に恵まれる事が出来たわけだけど⋯⋯。
「どうした、アンナ。ニヤついて」
「なんか、幸せだなって思ったら、つい顔がニヤけてしまいました」
「そうか。でもこの子もまた6歳になったらお別れか⋯⋯」
セイフィード様は私の大きなお腹を、愛おしそうに撫でる。
「そうなったら、二人きりの時間をいっぱい楽しみましょう」
「アンナはどこまでも楽天的だな。アンナの頭の中はいつもお花畑なんだろうな⋯⋯」
「ええ、そうですよ。いつも私の頭の中では、セイフィード様と私が手を繋ぎながら、お花畑の中を、スキップしているんです」
「俺もか」
「そうです。いつも一緒です。それも幸せそうに笑顔でスキップしています」
「そうか⋯⋯、そうだな」
「セイフィード様も幸せだなって思う時、ありますか?」
「ああ。アンナといると、いつも俺は幸せを感じる」
セイフィード様はそう言うと、目を瞑り、私のお腹に耳を当てる。
そしてお腹の中の赤ちゃんの鼓動を、幸せそうな表情をして、セイフィード様はいつまでも聞いていた。
ーーENDーー
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
感謝、感謝です。
拙い文章なので、皆様にきちんと伝わっているか不安になりながら執筆していました。
今更ながら、アンナとセイフィードの婚約部分をもう少しドラマテックに書けたらいいのに、とか、戦闘シーンをもっと丁寧に描きたかったけど、これ書いたら恋愛小説じゃなくなるかも、とか、色々と悶々としながら執筆していました。
けれど、無事完結できて良かったです。
また感想・評価を頂けると、とても嬉しいです。




