守護天使
「おい、聞いとるのかい」
その一言で現実に引き戻された。
目の前には顔を覗き込む主の顔があった。
「………」
「どうしたい、何とか言ってみたらどうだい」
「土の加護、初級、土壁、土の加護、中級、石人形」
「……ふぇふぇふぇふぇ、記憶は返してあげても、魔力封印は残しているからね。無駄なことはおやめ」
「……土の加護、初級、土人形」
そう唱えた時、主との間に土人形が出現した。
「ふぇ!?」
主が変な声をあげると、いつの間にか戻っていた執事のようなイルムが迫ってきていた。
すると、土人形が出現した勢いのままに、イルムに向かって蹴りだした。
顎に蹴りが入り、イルムは膝から落ちていった。
「なんで、魔力が…」
最後まで言わせないとばかりに、土人形は主の顔面を蹴り上げた。
ほぼほぼ一瞬の出来事だった。
勝ち誇ったように腕を振り上げ、倒れている主を踏みつけてガッツポーズからポージングを続けている土人形。
何を見ているんだろう、というのが率直な感想。
「あ、えーと、ツッチーなのか?」
すると、こちらにノーリアクションで飛びついてきた。
その勢いは、どこぞの調査兵団並みに機動性がよかった。
顔面にとりつくと軽く、いやそこそこ重い往復ビンタをされた。
くらくらとすると同時になにかクリアになった気がした。
そうして、ツッチーと思える土人形がなにかお祈りをするような仕草をすると、倒れている二人の先に光の柱が輝いた。
そこまで土人形が飛び出すと、こっちにこいとばかりに手招きをする、
迷いなくついていく。
「にがさないわよ、清貴」
飛び越えようとした主から手が伸び、足首をつかまれる。
勢いがあったため、顔面から床に落ちる。
土人形が割って入るように飛び掛かるが、反対の腕で払いのけられる。
「邪魔よ、天使ごときが!」
「ツッチー!」
「なによ、清貴!まだ私を認めないの?!」
「…え、マコなのか?」
「そうよ、ようやく干渉できたのよ。天使が気絶させたおかげでね!」
主の顔でマコの口調に大きな違和感を感じるが、その言葉に納得せざるを得なかった。
ツッチー復活ですね。
次回は12月25日以降になります。




