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ハーレムは目指さない!~異世界探訪記  作者: ウルカムイ
第四章 王都セラビーの憂鬱
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ふたりの逃避行

いつも読んでいただきありがとうございます。

 朝になった。

 とはいっても、暗いところだからほぼほぼ腹時計で起きただけだけど。

 それからジーノさんを起こす。

「おお、すまん。ぐっすり眠れたよ」

「またイビキがすごかったですよ」

「響いたかな?」

「それで襲われてないんですから。それで、どうします?すぐにいきますか?」

「そうだなぁ…。とりあえず腹ごしらえか」

「そうですね」

 たき火の残り火で干し肉をあぶって、少し柔らかくして食べる。

「とりあえず、正面から行ってみようか」

「それしかないですよね」

 腹ごしらえを終えると、壁を崩してねぐらを出る。

 寝床とかは、後でも使えるように全部を崩さずにとりあえず残しておく。


 そういえば、ジーノさんは当たり前のようにふるまってくれているけど、そもそもどうなんだろうね。

 魔法のこととか、国に追われている環境とか。

 ジーノさんが見放そうとすれば、すぐにでもできるというのに。

 いろいろ悩んでも、頼れるのは、いまはジーノさんしかいないのだから、なるようにしかならないんだ。

 水路からの階段を上っていき、ウィンストン家をうかがう。

 人の気配はない。

 塀伝いに正面に回っていき、扉の前に立つ。

 ドアノッカーをたたき、しばらく待つと扉が開いた。


「当家に何か用でございますか」

 現れた男は少し年が行っているようだった。


 フランコ 54

  HP320/MP95

  適正 物理 水/火

  スキル 魔法・水 交渉 統率

   STR 280

   DEX 99

   INT 220

   LUK 45

   ATK 180

   DEF 115

   MPR 235


 ウィンストン家では執事でも水魔法が使えるのか。

 そりゃまあ、水魔法の家だものな。

 水魔法ができる人を独占しようとするよね。


「こちらに、アメリア・ウィンストンが在宅と伺った。実はこっち…、こちらのセーキがアメリア嬢と知己であり、王都に立ち寄ったときには訪問するように申し渡されていたので、訪ねた次第。在宅ならば、面会を望むものである」

「そうでしたか。しかし、当家当主となりますアメリア様は不在でございます。またのお越しを願います」

「ふむ。それでは、言伝をお願いしよう。3日後昼頃、あらためてお伺いすると。よろしくお願いする」

「承りましたが、いつ戻られるかわかりませぬ故、ご足労おかけすることがあります。またのお触れをお願いします」

「そうですか、それではまたお伺いするとしましょう。それでは失礼」

 ジーノさんが振り返ると、自分の目を見てついてこいという風に目配せした。

 そのあとを付いていくと、後ろからバタンという音が聞こえた。


 門の外に出て左に折れると、ジーノさんが話しかけてきた。

「セーキ。しばらくアメリア嬢は戻ってこないな」

「そうなんですか?それは困りましたね」

「それとな、彼女。ほんとうの貴族になっているぞ」

「どういうことですか?」

「当家当主のアメリア様といっていたからな。父親が死んだあとを引き継いだのだろう」

「女性でも貴族になれるんですか?」

「この国は、男の継承者がいなければなれるが、婚姻したらその相手に引き継がれる」

「そこはあくまでも男性優先なんですね」

「そうだな。でだ、気が付いているか?」

「なんですか?」

「ついてくる奴らがいる」

「え?」

「ばか、振り向くな」

「すみません」

「気配としては、2、いや3人だな」

「走りますか?」

「いや、その左に曲がったところに水路の入り口があるはずだ。入ったら、そのままふさいじゃえ」

「はい、わかりました。でも、入口があるってよくわかりますね」

「屋敷と水路の配置を考えればな、たしかそのあたりに口が開いていたはずだ。よし、行くぞ」

 角を曲がった瞬間に走り出すと、言われた通りの入口があった。

 階段を下ると、すぐさま加護を使って入口をふさいだ。


「よし、一応はまけたな。急いで、あのねぐらに戻ろう」

「はい」

 いくつかの角を曲がると、昨夜過ごしたあの行き止まりにたどり着いた。

 そして、入り口をふさぎ隠れる。

「まさか、こんな近くに隠れているとは思わないだろう」

「そうですね。でも、こうなったら自由には動き回れませんね」

「そうだな」

「でも、あのつけてきた人たちって、王立商業組合の人たちなんですか?」

「………おそらくはな」

「あきらめてくれるといいんですけどね」

「そうだな。さて、とりあえずはだ、あと3日は隠れなきゃいけないわけだが、食料が尽きた。買い込んでくるが、隠れていられるか?」

「はい、もちろんです。でも、危なくないですか?」

「まあ、お前さんよりはいろいろこなしているからな、大丈夫だ」

「気をつけてください」

「ああ。戻ったら合言葉をいうからな。例のあれで行くぞ」

「あれって『ポレチプタヴォリッシメヴォルソンテ ボンキュボ』ですか?」

「お。それか…まあでもいいか。でだ、お前さんが『ルーナは?』と聞くんだぞ。そうしたら、俺は『俺の嫁だ』というからな」

「やっぱり嫁さんにしようと狙っているんですか?」

「やかましいわ!……まあ、いつかはな」

 赤くなるなよ、おっさん。


 ジーノさんが出かけて行って、3時間ほどたっただろうか。

 ずいぶんすることがなかったので、部屋というかねぐらの中をきれいにしたりベッドの寝心地を楽にしてみたり、ブリーフケースの中身を整理したりしていた。

 それから、ふと気になってツッチーを取り出してみた。

 じーっと見つめてみた。

 ふと気になった。

 もう一度加護を使ったら、もしかしたら復活するんじゃないだろうか。

 まじまじと見つめてみた。


「土の加護、初級…」

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