表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回帰した貴公子はやり直し人生で勇者に覚醒する  作者: 真義あさひ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/43

27

翌朝、テオドールが目を覚ますと目の前にピンクのカエル、いやウパルパのピアディがいた。


「起きたのか。兄よ」


「ピアディ殿!? ど、どうして私の部屋に君がいるんだ?」


いつの間に部屋に忍び込んだのか?


「どうしたもこうしたもないのだー! そなたたちの手先がケイの部屋を襲撃したのだぞ、われもケイも怖くて一睡もできなかった!」


「し、襲撃だと!? ……母上の配下か!」


(お話だけしてすぐ帰っていったけど! ここは少し話を盛って兄の危機感を煽るのだ)


「お陰でわれ寝不足! まだ幼くいたいけなウパルパから甘美な眠りを奪うとは許し難しー!」


普段のベビーピンク色のボディを真っ赤に染めて、ピアディが怒っている。


テオドールは泡を食って、自分付きの侍従を呼ぶ間も惜しみ、慌てて寝巻きから服を着替えた。


「何ということだ。ケイは無事なのか?」


「無事だけど、睡眠不足で具合が悪そうなのだ。お母上に任せてわれは抗議しに来たのだ」


「教えてくれて助かった。私は母を問い正しに行く。お前はケイの元に戻ってくれ」


「ノー! われも連れて行けなのだ!」


ぴょんっと驚きの跳躍力で、ピアディはテオドールの上着にしがみついた。

そのまま、よじよじとサイドのポケットの中にインした。

顔だけ出して自慢げにテオドールを見上げてくる。


「………………お前、なぜ私のポケットに?」


「兄よ。われは話に聞くそなたの母がどのような人物か、この目と耳で確認したいのだ。母に会いに行くならわれも連れていくのだ」


「……いいだろう。だが母上はカエルがお嫌いだ。姿を見せぬように」


「カエルじゃないもん。ウパルパだもん!」


「……はいはい」




先触れを出す時間も惜しかった。


母セオドラの部屋を訪ねると、まだ早い時刻だが母は起きて、いつも通り銀の髪を結い上げ、美しく身だしなみを整えた後だった。


前置きもなく、テオドールは本題を切り出した。


「母上、ケイの部屋にそちらの侍女を向かわせたそうですね。もうやめてください。ケイに酷いことをするのは……」


「あら、何のことかしら?」


扇で口元を隠しながら、セオドラはしらばっくれていふ。


「ケイは、私の弟です。あの子に意地悪をするのは……」


「黙りなさい!」


セオドラの叫びが部屋に響いた。

テオドールは身を竦めた。


「妾の子ごときに絆されるとはね。見損なったわ、テオドール」


セオドラの赤い瞳は狂気と憎悪にギラギラと輝いている。


「ああ、だめ、だめ、もう耐えられない……あの女も、あの女の息子も……消えろ、消えろ、消えてしまえ……!」


(母上……どうして……)


美しく結い上げた頭を振り乱す母を目の当たりにして、テオドールは胸が痛んだ。


(前の人生でも、同じ光景を見た……)


(母上が嫉妬と憎悪に囚われ、狂気に堕ちていく姿を……)


「母上。教えてください。あなたがポーラ様やケイを憎む理由を。そこまで強い恨みには理由があるはずです」


「理由? そんなの」


セオドラの赤い瞳が暗く澱んだ。


「ポーラ。あの女さえいなければ、わたくしはユヴェルナート様に愛された!」


狂気に満ちた声が、部屋中に響いた。

セオドラは本気でそう思っているのだ。


(母上と父上は、王命による政略結婚だと聞いている。父上の愛は……ポーラ様にしかない)


テオドールは母の狂気を、恐怖と悲しみを持って見つめていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ