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第六話
第六話
「ただいまー」
シンと静まりかえった家の中からは、なんの気配も感じさせなかった。
「誰も帰ってないのかな?」
そう思いながら自分の部屋・・・二階へと歩みを進める。
やはり、我が家のなかでも違和感を感じる。
部屋の前に着くと、ドアノブを握りゆっくりとまわした。
俺の眼下に広がっていたのはいつもと変わらない自分の部屋。
電気のついていない。暗い。
「なんだよ。期待して損したじゃねえかよ」
俺はため息をつきながらベッドに腰掛けた。
夜の闇が俺の心を騒ぎ立たせ、何かをしていないと落ち着かない。
「あ。時計の時間をなおさないと・・・」
「あれっ?時計が・・・」
一瞬、自分がおかしくなったのかと思った。
部屋が暗いからか?
時計が赤く見えた気がした。
気のせい・・・
―パチッ
「あんた、こんな暗い部屋でなにをしてるの?」
音もなく現れたのは母だった。
「あ、いや。電気つけるのがめんどくさかっただけ」
明るくなった部屋。
時計の色は・・・赤だ。
「ねえ、母さん」
「どうしたのね。唐突に」
「俺の時計ってさ。何色だっけ?」
母は困ったような顔をした。
「??赤じゃないの。最近あんた変よ。大丈夫?」
「大丈夫。ありがとう」




