王様よりも親友に褒められたい‼
国立魔法学院 第九魔術学習施設 シャコガイルへ受験を受けに来たダイヤモンドブリザード、ラキオレヴィオン、バウアー・ボウダンロウ、リズ・アルベール四名は無事一次試験を突破した。
第二次試験が開始されしばらくたったころ、リズアルベールとラキオレヴィオンの戦いが始まった。
リズアルベールは頭の中で今展開されている魔術を整理する。まず最初に展開された、造形魔術もしくは召喚魔術であろう「水属性第六魔層龍宗鑑チェンジザ」おそらくはこれが無料詠唱のかなめとなっている。これだけでもかなり厄介無料詠唱も面倒だが、魔層魔装のない単純な魔力強化のみのリズアルベールならば吹き飛ばせるほどの単純な膂力手早くつぶしたいが簡単にはいかないであろうとリズは予想する。次に一つ目の無料詠唱によって展開されたルールを持った魔術「無料詠唱六奇怪四〜土を割る逆瀧」これの魔術効果の詳細はわからないが、クジラに対して殺意を持った瞬間体に力が入らなくなった。これは、精神干渉形の魔術の類もしくは、物理的な干渉を止める効果を持ったルールを持つ魔術。前者だとして後者だとしても魔力の消費量はおそらく半端じゃない。これを踏み倒せるということは、もはや何でもありだ。
そして二つ目「無料詠唱、本日のラッキーナンバー宣言4対象リズアルベール」これに関しては詠唱時の開示情報量が多すぎて逆に細かい能力についての考察がしにくい、宣言が必要とはいえリズの魔層魔装を完全に機能停止まで追いやっている。この数字に関してはリズの使う魔術の魔層なのではないかとリズは今考えている。
そして三つ目のルールを持つ魔術「無料詠唱水属性第五魔層 常在魔術蓄積された魔力の縛り」これはリズの考察では指定されたテンポの意識を飛ばす魔術おそらく今回は偶数の数に指定されている。正確には意識を飛ばしているわけではなく指定されたテンポで魔術対象内の魔力を一瞬縛る、そうすることによって魔力操作と運動神経にずれを生み時間が飛ぶように錯覚させる魔術。リズにとって考察できるのはこんなところだろうか
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ルールを持つ魔術に対する最も一般的な回答は、そのもともと展開されている相手のルールを持つ魔術に対して、自分自身が有利になるようなルールを持つ魔術を使うということ。自分自身がそれに該当するルールを持つ魔術を持っていないのならば、ルールを持つ魔術を対象範囲内だけ無効化する魔術。つまりルールを持つ魔術のルールをなくすというルールを持つ魔術を展開すればいい。先ほどリズアルベールが試みた「プロテクションサークル」という結界魔術自身の防御結界として使うと同時にその役割も担っていた。それが展開されている間にまた魔層魔装を再展開し、攻勢をとるというのがリズアルベールの作戦だった。しかし魔力残量の都合上結界の内側のみをルールをなくすというルールを持つ魔術として対象を指定した。それのせいで「プロテクションサークル」の外側がラキオレヴィオンの展開した、三つ目のルールを持つ魔術である「蓄積された魔力の縛り」対象範囲内となり、偶数のテンポで魔力がスタンする都合上結界としての結び目が弱まりそこをラキオレヴィオンに突かれリズアルベールが展開した「プロテクションサークル」は一分も持たずに瓦解した。
「本当に君は王道だな、教科書通りにやっているのに魔術展開を読みとることができなかった。まるで絵本に出てくる吟遊詩人の恋文みたいだ」リズアルベールはそこまで深くはないイズミの中央でラキオレヴィオンに笑顔で言った。
「僕からしてみたら王道というのは君みたいなやつにある言葉だ。それにね、ひょんなことから僕は魔族になった。魔王はもういない目指すべき王の道なんてものは僕に入らないんだ、王様に褒めてもらうより今は君に褒めてもらえるほうが少しうれしいくらいさ。」ラキオレヴィオンは冗談でも言うみたいに言った。
「そっかじゃあ私は少しだけ邪道を歩んでみようかな。」そうリズアルベールが言った瞬間、洞穴を出てから晴れ渡り続けている空に全く似合わない安っぽい星空が浮かんだ。




